「幡中さんのこと好きじゃないの?」
「いや、何言ってんの」
「好きなのかなって、なんとなく思ってた」
「この状況でならないよ」
どうして俺の話になるんだ。
「じゃあ、祭りのときなんで俺にあんなこと言ったの?」
「、、いや、あれは」
あまり思い出したくない自分の発言を思い返し、言葉に詰まった。
「普通に、あんなとこで幡中一人にしたら危ないって思っただけ」
「そう、もう俺振られたんだし、気遣わないでいいよ」
「だから、違うって言ってんでしょ」
「、、そっか」
佐倉は席を立ち、鞄を背負った。
「じゃあそろそろ部活行ってくるよ」
目が合い、小さく頷いた。
「、、、夏休み最終日の花火大会、幡中さん上岡くんと行くって」
視線を机に移した。
「いいの?」
「いいよ」