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第二章:最強の国への帰還と、狂愛の信徒たち
エイディルを追放されてから数日。瀬麗梛が帰還したのは、漆黒の城壁に囲まれた常勝の国家『セレスティア』だった。総統室の扉を開けた瞬間、凄まじい風圧と共に、三人の男たちが彼に飛びついてきた。
「総統様ーーーっ!! お帰りなさいませ!! あぁ、どれほどこの時を待ち侘びたか……!」
一番に抱きついてきたのは、白銀の髪を持つ幹部・怜。普段は他国を滅ぼす冷徹な死神と恐れられているが、瀬麗梛の前ではただの過保護な忠犬だ。怜の瞳が、瀬麗梛の服の汚れを見つけて即座に血走る。
「……総統様。その汚れは? あの不敬な虫ケラどもの国で、何かされましたか? 今すぐ俺の火と雷で、あの国を消し炭にして参ります」
「怜、落ち着いて。僕がわざとやっただけだから」
瀬麗梛がふんわりと笑うと、怜は「はぅっ」と胸を押さえて蕩けた顔になった。
「総統様、総統様……! 僕を置いてあんな国に一年も行くなんて、酷いです……」
次に瀬麗梛の足元に跪き、狂気的なまでの執着の目を向けたのは來執だ。彼は瀬麗梛の手をとり、愛おしそうに頬を寄せる。
「あの国の連中、総統様を追い出したそうですね? あはは、死にたいのかな? 僕の氷でじわじわと凍らせて、僕の火で炙って、死なないように『治癒』で何度も何度も肉体を治して、永遠に苦しめてあげますね……!」
「來執も物騒だなぁ。でも、ありがとう」
「ちょっと二人とも、総統様にベタベタ触りすぎ! 俺の番でしょ!」
チャラついた口調で二人を押し退け、瀬麗梛の腰に腕を回したのは瀬凪だ。彼は普段、街の女性をナンパするような軽薄な男だが、瀬麗梛への執着は人一倍強い。
「総統様ぁ、俺、総統様がいなくて寂しくて死にそうだったんだからね? ほら、構って? 俺の土魔法で、あの国を地割れに落として埋めちゃおうか?」
「ふふ、みんな本当に僕のことが大好きなんだね」
愛され体質——というよりは、あまりにも強烈な「狂愛」を向ける幹部たち。そこへ、空間がぐにゃりと歪み、一人の少年のような姿をした存在が現れた。
「せーりーなー! お帰り!」
この世界の頂点に立つ、一番偉い神様——隋星だった。隋星は総統以外の人間にはゴミを見るような冷たい視線を向け、慇懃無礼な敬語を使うが、瀬麗梛の前に来ると完全に甘えん坊の「ショタ」のようになる。
「隋星、ただいま」
「もう、せりなが変な国に行くから、僕、退屈で世界を一つ滅ぼしちゃうところだったよ? あの国、僕が与えた加護を全部剥ぎ取って、呪いを付与してあげようか?」
隋星はふわふわとした笑顔で、恐ろしいことをのたまう。
「いいよ、泳がせておいて。あそこ、もうすぐ勝手に滅びるから」
瀬麗梛は総統の椅子に深く腰掛け、愉悦に満ちた声をあげた。
「僕という『抑止力』を失ったあの国が、どうなるか見ものだよね」
以上 第二章 でした 。
では 又 ~ 。
コメント
1件
わあ、第二章、読ませていただきました!瀬麗梛さん、帰還早々めちゃくちゃ愛されてますね……!怜さんの「はぅっ」とか、來執さんの執着っぷりとか、瀬凪さんの軽そうなノリなのに土魔法で地割れとか、個性が立ってて一気に引き込まれました。隋星さまのギャップも面白いです。「抑止力」を失った国がどうなるか——この先がすごく気になります!続き、楽しみにしていますね🌷