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コメント
6件
左右で目の色違うってことはオッドアイか! 僕のアイコンもオッドアイだからちょっと親近感ある!
待ってやばすぎこれ面白いすぎこれは、続きがめちゃくちゃ気になる私本大好きだから仲良くなれそうな主ちゃんだね笑楽しみにしてます
『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜
第1章 『狙われたシンデレラのガラスの靴』
〜宝石と美しい硝子〜
第1話 世界に一つだけの
中央の大地 美術館
『これはガラスの靴です。ただのガラスの靴ではなくほうせきが散りばめられた世界に一つだけのガラスの靴でございます。1足1000万ゼニーでございます。』
『つまり2足で2000万ゼニー……。凄いですね…!』
『でも館長。セキュリティ面は大丈夫なのでしょうか?』
『問題ありません。警備員も多数導入させていますからね。では、次の場所に行きましょうか。』
数時間後――。
『いや〜館長。あのガラスの靴を見に遠くからはるばる来ましたがやっぱり実物は最高ですね!』
『そうだろうそうだろう。集客集も上々だしな!あのガラスの靴は私の祖父から譲り受けたものでな。美術館に飾ればたくさん儲けられると思って設置したんだ。いいものを貰い受けたものだな!はっはっは!』
『明日も期待していますよ館長!』
館長の部屋で談笑していた時には既に
事件の歯車は動き出していた。
その日の夜――。
ゴーン、ゴーン…。
ガシャーンっ!
『なんだ今の音は!』
懐中電灯で照らした。
『っ!』
『そのガラスの靴……!泥棒だ!捕まえろ!』
ダッダッダ……!
『なにぃ!?泥棒だと!?私の、私のガラスの靴は無事なのか!?』
急いで中央ホールに向かう。
そこにはケースを割られてガラスの靴が盗まれていた。
『そんな、私のガラスの靴が…っ。』
『申し訳ございません!我々が駆けつけた時には既にガラスの靴は盗まれていて…。』
『っ、くそぉ…っ。憲兵を呼べ!そして、探偵を呼べ!悪魔執事の主を――!!』
翌日。デビルズパレスにて。
『お姉ちゃん見てみてー!』
『百合菜。どうしたの?』
『ラムリとゲコちゃん捕まえたの!』
『ふふ、元気ね。キッチンには持って行っちゃダメよ。ロノが怒るからね。』
『はーい!』
コンサバトリーで本を読んでいたら妹の百合菜がゲコちゃんを持って走ってくる。
『平和だわ…今日も。』
『主様、本を読むお供に紅茶はいかがですか?マドレーヌも用意してます。』
『ありがとう、ベリアン。』
『お姉ちゃんいっつも本読んでるよね、飽きない?』
『飽きないわ。本を読むのは大事よ。知らないこと沢山知れるもの。百合菜も一緒に読む?』
『私本読んだら眠くなるもん!ラムリとゲコちゃん捕まえるのが好きだからいーの!』
『自由奔放な子ね。貴方の好きにしなさい。』
『はーい!』
百合菜はゲコちゃんを片手に走っていく。
『主様。右目痛くないですか?もし痛いようならルカスさんに痛み止めを…。』
『大丈夫大丈夫。気にしないで。』
私は右目と左目で色が違う。だから眼帯をつけている。気味悪がられてしまうから。
そして、この右目にも秘密がある。
この赤い右目には『読心』という異能の力があるのだ。私の名前は姫神麻里衣。探偵をしている。この異能の力で沢山の事件を解決してきた。この力を知ってるのは両親だけ。
妹と執事達は知らない。この力も決していいものではない。相手の心をなんでも読んで聞こえないことも、聞きたくないことも聞こえてしまうから。私のひいおばあちゃんも読心の能力があった。だから妹にもいずれ何かしらの異能が宿ると言っていたけど……妹に私と同じ道は歩ませたくない。百合菜には幸せな人生を送って欲しい。
眼帯をつけていれば心を読むことはないし
探偵として仕事をしてる以外は眼帯をつけて過ごしている。
『でも、主様…。』
『本当に大丈夫だよ。傷とか痣とかでもないの。』
『そうですか…かしこまりました。』
コンサバトリーで過ごしていた時、エントランスから声がした。
『悪魔執事の主の姉の方は今ここにいるか! 』
『私……?』
『どうやら主様のことですね。』
『お仕事かな…。』
私は本を閉じてエントランスに向かう。
『ただいまこちらに来ていただきますので少々お待ち下さいね。』
『ルカス、ごめんねお待たせして。』
『お前が探偵の…。』
『お待たせして申し訳ございません。貴族様。お初にお目にかかります。』
私はスカートの裾を持ち頭を下げる。
『悪魔執事の主の双子の姉の麻里衣です。 』
『お前が例の…。デビルズパレスに美しい主の探偵がいると聞いていたが…予想通りだな。』
『ふふ、もったいないお言葉でございます。お話を伺いましょう。どうぞ、こちらへ。』
『あぁ。』
『ベリアン、お客様にお茶菓子とお飲み物を。』
『かしこまりました。』
『ドローイングルームにご案内しますね。こちらです。』
コツコツ…。
一方その頃。
『あれ?主様何してるんだろ。』
『どうしたのラムリ。ん、お姉ちゃんと貴族の人?お姉ちゃんお仕事かな?』
『主様のお仕事は探偵ですからね。きっとその依頼とかですかね。』
『流石お姉ちゃんだな…。』
『百合菜様は違うんですか?』
『私は補佐みたいなものだから…お姉ちゃんみたいに事件を解決したことなんてないからさ…。お姉ちゃんは私の憧れなんだ。』
『百合菜様…。』
その横顔は少し寂しそうに見えた。
姉である麻里衣様の事を羨んでいるような。
『私の名前はディル・グロリアだ。美術館の館長をしている。単刀直入に言おう。私のガラスの靴が盗まれたんだ!宝石で散りばめられた美しいガラスの靴なんだが……。』
『新聞でご拝見致しました。確か2足で2000万ゼニーでしたか?』
『あぁ。昨日の夜、何者かに盗まれたんだ!』
『あれほど綺麗なガラスの靴ですもの、誰かに盗まれてもおかしくありませんわね。盗まれたのは何時頃ですか?』
私は手帳を開く。
『昨日の夜の……0時頃だ。鐘が鳴ったからよく覚えている。』
『0時頃にシンデレラのガラスの靴が盗まれた……。』
(シンデレラの魔法がとけたのも0時よね。
…関係ないか。)
『なにか怪しい人とか目星は着きますか?』
『昨日は美術館の初開園だった。だから招いたのは貴族の方だけなんだが……。私は その中の客だと思っている。』
『その客のリストなどはありますか?』
『あぁ。美術館の私の部屋に紙が置いてある。』
『分かりました。では美術館に向かいましょう。』
『あぁ。』
次回
第2話 リストにない名前