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言葉にしなくても伝わると思ってしまっていたのです。

ある日を境に急に変わった態度を見て、私は「気持ち悪い」と言われてしまったと思い込んでしまいます。

私自身では普通に接していたつもりだったけれど、実際は違ったみたいです。

それでも今まで仲良くしてくれていたことに感謝しています。

そしてごめんなさい。

私はきっとあなたのことを嫌いになれません。

だってあなたとの思い出はとても温かくて幸せだったんですもん。

「ねえちゃん!」

「どうしました?」

「わたしね!テストがあったんだけど100点取ったんだよ!」

「それはすごいですね」

「うんっだからさ、約束通り一緒に遊ぼうよ!」

「・・・ごめんなさい。私忙しいんですよ」

「えー!なんでだよー!」

「また今度お願いしますね」

あの頃の私はあなたと遊ぶことよりも大事なことがありました。

あなたのお姉さんになるために勉強をしたり家事を覚えたりしていました。

それに気づいたときあなたはどんな顔をしていたんでしょうね。

今の私ならわかるけど当時の幼い私は全くわかってなかったと思います。

それでもあなたと過ごす時間は楽しくて幸せな時間でした。

あなたの言葉を信じたいと思う反面、信じきれない自分もいます。

私なんかよりもずっと魅力的な人なんてたくさんいるし、こんな風に裏切られることだってあるかもしれないって思うんです。

だから私はきっとまたこうやってあなたを傷つけてしまうかもしれません。

でもそれはあなたが悪いんじゃなくて自分の弱さのせいです。

どうか許して下さい。

そしてできることならもう一度だけチャンスを与えてくれないでしょうか。

これからは自分の気持ちにも正直になろうと思います。

「今日こそちゃんと話します」

教室に入ると、昨日と同じ場所にあなたを見つけた。

「おはようございます!」

元気よく挨拶をするけれどあなたは返事をしてはくれず、こちらを見ることもない。

そのまま席に着くと、鞄の中から教科書を取り出す。

(やっぱりダメだったよ)

朝練に向かう前の彼に話しかけたものの、一言二言交わしたところで逃げられてしまったのだ。

それから何度も声をかけようと試みたのだが、なかなか上手くいかない。

結局、ホームルームが始まるギリギリまで粘った結果がこれである。

しかしここで諦めるようなら最初から話し掛けたりなどしない。

(まだ授業開始まで30分もある!)

チャイムが鳴るまでの時間を逆算するとあと15分程度しか猶予はない。

一限目の授業の準備をしながら次の作戦を考えることにした。

クラヤミソロカル

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