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百合愛
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※ご本人様とは関係ありません。
※全て妄想です。
※創作が多く含まれます。
※なんでも許せる方向けです。
※「はじめに」を読んでいただくことをおすすめします。
🦍→「」
🍆→『』
少しですが、モブの台詞も「」にしています。
🍆さん視点に戻ります。
ドズルさんの引っ越しの日。
とうとうこの日がやってきてしまった。
忙しなく業者さんが出入りする。
俺は、ドズルさんが引っ越してきた日を思い出していた。
あの時は、引っ越してきた人いる…、ただそれだけだった。
隣の人だと気づいた時には少し嫌だと思った。
今思うと、俺って最低の人間だったな…。
でも、今は彼の部屋にいて、邪魔にならないように自分にできる手伝いをしている。
少しでも役に立ちたかった。
ドズルさんと業者さんが、これからの段取りを話しながら作業を進めていた。
初めて出会ったあの日。
まさか彼を好きになるなんて思ってもいなかった。
最初は苦手な性格の人だと思い遠ざけていた。
人と関わることが苦手な俺の性格がそうさせていた。
ドズルさんと出会った事が、俺の性格も生活も全て変えた。
今となっては感謝してもしきれない。
無愛想だった俺はどこにいったのだろう。
それと同時に、好きな人と離れる寂しさも味わうことになってしまったけど…後悔なんてしていない。
ドズルさんはどうなんだろう…。
俺と出会って良かったのかな…?
俺と付き合って後悔してないかな…?
…考えたくもないことを考えてしまう。
心配させたくないから、できるだけ明るく振る舞いたいのに、これじゃ駄目だ。
はぁ…ため息が出てしまう。
この日が来るまで、『大丈夫』と自分に言い聞かせてきたけど…やっぱり…寂しい。
また悲しさが込み上げてきそうになって窓の外に目を向ける。
『はぁ…ふぅ…』と、深く呼吸をして自分を落ち着かせた。
「ぼんさん」
名前を呼ばれて振り向く。
「あの…大丈夫…ですか?」
『…何が?』
何が?と分からない振りをしたけど、俺のことを何もかも理解しているドズルさんの前では無意味。
「ぼんさん…」
俺の名前を呼ぶと、抱きしめられた。
『…!人いるから…』
慌てて俺は離れようとした。
「今はいませんよ。皆さん外で少し作業してくるそうです」
『そっか…』
俺は、ぎゅっと抱きしめ返す。
黙ったまま俺を抱きしめるドズルさん。
言葉は交わさず、お互いの温もりだけを感じていた。
ガチャッーーー…
玄関から音が聞こえて、慌てて身体を離す。
数人の業者さんの話し声が聞こえてきた。
『戻ってきちゃったね…』
「そうですね…」
もっと触れていたかったけど、仕方ない。
「じゃあ、また後で」
そう言って、ドズルさんは俺から離れていった。
全ての荷物を運び入れ、作業が終わる。
そろそろお別れの時間か…と寂しくなる。
「では、先に出発しておきます」
「僕は用事を済ませてから行きますので、荷物の方よろしくお願いします」
「はい。では後ほど」
ドズルさんが頭を下げ、業者さんを送り出していた。
その様子をマンションの入り口の方から見ていた。
会話は聞こえなかったけど、引っ越し先での話をしているんだろうと思った。
これ以上、何もすることはない。
後は、愛しい人とのお別れを待つだけ。
自分の部屋に戻り、ドアを背にして『はぁ…』と、ため息をつく。
靴を脱ぎリビングへ行こうとした時、インターホンが鳴った。
部屋に戻ったのを気づいていたのか、ドズルさんがすぐに俺を追いかけてきていた。
ドアを開ける。
『…』
「ぼんさん…」
『ん?何?』
「僕、ぼんさんと出会えたこと本当に良かったと思っています。…きっと、ぼんさんのことだから、出会ってよかったのか?とか、付き合って後悔してないか?とか思ってたんじゃないですか?」
図星だった。
全部、解っているんだな…。
嘘なんてついても仕方ないから、俺は今の素直な気持ちを伝える。
『そうだよ…思ってるよ』
「本当に貴方って人は…、僕がどれだけ貴方の事を好きだと思っているんですか?貴方を思う気持ちは変わらないし、これからもずっと好きでいます。僕の気持ちは軽くないんです…」
『…ごめん』
目に涙が溜まる。
俺の愚かな考えは全て消えた気がした。
「出会った時から好きだったんです…一目惚れって言うのかな…ははっ」
頭を掻きながら照れているドズルさんを愛しく思った。
俺は、ドズルさんに抱きついた。
『俺を…好きになってくれて…ありがとう』
「いえ…それは…僕の台詞です」
身体を離して、見つめ合う。
どちらからともなく唇を重ねる。
もっと一緒にいたい…近くにいてほしい。
でも、時間は2人を待ってくれない。
高まった気持ちを抑えなきゃいけない。
唇を離し、また見つめ合い、
ぎゅっと手を握る。
「…そろそろ行きますね」
『…うん』
「落ち着いたら連絡します」
『…うん』
「はぁ…そんなに悲しい顔しないでください…行きたくなくなります」
行ってほしくない…そう言いたかったけど、ネガティブな言葉も寂しい気持ちも全部飲み込んだ。
『ごめん…大丈夫だから』
「…分かりました」
俺は、今できる精一杯の笑顔で、
『連絡待ってる。気をつけてね』
「はい。じゃあまた」
握った手が離れていく、
さっきまであった温もりがなくなっていく。
バタンとドアが閉まる音だけが響く玄関。
1人残された俺は、
その場に座り込み、泣いた。