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 日和は起き上がり、両手を広げて洸夜を抱きしめた。ふわふわな羽が柔らかくて気持ちいい。トントントンと子供をあやすように背中を優しく叩いた。

「ひ、より……?」



 不思議、そう思っている揺れた声が耳元に落ちてきた。



「少し驚いただけ。普段社長として仕事を頑張ってる洸夜も、夢に出てくるエッチな洸夜も、こんなに綺麗な羽のついている洸夜も、どんな姿であれ、あんたはあんたなんだから、怖くない。好きな気持は変わらないわよ」



 恥ずかしいけれどサラサラと砂糖がこぼれるよう、流れて、自然に言葉が出てくる。ずっと身体の中に溜め込んでいたものがすぅっと溶けていくような、そんな感じ。



「日和、もう一回名前で呼んで」



 頬を撫でられ優しく包み込まれる。温かい、日和の大好きな洸夜の手。



「こ、うや」

「もう一回」

「洸夜……んっ……」



 洸夜は官能の篭った瞳で微笑み、優しくキスをした。



「たまんねぇな、日和の蕩けた顔。もっと見せて」

「あ……んっ……」



 歯列をなぞる舌先、ざらりと舌を舐められそのまま奥まで吸いつくされた。お互いの唾液が混じり合い、一つになる。唾液の絡む音がくちゃくちゃと卑猥に部屋に響いた。

 腕を洸夜の背中に回すとふわりと羽に手が触れた。こんなに闇に溶け込んでいそうなほど真っ黒なのに触ると柔らかくて気持ちがいい。抱きしめても痛くないのだろうか、おそるおそる抱きしめる。



「もっとしっかり抱きついて。何も痛く

ないから、もっと俺にくっついて」



 エスパーかと思った。おそるおそる抱きしめたことに気づいたようで「もっと」と催促してくる。

 唇が真っ赤に染まり上がり少しヒリヒリするくらい、唇の横から唾液が流れ落ちてはペロリと舐めあげて、何度も何度もキスを重ねた。

 するりと絡まっていた舌が首のラインをなぞり、くすぐったいような、じれったいような、気落ち良いような刺激で甘い声が出た。



「あ……気持ちいい」

「あ~、素直な日和は俺を殺す気だな。今日は朝まで日和を抱かせて」



 朝まで? 明日はクリスマスの次の日だから店は休みだ、なんて冷静に考えてしまっている。



「あっ、んぅッ……」



 両足の太腿をがっしりと掴まれ広げられる。大きく開いた花弁は洸夜を誘うこむようにとろとろと甘い蜜を流していた。



「さっき一回イッたからかな。綺麗な赤色だ。それにすごくいい匂い。日和の甘い匂いがぷんぷんする」



 洸夜の肉厚な舌がじゅるりと秘溝から流れる蜜を掬い上げる。表面を優しく舐められ鼻先がちょんっと秘核をたまに刺激した。その度にびくんと背が仰け反る。



「なに、ココに当たるのいい?」



 舌先を尖らせ日和の敏感な突起を円をかくように舐め回す。円がだんだん渦巻いて湧き上がる愉悦が止まらない。



「あぁんっ、イイッ、きもちい……あぁっ……」

「そんなに気持ちいいんだ。日和のえっろい汁がどんどん溢れ出てくる。舐めきれねぇな」

「やぁ……言わないでっ……」

「吸っても吸っても出てくる。やばいな、すごい興奮する」

「や、あぁんっ……あぁっ、あぁっ」



 再び洸夜の舌に翻弄される。ぺちゃぺちゃと水滴を啜る音が響き、自分がものすごく濡れていることにカァッと顔が紅くなるのが分かった。



「あし、閉じんなよ」



 快楽のあまりだんだんと閉じていた足をまた大きく広げられた。足の間から洸夜は日和を見上げてわざとらしく口の周りに着いている愛液をペロリと舌で舐めた。熱い眼差しでとても妖艶な表情にドキリと心臓が反応し体中が熱くなる。ふつふつと血液の温度が上がり沸騰しそうだ。



「あぁんっ、やぁ、指ぃ……」



 日和の蕩けた蜜壺はすなりと洸夜の指を呑み込む。一本なんて余裕。洸夜は更にもう一本の指を日和の呑み込ませ二本の指でくちゅくちゅと卑猥な音を立てながらゆっくり中を楽しむように抜き挿しを繰り返した。



「もう指がびっしょびしょ。日和の中、すごいうねって絡みついてくるんだけど。まじで可愛い」

「やぁっ、言わないでッ……んんっ……」



 指の腹でお腹の中をスリスリと擦られ、指で広げられた入り口が横に伸び、縦に伸び、縦横無尽にかき混ぜられ形を変えた。変えてもなを洸夜の指をキュウキュウと締め付けてしまうのだ。



「あぁん……やっ、やぁっ……ぁぅン……あ、あっ、あんっ」

「イイ声、そんなに俺の指が好き? 日和の感じてる声だけでイキそうになるな……」

「ンンっ……こ、こうやぁ……はぁんッ」

「あー、まじで名前呼びの破壊力えげつないわ」



 動きが早くなる。蜜壺から愛液が掻き出され、無防備に揺れていた二つの膨らみの頂きを口に含み口腔で弄んだ。



「ああっ、や……両方はダメぇッ……」

「ダメじゃなくて気持ちいいだろ?」



 グググ……と指が奥まで進んでくる。大きな刺激に身を捩り、洸夜の背中に手を回して抱きついた。羽を掴み痛いかと一瞬思ったがそんなこと気にする余裕もない。ぎゅっと柔らかな羽と筋肉で硬い男らしい背中を抱きしめる。渦が、大きく、近くなる。



「もぉ、あぁっ……やだ、やぁっ……へんたいぃ……あぁッ」



 根本まで挿し込まれた指が日和のなかの奥を擦る。じわじわ広がる温かな心地よさがあるものの、もっと先の、指では触れられない場所を求めて身体が疼き出した。



「ンッ……はっ、あっ……指……もっとぉ、奥ッ……んんっ」

「奥? なにもっと奥に欲しいのか?」

 コクリと頷く。もっと、指では届かないところを、洸夜のモノで突いていっぱいにしてほしい。

「なに? ちゃんと言って? 奥に何が欲しいの?」



 嬉しそうによがる日和を上から見下ろし、指のゆるやかな動きは止めずに滾った雄芯を太腿に擦りつけてくる。大きくて硬い、洸夜の身体の一部。


「い、いじわる……んっ、あっ、……洸夜のコレ……挿れて」



 徐に手を伸ばし大きく反り立つ熱棒を握りしめると、一瞬洸夜の息が詰まり、手の動きが止まった。眉間にシワを寄せ少し苦しそうな顔。気持ちいいのだろうか? ビクンと震えた熱塊がなんだか少し可愛く思えてゆっくり上下に握りしめた手を動かした。



「あっ……ひより……それはやばいって。気持ち良すぎ」



 フーフーと息を荒くする洸夜。自分が洸夜を気持ちよくさせてあげられていると思うとなんだか嬉しくてもっと。気持ちよくなってほしいと、握る手の力が強まり、動きも自然と早くなる。なんだか握っている尖端からトロリとした液が出てきたのか垂れてきて滑りを良くするのを手伝ってくれた。くちゅちゅと水音が鳴る。



「っつ……まじでやばい。日和の手でしてもらえるなんて……夢みたいだ」

「気持ち、いいの?」

「あぁ、やばいね。イきそうになる」



 ならもっと気持ちよくなってもらいたい。日和は腰を引き、洸夜の指を自分の中から引き抜く。まじまじと自分が今手にしている洸夜の雄笠をまじまじと観察した。握っている部分は太く赤黒い、少しグロテスクな見た目だが尖端はツルリと丸みを帯びていてなんだが可愛い。



(こ、これを咥えれば……もっと気持ちよくなってくれるのかしら)



 日和は処女ではなかったが、男の性を口に含んだことは無かった。知識としては知ってはいるもののどうしてもしてあげたいと思う気持ちになれずに、付き合ってきた男には無理だと断って切った。でも今なら、出来る気がする。いや、むしろ自分が洸夜のことを気持ちよくさせたい。握っている熱棒にゆっくりと顔を近づけていくと、なんだがむわむわと雄の匂いがする。つるりとした尖端に舌をそっと充てるとちょっと苦い。あの流れ出ていた液体が苦いのだろうか。苦いけど吐き出す程ではないので丁寧に舐め上げた。



(これでやり方あってるのかしら……?)



 チラッと洸夜の顔を除くと顔を真っ赤にして日和が自分のモノを舐めているのをジィっと見ている。バチリと視線が合い、握っていた熱塊がビクッと震えた。



「日和。それは反則、こっち見ないで。日和が舐めてくれてるだけで嬉しいのに見られたら、イきそうになる」

「い、イッていいんだよ?」



 手で髪を掻き上げ困ったように笑う洸夜がものすごく愛おしくなった。ブラウンの髪の後ろにある大きな漆黒の羽。ブラウンの綺麗な髪も好きだったけれどこの歪みのない真っ暗な羽も日和は一瞬で好きになった。彼の身体の一部だと思うと愛おしくて、きゅんっと下腹部が疼き、もっと彼に気持ち良くなって欲しい、そう思いもう一度熱棒を口に含んだ。またビクッと肉棒が震えた。

 やり方があっているのかは分からない。ただ洸夜に気持ちよくなって欲しい一心で無我夢中に舐めたり、咥えて上下に口を動かしたりした。その度に漏らす洸夜の吐息が官能的で気持ちよくなってくれているのかなと嬉しくなるのと、足の間の疼きが大きくなりゆさゆさと腰を動かしてしまう。



「日和」



 名前を呼ばれて見上げると腰を引かれ口腔から洸夜の雄芯が引き抜かれた。



「え……? 気持ちよくなかった?」



 だから引き抜いてしまったのだろうか。



「まさか、気持ち良すぎて日和の口の中に出しそうになったぐらい。でも今日は日和の中でイキたいし、日和も欲しくて腰が揺れてたからな」



 スルリといやらしく腰を撫でられる。



「やっ……!」



 自分が淫らな女に思えて恥ずかしくて顔を逸らした。こんなに感じてしまうほどの身体にしたのは正真正銘この男だ。それまではどんなに抱かれようとも気持ちよさを感じず、濡れずに痛い思いばかりしてきたのに、この男はいとも簡単に日和を淫らな女にした。

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