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乱れた呼吸を調える間もなく次々と襲ってくる刺激に、体が悲鳴をあげる。太腿から這い上がってきた指が秘裂を割り、滑らせるように撫でられ、粘液が糸を引く。
「ふぁっ……んん……っ」
「気持ち良いのか? はっきり言って貰わないと分からぬ」
なんて事を言わせようとしているのー!
でも、一度失敗している颯懔としては不安なのだろう。羞恥心をおさえて耳元で小さく答えた。
「……気持ち……良いです」
この快楽をどこに逃がせばいいのか。
ほとんどパニック状態になって颯懔の背中にしがみついた。カタカタと勝手に足が痙攣して力が入らない。
「はっ……あ……もうダメ……それ以上は」
入っては引き戻され、中を愛撫する指の感覚に頭がおかしくなる。もう十分だからとその手を止めようと掴もうとすると、逆に掴み返された。
「初めては痛いのであろう? 痛みを軽減する為には十分に濡らすこと、と書いてあった。十分がどのくらいのことなのかよく分からぬから、まだ駄目だ」
「そ、そんなぁ……あ……んんんっ」
至極真面目な顔でそんな事言われましてもー!!
脚の間に颯懔の顔があって、閉じたくても閉じられない。ヌルりとした感覚が割れ目の間を何度も行き交い、吸われ、蜜壷の中へと差し込まれた。
「やぁっ……もう……」
まだ掴まれていた手が向きを変えて、互いの指と指とか交互に絡み合う。力を入れると握り返され、一瞬だけ目の前が真っ白になった。
「あんんんんっ!!」
全身が痺れ収縮したかと思ったら、一気に脱力した。な……何が起こったの?
涙の滲む目で颯懔を見ると、満足気にペロリと唇を舐めている。
「絶頂に達したようだな」
自身の帯も解いた颯懔との間には、布の一枚もない。
そっと身体を重ね乗せられて、颯懔の重みに胸が圧迫される。でも嫌じゃない。
熱く火照った身体に汗が滲んでいるのが分かった。
「痛いかも知れぬが少しだけ我慢してくれ」
「はい……」
痛いかどうかはともかく、さっきから下腹の辺りがジンジンと物欲しそうに疼いている。ダラダラと垂れ太腿を濡らしている蜜が、颯懔の硬くなったモノを中へと|誘《いざな》う。
「ん……っ!」
入らない場所に、無理やり詰め込む圧迫感。
緊張で強ばる身体を解すかのように、胸を柔らかく揉まれ首筋に舌が這う。
「力を抜いて深く息をして」
私の呼吸に合わせて、颯懔が私の奥深い所まで入ったのがわかった。
あ、れ……?
「どうした、痛いのか?」
「いえ、思ったよりも。これなら妖と戦った時の方が何倍も痛いなって思って」
確かに裂けるような痛みは多少あるものの、想像していたものが酷すぎたのかそうでも無い。何度も死に目にあってきただけのことはある。
「それよりも……好きな人とこうしてくっ付いていられることの方が嬉しくて。いつもより颯懔様をずっと近くに感じられますね」
素直に感想を述べて、えへへと笑ってみせると、颯懔の頭がボスんッと顔の横に落ちた。
「これだから明明は……これ以上俺を煽らないでくれ」
「え……ふぁっ!」
もっと奥まで突き上げられたかと思えば引き抜かれ、体の深い場所を何度も快楽が走る。
腰を動かす度に、体が揺さぶられる度に艶かしい音が部屋に響いた。
気持ちよすぎて苦しくなることなんてあるんだ。
どう呼吸していいのか分からない。浅く短い息が耳元にかかる。颯懔もきっと同じだ。
「颯、懔様……す、きっ、です……ぅんんっ」
本当はもっと好きだと言いたい。
師匠としてではない貴方も。
でも、妙な声が出てしまうのを止められなくて一度言うのが精一杯だった。代わりに腕を伸ばして首の後ろに手を回すと、堪えるような苦しげ顔をした颯懔が、口付けの間際に応えてくれた。
「俺もだ。明明、好きだ」
重なり合う唇の間から、互いに息が漏れた。
「あっ……」
「くっ……」
下腹の奥に広がるのは、これまで感じたことのない程膨大な陽の気。
脳が痺れるほどの快感が押し寄せてきたかと思ったら、体がまた一気に脱力した。
「ねむ……い……」
連日続いていた一人野宿と妖怪との戦闘と、更に颯懔と心が通じ合えた幸福感でいっぱいで、意識を保っていられない。勝手に落ちてくる瞼の上から、颯懔の柔らかい唇の感触がした。
「おやすみ、明明」
朝日が昇るまでぐっすりと眠ったのは久しぶりだった。