愛されたがりの僕は嘘を吐く
第1話 ただ、、、、
ただ、愛されたかっただけ
ただ、褒めてほしかっただけ
ただ、見てほしかっただけ
ただ、生きていたかっただけなのに、、、、
暗い部屋の中、何も聞こえない。何もない場所。生きてる理由すら理解しないまま部屋に籠る。学校には行かない。行きたくない。親はとっくに離婚してる。そのせいで母は精神病になってしまった。けどどうでもいいと思ってしまう。だって何もしてくれなかったから。暴力だってしてきた。褒められもしない。我儘を言ったら無視をされる。命令に従わなかったら家を出される。そんな日々だったから親がどうなってもどうでもよかった。
けど唯一の楽しみがあったんだ。
それは配信者の華翠さんの動画を見ることだった。華翠さんはゲーム実況、歌ってみた、褒め配信を基準とし色々な動画をアップロードしてした。声がすごく落ち着いていて、聞いてて飽きない声だ。顔出しはしてなくて、2Dで活動している。登録者はまだ100人を超えていない、人だった。
僕が好きになったのはゲーム実況での話だった。バットエンドのゲームをやってたんだ。華翠さんは初見プレーで結末を知らない様子で進めてた。そのまま止まることなくゲームが進みクリアした時には華翠さんは泣いていた。
「エンドリピートまさかこんな結末だったんだ。結構主人公の気持ち理解できる部分多くてびっくりだったよ。でも頑張って生きてたことは伝わるなぁ、、、自分の結末は自分が決めれるからね。」
その言葉が僕に響いた。頑張って生きてる、そんなの当たり前かもしれない。けど誰も言ってくれなかった言葉。誰かに言って欲しかった言葉。それが嬉しくて、今まで出てこなかった感情が湧き出できて泣いた。少しだけど泣くことが出来た。ほんとに嬉しかった。自分は生きててもいいのか分からなかったけど生きれる気がした。それから僕は華翠さんの配信を追うようになった。コメントはしない。したら華翠さんに迷惑な気がした。僕なんかのコメントを見る時間があるなら他の人のコメントを見て欲しかったから。それだけだった。善人ぶってるだけかもしれない。それでも良かったから。
エンドリピートの実況が好評だったからそのあと華翠さんの配信はどんどんのびた。嬉しかったはず。けど心の奥底では何が違う気がした。謎に気持ち悪くて、吐き出しそうだった。
「僕が見てた華翠さんはどこ、、?」
そう。華翠さんを今までの華翠さんとら見れなくなっていたからだ。