テラーノベル
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意識を取り戻して1週間が経った
ほとんどがベッドの上で過ごしていて、あまり人と会うことがなかった
🥽「暇だ」
何度言ったかも分からない
ただ頭の中にはそれしか思い浮かばなかった
やがて誰かが医務室に入ってきた
🐏「ふじみやさん、こんにちは」
優しい笑みを浮かべながら部屋に入ってくる
何も知らない人からすれば、安心するような感覚になるが
中身を知っているふじみやからすれば、少し警戒してしまう
🥽「…こんにちはKさん」
医務室に来る人はほぼ、ねろちゃんかKさんだった
1日に何度も来ては、ふじみやの怪我や体調の確認をしていた
🐏「どこか痛いところはありますか?」
🥽「ないです」
羊飼いKは「そうですか」と返すと、棚から何かを探し始めた
🥽「…Kさん」
🐏「なんですか?」
振り向く素振りはせず、探す手が動く羊飼いKだが
そんな姿を見ながら、ふじみやは気にせず話を続ける
🥽「そろそろ怪我は治ってきたし、外に出たいんですけどダメですか?」
探す手が止まった
しかしまた動きだす
🐏「…別にいいですけど、またあの時みたいになっても知りませんよ?」
実は一度ふじみやは、無理やり外に出ようとした時があった
まだ怪我が全然治っていない時だったため、歩きはじめると激痛が走り、痛みのあまり諦めてしまい、一日中寝込んだ日があった
🥽「今回は大丈夫です」
自信満々に言うふじみやを羊飼いKはため息をつく
🐏「…あまり遠い場所には行かないでくださいよ?」
そう言うと、羊飼いKは何が入っているかは不明な小瓶を持ち、部屋から消えた
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ふじみやは机に置かれた服に着替える
服はヴィランズ仕様であり、若干手こずりながらも着るとすぐさま部屋を出る
医務室を出ると広い廊下が現れる
とりあえず人に会おう事を願い歩く
🥽「出来れば鐘の事を覚えてる人がいいな」
ここ1週間、Kさんやねろちゃんに色々聞いたが、話が噛み合わない事が多々あった
ここが仮想空間っていう事を話したが、二人はキョトンとした表情で聞いていた
自分達が配信者である事を試しに話してみたが
「なにそれ」と言われた
逆にふじみやが驚いたのは、今いる場所は城という事だった
🥽「一体何があったんだろう」
複雑に結ばれた縄を解くように、様々なパターンで答えを導こうとする
しかしどれも辻褄が合わず、また振り出しに戻る
一度だけねろちゃん達は本人に似た偽物じゃないかと思ったが、確定なる証拠がなかった
しかし目の前にいた二人は偽物ではないと自分の勘が言う
どれを信じるべきなのか、未だ分からない
そんなこんな考えているうちに、廊下の奥からだれかが歩いてきた
しんたろーとさかなだった
ねろちゃん達同様にヴィランズの服装で、互いに話し合ってる様子ではなかった
🐟️「ふじみや?」
さかなは驚きが含んだ声で言う
しかし顔は驚いた表情ではなかった
🥽「久しぶりです」
🏹「大怪我って聞いたけど、大丈夫なの?」
🥽「もう治ったから大丈夫(多分)」
🏹「ならいいですけど…」
🥽「それより鐘の事覚えてる?」
🐟️「鐘?」
さかな同様にしんたろーも「?」となっていた
🥽「…やっぱりなんでもない」
また同じ結果だと気づいたふじみやは、一瞬で話を終わらせる
しかし終わらなかった
🐟️「そういえば、誰かも言ってたよな?誰だっけ?」
🏹「多分、たけぉさんじゃないんですか?」
🐟️「あ〜そうかも…」
🥽「…たけぉさんって今どこにいるの?」
🏹「えーと、今日はずっと城にいるって聞きましたよ」
🐟️「へぇー?あの悪趣味な遊園地に行ってなかったんだ」
🏹「あそこはたけぉさんの管理下だから、心配しなくて大丈夫ですよ?」
🐟️「心配の意味で言ったわけではなかったんだけど…」
🏹「そうなんですか?」
🐟️「そうだよ」
🏹「…ところで…ふじみやさんは?」
🐟️「?」
辺りを見渡すとふじみやの姿は消えていた
🏹「たけぉさんに会いに行ったんでしょうか?」
🐟️「そうだといいけど…」
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長い廊下を歩き続ける
自分が今何処にいるかは分からない
ただ目的のために足を動かす
🥽「何処にいるか、詳しく聞いておけばよかった…」
自分が意のままに行動した事に後悔する
🥽「どうしよう…」
今まで来た道は一本道だったため、一度引き返す事は出来るばずだ
悩ましく考えているとまた奥から誰かがやって来る
🎹「あれ?ふじみやじゃない?」
🦵「本当だ」
🍑「よかった、やっと復帰できたんやな…」
🧢「久しぶりやな!ふじみや!!」
騒がしい関西人だった
🥽「ハイブリさん、isさん、桃+さん久しぶりです」
🧢「え?俺は?」
🥽「急なんですけど、けぉさんが何処にいるかわかりませんか?」
おまおじが「え?無視?」と言っているが、ふじみやは気にしない
🍑「たけぉさん?武器でも取りに行くの?」
🥽「まぁ、そんな感じです」
ここで違いますなんて言えば、なにを言われるか分からない
無理に説明するよりかは、簡単な回答だろう
🦵「たけぉさんならきっと、武器庫にいるよね?」
isはふじみや以外に聞く
🎹「まぁ、今日は城にいるとは聞いてたし武器庫以外はあまり行かないから、武器庫にいるんじゃない?」
ハイブリがそう言うと、isは「だよね」と返す
会話を聞いていたふじみやは、やっと目的地を見つけた事に歓喜していた
しかし武器庫の場所が分からない事に気づいてすぐに落ち込んでしまう
🧢「……俺も一緒にたけぉさんに会いに行こうかな」
🍑「どうして?」
🧢「いやー、俺もたけぉさんに用事がある事思い出してさー」
🦵「どうせしょーもない事でしょ」
🧢「本当に重要な事やし!?」
🎹「…別に行ってもいいけど、迷惑はかけんなよ?」
🧢「なんで迷惑かける前提なん…?」
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その後なんやかんやあり、おまおじはふじみやと一緒に向かう事になった
🧢「…にしても、無事でよかったと思っとるわ…」
おまおじが何に対して言っているのか、ふじみやには分かる
きっとねろちゃんが言ってた「戦い」の事だろう
しかしふじみやには、「戦い」について何一つとして分かってないない
ただ自分に大怪我を負わされた事だけは除いて…
🥽「みんなから言われますね」
🧢「へー?なな湖さんとかから?」
🥽「なな湖さんにはまだ会ってないです」
🧢「あ、そうなん?」
というのも、まだ全然人に会ってない
出来れば会ってはみたいが、城が広すぎて人に会うことが難しすぎる
ハイブリさんや、さかなさん達に会えたのはほぼたまたまにすぎない
🥽「…おまおじさんは鐘の事を覚えてますか?」
どうせ同じ結果なのは知ってる
それでも聞くか聞かないかで言えば、聞く方がいいだろう
しかしおまおじの答えはふじみやの予想どおりにはならなかった
🧢「あー…あのうるさかったやつ?」
え?
🧢「なんで鳴ったか今もわからんし、色々と不思議なんよなー」
🥽「………おまおじさん覚えてるんですか?」
恐る恐る聞くふじみやに対して、おまおじはケロッとした顔で答える
🧢「覚えてるよ?でも思い出したって言ったほうが正しいかな…?」
おまおじは平然と話を続ける
そんな中、ふじみやは混乱していた
聞きたい事が沢山ある
みんなは覚えてないのに何故おまおじさんは覚えてるのか
どうしてみんなはヴィランズの服装なのか
ねろちゃんの言ってた「戦い」とはなんなのか
仮想空間から出る方法はあるのか
みんなは偽物ではなく本物なのか
他に覚えてる人はいるのかーーーー
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区切ります
コメント
3件
ワケ(ㅎㄹㅎ)ワカメ 考察ができそうにない…ワケ(ㅎㄹㅎ)ワカメだ…あまおじさんが覚えていたというより思い出したなのが引っかかる…ふじみやくんは覚えているなのに…結構沢山人がいたのにまだあってないのは覗いて覚えてないって言ってる人多いな…まぁハイブリさん達は分からないけど…なにかの法則があるのか…?
この投稿のおかげで毎日、国語辞書を見てます