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色々あったが、今日から俺は恋人の晴斗と同棲を始める。新しい住居に荷物を運び込み、冷蔵庫や机などの家具を配置して、ようやく一通りの準備が終わった。
前はひとり暮らしで寂しかったけれど、今日からは晴斗と一緒だと思うと自然とワクワクしてくる。
ひとつ問題があるとすれば、前に住んでいた場所より“かなり遠いところ”に引っ越したせいで、俺の仕事がまだ決まっていないことだ。
焦る俺を見て、晴斗は「そんな焦らなくていいんじゃない? 俺が養うよ」と冗談めかして笑ってくれた。
同居して数日。
まだ仕事が見つからない俺の生活を、晴斗は本当に支えてくれた。
嬉しい反面、申し訳なさと情けなさで胸が少し痛む。
夕食を終えて、スマホで仕事を探していると、お風呂上がりの晴斗が近づいてくる。
「何見てるの?」
「仕事探してたんだよ」
そう答えると、晴斗は浅く笑って言った。
「だから、仕事しなくていいって」
「な、なんで?」
晴斗の指先が、俺のスマホからそっと離れない。
次の瞬間、低い声が落ちた。
「だって——
お前をここから出させないようにしてんだからさ。」