テラーノベル
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第2話 「見て見ぬふり」
嫌がらせは毎日のように続いた。
飲み物をかけられる。
ボールをわざとぶつけられる。
「副主将サマ」と馬鹿にした声。
周囲は気づいていた。
でも誰も止めない。
強豪校の空気。
面倒事を避ける沈黙。
赤葦もまた、その沈黙を受け入れていた。
ある日、木葉は赤葦と一緒に体育館へ向かっていた。
木葉「お前ちゃんと寝てる?」
赤葦「普通です」
即答だった。
けれど顔色は悪い。
ロッカー前で立ち止まった赤葦が、急に動きを止める。
木葉「……赤葦?」
上履きの中には、大量の画鋲。
木葉の顔から笑みが消えた。
木葉「……誰がやった」
赤葦は慌てて画鋲を隠す。
赤葦「木葉さん、大丈夫ですから」
木葉「よくねぇだろ」
その時、後ろから笑い声がした。
モブ達「え、マジで入ってたんだ」
空気が凍る。
木葉は初めて確信した。
これは悪ふざけなんかじゃない。
“いじめ”だ。
#紗祐コンテスト
コメント
1件
第3話、読みました……。木葉さんが「よくねぇだろ」って言い返すところ、胸が熱くなりました。今まで沈黙を守ってきた空気の中で、初めて誰かが赤葦のそばに立った瞬間だと思うと、その一言の重みがじんわり来ます。そして赤葦が「大丈夫ですから」と隠そうとする姿がもう……切なくて。日常に潜む“見て見ぬふり”の連鎖を描きながら、木葉という“視線”が変わり始めた回でしたね。続きが気になります。