テラーノベル
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ドゴォォォォンッ!!!!
轟音と共に、分厚い壁が吹き飛んだ。
「えええええ!?」
職人たちが腰を抜かす。
「……ほ、本当に、人間の仕業なのか……?」
アレクは無表情のまま、拳についたチリを払った。
「次はどこだ」
(アレクの闇魔法、便利を通り越して凶器じゃない……!?)
その横で、レオンが私の手元の図面を覗き込み、自然に距離を詰めてくる。
「バイオレッタ。この導線なら、客席から炎の演出もよく見えるんじゃない?」
「確かに、そうね」
逃げ場がないほどではないのに、妙に意識してしまう距離感だった。私とレオンの肩が触れた。
ドバゴォォォォンッ!!!!!
先ほどの三倍は大きな音を立てて、隣の壁が粉砕された。
「……」
アレクの背後に、赤黒い炎のようなオーラが見える。
(ちょっと! 嫉妬のエネルギーを工事にぶつけないでちょうだい!)
***
内装工事が一段落し、厨房を覗く。
そこではフローラと料理人たちが新メニューの打ち合わせをしていた。
ガラス張りの厨房を生かして、客席の目の前の窯でピザを焼く。
トッピングにチューリップやビオラの花びらを散らす、見た目も華やかな映えメニューだ。
私の姿に気づくと、フローラがタタタッと小走りで駆け寄ってきた。
「お姉さま」
「どうしたの、フローラ?」
フローラはきゅっと私の袖を掴み、ぷくっと頬を膨らませた。
「レオン様と距離が近すぎますっ」
「え? 仕事よ?」
私は首を傾げる。
「何も気にする必要はないわ」
フローラは俯いた。
「お姉さまがなんともなくても、心配なんです……!」
少し潤んだ目で、私を縋るように見上げてきた。
「私、寂しいです……っ」
(――なにこの可愛い生き物。天使!?)
ぎゅんっ、と胸を撃ち抜かれた私は、たまらず彼女の頭をよしよしと撫でた。
「もう、フローラったら。考えすぎよ」
――その時。
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