テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「お疲れ、柚葉」



樹さんは、仕事が終わってからすぐに私を車で迎えにきてくれた。



「お疲れ様」



「元気か?」



「うん、元気だよ。樹さ……あっ、えと、樹……は?」



樹さん、笑ってる。

なんか全然慣れない、呼び捨てにタメ口なんて。

でも、いい加減なれないとね。

私は呼び捨てすることを意識付けるようにした。



「俺も元気だ。まあ、仕事が忙しいから体力的にはキツイけど、何とか頑張ってる。それから……柊も元気だ」



「そうなんだ。うん、2人とも元気なら良かった」



イタリアンレストランに向かってる車の中で、バイトの話を聞いてもらってるうちにすぐに到着した。

車から降りてお店に入ると、美味しそうな匂いが漂っていた。



「何にする?」



メニューの中にあるパスタが目を引いた。



「これがいいな」



「じゃあ、俺はピザ」



久しぶりの樹は、相変わらずカッコいい。

見てるだけでドキドキする。

こんな素敵な人が私に告白してくれたなんて……

やっぱりまだ信じられない。



「柚葉」



樹は、急に真剣な顔になった。



「……何?」



「このあと、会ってほしい人がいる」



「会ってほしい人?」



「ああ……」



私を誰に会わせたいのか、まるで思い当たらない。



「い、いいけど……それって、男性、女性?」



「女性……だ」



「えっ、それって……」



「何考えてる?」



「べ、別に……」



「心配しなくていい。女性といってもガールフレンドってわけじゃない」



「ごめん。私……」



いくら告白されたからって、樹とは付き合ってるわけじゃないのに、女性のことを気にするなんて……



正直、私はまだ怖かった。

大切な人に裏切られた衝撃があまりにも大きかったから。

また同じ目に合うと思うと心が苦しくなる。



「柚葉以外には頼めないことがあって、お前には悪いが協力してほしい」



「協力? 私はいったい何をすればいいの?」



「今はまだ何も言わないでおく。会ってもらえばわかるから」



よくわからなかったけど、とりあえず了承した。



でも、これから何が起こるのか、不安はあった。

最近の私には、予期せぬ出来事ばかり起こってるから。

佐藤君のこと、柊君のこと、山下専務のこと……

そして、樹から告白されたことも。

これ以上何か複雑なことに巻き込まれたら、私は心臓がもたないよ。



とにかく、私達は食事を終えて、その人との待ち合わせ場所に向かった。



車はかなり有名で高級なホテルの地下駐車場に止まった。

ロビーに1歩足を踏み入れると、広くて豪華な内装に驚き、場違いなところに来てしまったと脳が認識した。



「柚葉、こっち」



樹の少し後ろを歩く私。



「あ、うん」



緊張しながら、言う通りに進む。



ロビーにあるラウンジに入って、樹はその一番奥のテーブルに座る女性に声をかけた。

2人のあなたに愛されて ~歪んだ溺愛と密かな溺愛~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

15

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚