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「間に合った⋯!」
早朝の朝焼けの光を背中に一杯に浴びながら、満面の笑みと共に拳を強く握った。よーし!今日はいち早く学校についたぞ!校門に全然人がいない!これならいけるかも⋯
わたしはこっそり校門から生徒玄関を覗き、誰も居ないのを確認してから急いで戸を開けた。本来のわたしの一年生の玄関を通り過ぎ、二年生の玄関へ向かう。再び二年生の靴箱にも人影に注意しながら近寄り、素早く〝お目当て〟の番号へ行く。あっ、告白とか、バレンタインとかじゃないよ?相手は同性だもん。あ、でも今どき同性愛ってあるか⋯でも、違うからね!これはわたしの勝手な友情と正義感と親切心ゆえの行動なの!
わたしは29番の札が掛かっている靴箱を見つけてから、改めて当たりをきょろきょろ確認する。よし、誰も居ない!わたしは恐る恐る靴箱を開けた。
「____!うわっ⋯⋯⋯」
開けた瞬間に強烈な匂いと共に溢れ出たのは煙草の吸殻だった。靴箱に大量に詰められた吸い殻を払いのけて見ると、中にしまってあった靴も炭だらけになっていた。
「ひどい⋯」
わたしは手際よく吸い殻を集めて、持参したポリ袋に入れる。そして靴と共に手にしたまま生徒玄関を後にし、靴についた炭や煤を払う。手で払っただけでは上手く汚れが取れなかったから、わたしは校舎裏のホースで水洗いすることにした。
「これでよし!」
なんとか洗い終わったところで、校門から話し声が聞こえてくる。まずい!もうみんな登校してくる時間だ!わたしは急いで靴を持って再び生徒玄関に入り、元通りの29番に靴を戻す。生徒が入ってこない内に一年生の靴箱に行き、自分自身の靴を履き替えた。
スリッパを履いて、階段を駆け上がる。___ミッション、成功!よくやったわたし!笑みが溢れ出てしまっているが、別に誰も居ないから大丈夫⋯
「優陽ちゃんおはよう。」
「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?!??!?!?!」
ウキウキで階段を上がっていたところで、隣に肩を並べてきたのはクラスメイトの安藤かるまだった。
「なにかいいことあったの?るんるんだね!」
そう言われてはっとして口元を押さえた。やばい!にやけてたの見られた⋯!?は、恥ずかしい⋯。きっと今耳まで赤くなってる⋯。ちらりと横をみると、かるまが不思議そうに目を丸くして私の顔色を伺っている。私は気持ちを悟られぬよう、ごほんと咳をひとつ。
「んーまあね!早起きしたから何だか気分がいいの。」
「早起き!偉いねえ、早起きは三文の得って言うもんねえ。」
かるまが、さっきまで丸くしていた目を細くしてうんうんと大きく頷いた。良かった、怪しまれてはないみたい。わたしの方がかるまより学力は下のはずなんだけど⋯まあ、これが俗に言う天然ってやつだろう。それにこの学校じゃ学力なんてそんなに関係ない。私は正直進級できるか怪しいところではあるけど⋯なんてったって、ここは峯明高校だからね!良心と正義感と親切心と⋯えっと、そういうのがたくさんあればとにかくOKな学校なの!わたしみたいなバカでも、中身がちゃんとしてればいいんだ〜。
だから、この学校は居心地が凄く良いの!わたしはかるまと他愛ない話を重ねながら階段を駆け上がる。きょうも素晴らしい一日の始まりだ!
あとがき
いいなー、私も峯明高校みたいな学校があったら行きたいです。典型的な自称進学校なのでこっちは何もかもが中途半端というか⋯()みなさんは進学する高校にどんなものを求めますか?私は徒歩で通えれば何でも良いです(車酔いするので⋯笑)
次回もよろしくお願いします!
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