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俺は芸能人に興味がない。
そもそも他人に興味がなかった。
今流行りの人だとか流行りの曲。
本当に追ってない俺には未知の世界だった。
「なぁ、この人、最近人気出てきたよな。」
休日、一緒にゲームをしていた俺の幼なじみである若井にスマホを見せられる。
「……誰?」
俺は本当に知らなくて若井に聞いた。
「あー…聞かねぇもんなぁ…。シンガーソングライターの涼架。」
そう答えられた。
本当に知らない。申し訳ないけど名前すら分からない。
「ふぅん。」
俺は興味が無さすぎて若井のスマホから目を離した。
「まじ興味ないよな、お前。」
若井が苦笑いしている。
「いや、芸能人にハマるとかよく分からん。」
どうせ届かない存在なのにハマる理由なんてあるのか?
そう考えてる俺にはこれっぽっちも響かなかった。
ある日俺は仕事が終わり家で寛いでいた。
ふとテレビを付けるとこの間若井に教えてもらったシンガーソングライターが歌番組に出ている。
俺はそういえばと思って観始めた。
彼は可愛らしく中性的な顔をしていた。
歌も上手く人気が出るのは分かった。
インタビューの時も彼はすごい笑顔で答えている。
俺はニコッと笑ったその笑顔に一瞬で虜になってしまったのだ。
その日から俺は全曲聞いて、SNSを追う。
アカウントも全てフォローし、ファンクラブにも入会した。
「えっ、元貴が曲聴いてる…。」
若井には随分と驚かれた。
「実は若井に教えてもらった涼架にハマった。」
俺はファンクラブの画面を若井に見せた。
「えぇ!?まじ!?あの元貴が!?」
若井は驚き
「しかも入会してる!?」
と俺を見て更に驚いていていた。
「なんか…この人めっちゃ可愛い…。」
俺は素直に感想を言う。
若井もあーと言って
「男のファンも割といるよ。やっぱ可愛いって。」
俺はそう言われて
やっぱりそうだよなと思った。
「今度…握手会あんだよね。申し込も。当たるか分からんけど。 」
俺は申し込みページを見た。
涼架と握手が出来る。数秒だけど話も。
俺は当たれ、と期待を込めて申し込んだ。
「あ……あた、ってる。」
俺は当落日すぐに確認した。
なんと当選していたのだ。
涼架に会える。本当に会えるのか。
現実なのか夢なのか分からなかった。
後日若井にもこの事を話した。
若井は驚いて
「えっ!?おめでとう!?まじ?」
と言っていた。
「良かったじゃん、会えるぞ元貴。」
そう続けて若井に言われ、急に実感が湧いてくる。
「お、俺、会えるのか…涼架に…。」
そう思ったら居てもたってもいられなくなった。
とりあえず、美容院を予約する。
当日の服装もどうしようかと何度も悩んで決めた。
日に日に近くなってくる日付に、俺はワクワクと緊張でいっぱいだった。
そして当日、俺は気合を入れて準備をした。
男であるが綺麗にメイクをし、しっかりとアイロンをかけた服を着る。
「よし…。」
俺は深呼吸を一回して、緊張したまま玄関を出た。