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ユウマside
念願の殲滅部隊に入って1年くらい経った。
鬼畜すぎる仮想現実シュミレーションのミッションや、心霊相談所の依頼の解決、実際に憑从影を殲滅して、この先の大学なども考えなきゃいけない目の回るような1日だ。
そんな1日が、頭痛や吐き気と共に始まる。
だけど、1年前とは確実に違うことがある。
「ハカ……?」
「ん…?」
何か暖かいものが当たってるんですけどと思った瞬間
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
といううるさい声が聞こえた。
「ななななな、なんでボケナスが私に抱きついてんのよ!?!?」
「え!?いや!!ハカが俺に抱きついたんじゃねーのか!?!?」
「違うに決まってるでしょ!!」
ちなみにこのやり取り今ので3回目だ
いい加減少しでもいいから慣れて欲しいっす…
まあ俺も全然慣れてないし、慣れる気もしないんすけど….
「はぁ….朝から元気だな。ハカは」
「…..ユウマ。」
「ん?」
「……おはよう」
今度は鈴のような可愛い声が聞こえた。
自分の顔が一気に熱くなるのと同時に、心の中が何か暖かいもので満たされていく気がする。
「ああ。おはよう。」
この部屋に来てまだ3回しか聞いたことない「おはよう」
俺の1日の幸せの合図
高校三年生。ハカと付き合うことが出来て5ヶ月くらい。同棲して3日目の朝だ。
ハカside
世の中のカップルってほんとにすごいなって改めて思う。
デートするとき街中で手を繋いだり、家の中ではいっぱい彼氏に撫でてもらったり….さ、触って貰ったりしてるんだろうな
だけど私は……
手を繋ごうとしても、すぐ諦めちゃう。朝も悪夢でうなされてるユウマに自分から抱きついたのに、ユウマの顔みたら恥ずかしくなって大声をあげてしまった。
付き合う前の方が、もっと積極的に出来た気がする
せっかくユウマの彼女になれたのに….不甲斐ない
私だってユウマともっとカ….カップルみたいなことしたいに決まってるじゃん
でも…恥ずかしくて、ユウマを困らせてしまいそうで…..そんなこと言えない。
一体どうしたらいいんだろ…..
「い….おーい。ハカ?」
「うわっ!?!?」
「考え事してたのか?」
「べ…っ別に…今日放課後クレープ食べようか迷ってただけ….!!」
「まだ1限目終わったばかりだぞ笑?」
ちらっとユウマの顔を見る。
ユウマは私のことほんとに好きなのかな。
ただ私の気持ちに気づいて、合わせてくれただけかもしれない。
ユウマは優しいし、自分の事よりも相手のことのこと優先させちゃうよね….
だって、告白したの私からだもん…….
ユウマは告白を断れないかもしれない
だったら…..
「……」
「ハカー!!」
いつものように親友が抱きついてきた。
心做しかあの日よりも元気になったような気がするな
本当にサナが生きてて良かったと今でも思う。(※ストーリー編勝手に終わらせてます)
「サナ?どうしたの?」
「どうしたの?じゃないよ!! なーにしょんぼりしてたの?」
「ひょ、ひょっほ!?ひゃな!?!?」
サナがほっぺを軽く引っ張ってきた。これも2日に1回されてる気がするな笑
「は!!もしかして黒神に告白して気まずいの!?もーせっかく両片想いなんだから付き合っちゃいなよ〜笑」
「へ!?!?」
サナ…というか家族以外、ユウマと私が付き合ってることは誰も知らない。
「そそそそんなわけないでしょ!?!?だってユウマとはただの幼馴染だもん!!!」
また….だ
人前では「幼馴染」に戻ってしまう
そんな自分が嫌いだ
「あ!!噂をすれば…ハカ!!黒神来たよ!!」
え!?
今の….聞いてた…..?
嘘….いや….
ユウマ本当は私のこと好きじゃないかもしれない
私がいっつもわがまま言っちゃうから
私が不器用だから
私がユウマを困らせちゃうから
私がユウマに嫌われるようなことしちゃうから
ユウマと会話どころか顔も見れそうにない
ユウマに会いたくない
怖い
ユウマside
ハカと一緒に帰ろうと俺が教室に入った途端、ハカがどこかに行ってしまった
背筋のゾワッとする感覚が俺を襲う
付き合ってから今までそんなことなかったし、俺を見て恥ずかしそうにすることは多かったけど、泣きそうな顔まで逃げることはなかった。
「ハカ!!!!」
学校で目立ちたくないっていう思いなんて忘れて大声でハカを追いかけようとしたけど、距離があったせいですぐ見失ってしまった。
くそ….俺なんか誤解させちまったのかよ…..
誤解させたとしたら….なんだ….?
考えろ….頭ん中ぶん回して…..
ん…..?
ハカside
ユウマから逃げてしまった。
終わった。絶対嫌われた。
はぁ…..
ため息が部屋の中に響く。
ソファーの上でうずくまって、少しだけくちゃっとなっている布団を見る。
まるでユウマがさっきまでそこにいたみたいだ。
でも…今日は1人で寝るのかもしれない。
1人で寝る方が…慣れてて、一緒に寝たのも数回なのに
今日1人だったら
ユウマが帰ってこなくなったら
私消えちゃいそう
おかしいよね。私。
さっきまで会いたくなかったのに
もう会いたいよ
「鍵…空いてんじゃん」
ユウマの声だ。
後ろへ振り向く。
「…..ただいま。ハカ。」
いても経ってもいられなくて、ユウマに抱きつく。
「ボケナス….」
「ハ…ハカ?これは…..」
「ボケナスがどっか行かないようにするためだもん」
「どっか行ったのハカだろ笑?」
「家帰っただけだし!!」
「…..はは」
「んで?」
「ん?」
「….したいこと、とかして欲しいことあるんじゃねーの?」
「ひぇ!?!?な..なんで…?」
「だって朝起きたらハカが俺に抱きついて来てただろ?」
「そ、それが何の根拠になるのよ….!!」
「…..俺、付き合ってから…..ハカに何も出来てねーって最近思っててさ」
「え…」
「朝…..ハカが何かして欲しそうな顔で俺のこと見てるの気づいてた。
だけど…..自信なくて」
「自信?」
「もし..それがただの勘違いで…ハカに嫌われたら、どうしようって」
「…!」
ユウマも私と同じ気持ちだったんだ….
「……1つ叶ってる」
「へ….?」
「今の…この状況。私のしたいこと。」
「…..他にはねーの?」
「あるに決まってるだろ……」
「ははっお好きなだけ……」
「え…..?」
ユウマside
…..今……お、俺の
ほっぺ….にやわらかいものが…..
「ハカ…….?」
え….?これもしかしてほっぺにキスされ…
「私たちも…..カップルだから、これぐらいしなきゃダメでしょ…ボケナス
カップルだから…..しょうがなくだからね」
心臓がうるさい。心がきゅっと痛い。
ハカと目が合う
ハカが恥ずかしそうに目線を逸らす
これ無理だ。
ハカside
やってしまった。もう後戻りはできない。
だけど….ユウマと同じ気持ちなら….
はずかしくて….早くユウマから離れたいのに、離れたくない。
ユウマ…どんな顔してるのかな。
「え⁉︎ちょ、ちょっとユウマ⁉︎」
「ハカ」
「ユウ…..」
「前言撤回。ハカのやりてーこと、後にしていいか?」
「え….」
一瞬何が起きたのか分からなかった
いつのまにか私はハグの体勢から仰向けで寝転がっている状態になって
目の前にユウマの顔が……
「嫌だったら…..好きなだけ殴ってほしいっす」
ユウマに顔を触られる
そして……何か口に…..
「ハカ」
背筋がビクッとした。
「________」
その言葉を口にしたユウマの顔はものすごく綺麗だった。