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なにしてんだろうな……。 ぬいぐるみのクマに負けるとか。
温かい布団とぬくもりを感じるのになんだか、妙に寂しい気持ちになってしまった槙野なのだった。
美冬が朝目を開けた時、槙野にしっかりと後ろから抱きしめられていた上に、胸のところにある腕に美冬もきゅうっと抱きついていた。
そっと身体を動かそうとすると、後ろから槙野にぎゅうっとされて美冬は身動きできなくなる。
自分と違うシャンプーやボディソープの香り。高めの体温も心地好くてほぼ初めての場所だったのにとても良く寝れた。
すう、すうと耳元で規則正しく聞こえる呼吸の音にも何だか安心してしまう。
もに……。ふにふにふに。
後ろから抱きしめられ、美冬の胸元にある手が後ろから美冬の胸を揉んでくる。
──え? わざと? 無意識?
最初は美冬が腕の中にいることを確認するかのようだったのに、今度は手の平で、その柔らかい丸みを包み込むようにして揉まれる。
美冬は胸がドキドキしてきた。
「っ……」
漏れそうになる声を美冬は必死で抑える。いたずらな手はつんと尖った先端を指で確認していた。
尖って凝っているのを確認すると指先でつついたり、親指と人差し指がつまんだり軽く捻ったりするのだ。
声は出せない。
その呼吸がまだ規則正しくて寝ぼけているような気がするから。
触れられているのは胸のはずなのに、だんだんお腹の方がきゅん、としてきた。
美冬は膝を擦り合わせる。
時に強く、時に羽のように柔らかく触れられると胸の先がじんじんしてきて、かすかに触れられるのでさえ感じるようになってきてしまった。
槙野の手がパーカーの前ファスナーを探り当ててそれをそっと少しだけ下げる。
──触られちゃう……っ。
美冬は両手で口元を抑えて身体を曲げるとそれが逃げたように思ったのか、槙野はぎゅうっと美冬をまた抱き込んだ。
背中の全部に槙野の身体がぴったりとくっついているのを感じる。美冬の際どい場所にはすっかり準備万端とみえる槙野自身も押し付けられていた。
胸の下まで下げられたファスナーの隙間から槙野の手が美冬の肌に触れる。
谷間を緩く撫でて、手が奥に入る。
胸の感触や肌の感触を確認してさらに奥へと手が動くのに、美冬は胸をドキドキさせながら声を抑えていた。
尖ってしまっている先端をつん、とつつかれたらきゅうっと足に力が入ってしまう。
さっきから散々感じさせられて胸の先端は敏感になってしまっていた。
そこを直に指で触れられると腰の辺りがもどかしくて、中心から温かいものがとろりと零れたような気がする。
胸の先端を摘まれながら、ショートパンツの中に逆の手がそっと入ってくる。
ここにきて起きているんじゃないかという疑いが一瞬頭をよぎったのだけれど、きゅっと敏感な先端を摘まれたら甘い声が漏れてしまいそうになり、それを抑えることに必死になって何も考えられなくなった。
それよりも少しずつショートパンツの中に入ってくる手の方が気になる。
指先はふわりと下生えを撫でる。
そして、狭間にゆるっと触れた。
「ぁ……」
ぬるぬるとした雫が溢れ出てしまっていることを確認するかのように、指が狭間を行き来する。
そして零れそうに溢れているぬかるみの中、ぷくっと立ち上がっているところを槙野は器用に見つけ出して、そこを指先でくるんと触れられた。
「まって……ゃ……」
美冬の小さな声は聞こえていないのだろう。
槙野の指はその敏感な一点を柔らかくこすり続けて、美冬はその頂へと無理やり連れていかれた。
「美冬……」
名前を呼ばれてハッと気付くと美冬は布団に丸まっている。胸元のファスナーは一切乱れていなかった。
すでにスーツ姿の槙野がベッドの横に座って美冬の頬に触れて声を掛けていたのだ。
「俺は今日はちょっと早めに行かなくてはいけないから、会社に出るけれど大丈夫か?」
──ゆ……夢!? なんか、すごく疲れる夢を見たような気がする。
「あ……うん。起きる」
そう返事をして美冬は身体を起こす。
「大丈夫か?」
「うん。あ、食事は?」
「食べた。気にするな。作って置いてあるから、美冬も良かったら食べていけ」
「あのっ……祐輔、私……」
槙野は腕時計を見る。
「悪いが美冬、急いでいる。なにか伝えたいことがあるなら、メールをくれ。都合のいい時間を連絡してくれたら折り返す」
「分かったわ」
慌てて口を開いたものの、今伝えることではない気もする。
自分の頭の中もまとまっていない。
すごく好きになってしまったのだと伝えればいいだけなのに、どうやって伝えたらいいんだろう。
仕事ならどんどん判断するのに自分の気持ちを伝えることはひどく難しい。
槙野は美冬の頭にぽん、と手を触れて頬を撫でた後、少しだけ躊躇って美冬の額に軽く唇を触れた。
「いってくる」
「いってらっしゃい」
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