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kz side
いつの間にか時は流れて__。
もう高校2年生の春。
去年あの式に出席していた俺は、見守る側に立っている。
俺もfuも、生徒会に所属している。
fuは、副会長。俺は、書記。
――入学式。
会長の手伝いがあると言って、fuは慌ただしくどこかへ走っていく。
その背中を見送りながら、胸の奥に、じわりと黒い感情が滲んだ。
会長と、ふたりきりなんじゃないか――。
そんな、どうしようもなく醜い嫉妬心が、じわじわと心を支配していく。
走り去る彼の背に向かって、思わず声を張った。
kz『教室で待ってる!』
振り向くことはなかったが、fuは片手を軽く上げて応える。
それだけで、少しだけ救われた気がした。
kz(あー、好きだ。)
心の中でぽつりと呟く。
――どのくらい時間が経っただろう。
青く澄んでいた空は、いつの間にかオレンジ色へと変わり、
校庭の桜も夕焼けに染められて、淡く揺れている。 人気のなくなった教室で、一人、窓の外をぼんやりと眺めながら。
kz『fu…』
ほんの少しの寂しさが声となって零れ落ちた。
fu『呼んだ?』
後ろから聞き慣れた声が降ってくる。
柔らかい。でも、ハッキリと耳に届く声。
kz『………?!』
驚きで、声が出ない。
口だけが、はくはくと動く。
けれど、言葉は一つも形にならず、
そのまま空気に溶けていくようだった。
fu『帰ろ。kz』
穏やかに微笑む。
kz『………おう。』
短く返事をする。
――けれど、その瞳の奥に、ほんのわずかな違和感があった気がした。
気のせいだと、思いたかった。
教室を出て、鍵を締める。
入学式も無事終わり、人気の少なくなった校舎に、施錠音が大きく響く。
その静寂を掻き消すように__。
??『fu~!!!!!』
長い廊下の奥から、やけに大きな声が飛び込んできた。
反射的に視線を向ける。
そこには、水色の髪にゴーグルを乗せ、
ルビーとサファイアのような瞳を持った男。
満面の笑みで、こちらに大きく手を振っている。
kz(新入生…?)
見覚えのない顔。
だが、様子からして――fuとは顔見知りらしい。
fu『ぇえ?!…rm?!!!』
〃『なんでここに?!』
rm『受かったから』
あまりにもあっさりとした返答。
一方隣の緑色の彼は、目を丸くして
親しげに、そして…
嬉しそうにそいつと話し始める。
??『うぅ~、rm早いってぇ…』
少し遅れて、低く落ち着いた声が後ろから聞こえてくる。
??『誰と話してんの?』
無駄に図体のでかい水色のやつの後ろからひょこりと…顔が覗く。
ワインレッドのさらさらな髪に、
アメジストのような瞳。
kz『ぇ、sy…?』
思わず名前が零れる。
sy『kz…?』
目が会った瞬間に、互い驚きが走る。
kz『身長伸びたなぁ、sy』
少し見上げる形になったことに気づいて、苦笑する。
sy『kzはあんまり変わんないね~』
悪気のない、いつもの調子。
無邪気な言葉選びに懐かしさを感じる。
fu『あれ、それぞれ知り合い…?』
困惑した様子で、俺たちを見比べるfu。
その表情が面白かったのか、
目の前の水色は腹を抱えて笑い、赤色は小さく肩を揺らして笑った。
rm『その顔変わんね~!w』
ずくんっ__。
胸の奥が、強く痛む。
これは、嫉妬だ。
目の前で交わされる、軽やかで熱のあるやり取り。
長い時間を共有してきた者同士にしか出せない空気。
fuの幼少期を知っている、“幼なじみ”という立場。
一つ年下相手に、こんな感情を抱くなんて――
kz(みっともない…)
こんな自分自身が嫌になる。
sy『あ、kz。』
その低く落ち着いた声が、思考を引き戻す。
kz『ん、?』
sy『俺とrm写真部入るからよろしくね!』
kz『え、……』
〃『ぇえーっ?!!!』
咄嗟に口を塞ぐ。
自身でも驚く程に、大きな声が出た。
kz『な、なんで知ってんの…てか、syは分かるけど…なんで、rmくんも…?』
――好きな人の幼なじみ。
対抗心が、じわりと顔を出す。
同じ部活なんて、正直嫌だ。
なんてったって、fuも俺と同じ写真部なのだから。
sy『ダメ…だった?』
困ったように眉を下げ、しゅんとするその表情。
昔と変わらない。
そして――俺は、この顔にとことん弱い。
kz『…ぃや、ダメとかじゃなくて、なんでかなーって…?』
sy『俺の彼氏だから…?、かな』
――本日二度目の、大混乱。
頭の中が、一瞬で真っ白になる。
syに彼氏?
確かにここ数年、まともに会えていなかった。
地元を避けるように別の中学へ進んで、完全に関係は途切れていた。
それでも――
あの、俺の後ろをちょこちょことついてきていたsyに?
これは嫉妬じゃない。
ただの、純粋な困惑だった。
fuのことも、syのことも。
一度に処理できるほど、俺の頭は器用じゃない。
fu『kz…今は多様性だぞ』
ぽん、と肩に腕を乗せられる。
その重みが、やけに現実味を帯びて、ずしりと伝わる。
kz『分かってるわ!てか、批判しねーから!!』
反射的にそう返しながら、肩の腕を軽く払いのける。
sy『まあ、そういうことだから…明日からよろしくね。kz!』
無邪気な笑顔でそう言われて、
逃げ場なんて、どこにもなかった。
⋆˳˙ ୨୧…………………………………୨୧˙˳⋆
どもです✋😎
意外と書いてたら、こういう設定いいな。とか、こういう展開入れたいな。とかあって色々長くなってます🙃
完結は近いのでお楽しみあれ
あ、イラストの方見て頂けましたか^^
ちょっとえちすぎたのか1回消されましたが、修正版出しておきました🙌🏻
ちゃんと見たい方は、Twitterの方へどぞ☝🏻⸒⸒
@oyster_nmmn
良ければ感想ください💬
.:° 🌾🌾╰(ˇωˇ )╯🌾🌾;。:*
コメント
4件
待ってました!しゅうとさんとりもさんの登場で更に面白くなっていて最高です!嫉妬するかざねさんが可愛くてしょうがないです🤦♀️ふうかざの今後の展開楽しみです!いつもありがとうございます!頑張ってください😊
おぉ✨りもさんとしゅうとさんが出てきたぁ〜✨しかもカップルだとぉッ!?神ってますね✨みんな写真部!?絶対撮るの上手いじゃないですか!?欲しいですね、、、(写真が)ふうかざがくっつきますようにッ!これからも頑張ってください!!