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ぱちぱちと弾ける火の音が頭上で響く。辺り一面が真っ赤に染まっているのは建物に潰された人の血なのか、はたまた燃え盛る炎なのか、もう判別はつかなかった。
そんな中でも1点、地面の茶色が見える箇所に2人は立っていた。言わなくては…伝えなくては……!!最後の力を振り絞り大きく息を吸い込む。
「」
その言葉が音となることはなかった。十分すぎるほど煙を吸い込んだ身体は、思うように動いてくれなかったのだ。
後悔と憎悪の念を持ちながらただ2人を見つめる。その唇が近づき重なる直前、自身の意識は永遠の闇へと落ちていった。