コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「ねぇ、もっと、キスして……」
「ああ、いくらしても、足りないくらいだ」
口づけが雨のように全身に降り注ぐ。
脱がされた艷やかな着物と帯が、ソファーを垂れて目の端を滑り落ちると、とても妖しく淫靡に映る。
はだけた和服を両肩に掛けたままの彼に抱えられると、絹の滑らかな肌触りに裸体がふわりと包み込まれた。
ほんのりと酔って潤んだ瞳に見つめられていると、醸し出される彼の色気に虜まれて、熱に浮かされ逃れられないようにも感じた……。
「……好き、大好き……抱いていて、もっと」
「ああ、もっと抱いて……離さない、鈴……」
重なり合い汗ばんだ身体が、一つに溶け合っていくようにも感じる。
「……愛してる、ダーリン……」
「……ダーリン?」
彼から問い返されたことで、つい無意識に声に出してしまっていたことに初めて気がついた。
「うん……ダーリン。ずっと心の中で、そう呼んでたの……」
言ってしまった手前もう隠せなくてと、ややはにかみながら答えると、彼の腕にぎゅっと抱き締められた。
「そんな風に呼んでもらえて幸せだよ、鈴。おまえへの愛おしさが、あふれて止まらなくなりそうだ」
彼に『おまえ』と呼ばれると、下半身がじんと疼いて潤いが淡く滲み出すのを感じた。
「……そんなに締めつけたら、イってしまう」
「……いいの、イって……」
「……ん、ダメだ……」
覆い被さるように口づけられ、
「二人で、達したい……」
耳元に甘ったるくひそめた声が吹き込まれた。
抱えられている両手にぐっと力が込められ、緩やかに追い上げられる。
「あっ……はぁー……」
足先がピクンと引きつれるような感覚と共に私が達して、
「んぅ……、あぁー……」
彼が微かな吐息に紛れた艶っぽい声を上げて昇り詰めると、互いの乱れた息を整えるように、小さく啄むようなキスを幾度も繰り返した。