2025.3.20
黄視点
「最近さぁ、とくに体調悪そうだよね?」
「え?いや…うん、まぁ……」
「貧血?」
「…ではない。」
最近のスマイルは不調続きだ。
立ちくらみは日常茶飯事。手足の冷えや、低血圧も悪化していた。
行為中も、快楽ではないなにかを堪えているような仕草をたまにしている。
改善できるようなものであれば、全力でサポートしたいのに、何度原因を追求してもはぐらかされる。俺にでも言えないこととなると、最悪を考えてしまう。
「まさか…病気とか!?」
「違う。」
「じゃあなに?教えてよ。心配なんだって。」
「……実は俺、淫魔…なんだよね…」
「…いんっ……は?」
「絶対に信じてねぇだろ……ほら。」
証拠だと言わんばかりに、コウモリに似た羽とよくみるあの形をした尻尾を揺らす。
念の為、了承を得てから触ってみるとざりざりとした感触が手に伝わる。こう動かしてみてくれというと正確にそう動いた。
「へぇ…マジじゃん…」
「だから言っただろ…ただの栄養不足、飯食ったら問題ない。」
「……それは淫魔としての栄養?まさか俺以外とヤッてるの?」
「はぁ?するわけないだろ。だからこうなってんだよ。」
「そう…なら今から食べさせてあげるから、ベッド行こうか。」
抵抗しながらも期待した顔でみやる彼を優しくベッドに下ろす。邪魔なのか羽と尻尾はしまい、いつもの姿をしている。
クチクチと淫らに音を立てる後穴。固く閉じられていたはずのここは、簡単に俺の指を飲み込むようになっていた。
入り口が十分に弛んだらパッケージを開けて中身を取り出す。
「きりやん…付けなくていい……」
「え?しないと掻き出すの大変でしょ?」
「俺にとってはソレが食事なんだよ……」
「っあぁそっか。なんか…今までごめんな…?俺めっちゃ酷いことしてたじゃん。」
「いや、俺もずっと言ってなかったし……そんなのいいからはやく…俺のナカにちょーだい?」
「…っお前さぁ///……絶対、他のやつにそんなこと言うなよ。」
「はぁ?言うわけないだろ。きりやんだから言ったんだよ….」
平然とした態度でこちらの欲を掻き立てる。完全に無意識なのだろうが、こういうところだけは淫魔として天性の才だ。
「ねぇ、口に出すのとナカにだすのってどっちの方がいいの?」
「……ナカ…」
「へぇ、そうなんだ…口に出す方が栄養吸収しやすそうだけど。」
「そっれは…そう、だけど……きりやんの、ナカにほしぃ……////」
「……はぁ…」
「煽るのも大概にしろよ。」
彼の望み通り、何も付けずナカを割り開く。
久しぶりに直接感じるぬめりに、持っていかれそうになるのを耐える。
「…っぐ///ん”っ…きぃやんっ///」
「っふぅ…//ちからぬけよっ…」
「むり”っ…久しぶりすぎてっおかしくなる”///」
0.01mmの隔たりなしに熱を持ったナカを弄ぶ。
潤滑剤なんて使っていないのに乾いた音はなく、ぱちゅぱちゅと淫靡な水音が響く。
「っ音やっば//いつもこんな濡れてたっけ?///」
「はっ、ぁんっ///しらな”ぃっ♡」
「ほんとえっちすぎでしょ…♡」
「んん”っ♡あ”っ//はぁっ♡そこやぁ”っ♡♡」
前立腺を突けば面白いくらいに身体を跳ねさせ、モノをきつく締めつける。
「スマイル、舌出して。」
「ぁ…んむっ//んっ……♡」
「んぁ…っねぇ、キスでも栄養取れんの?」
「まぁ少しだけ…」
「んじゃもっとしよっか。」
離れたばかりの唇を再び重ね、舌先を絡め合う。上顎や歯列を撫ぜれば鼻から甘い息が漏れる。
「あまっ//……もっと、しよ…?」
「いいけど…キスしながらって動きにくいから起き上がれる?」
「ん…分かった…」
胡座をかいた上にスマイルを座らせる。
ずぷずぷと体重に飲み込まれていく。
「〜〜ッ♡♡ふかぃ”ぃ♡」
「ここっノックされるの好きでしょ♡」
「う”んっすき…すきぃ…♡」
「あぁもうほんっと…ほら、キスしよ?」
「んぁっ…♡んふっ♡……きぃぁっ♡」
「グッ///……もっでる……っ♡」
「ん”あぁ”っ♡♡ナカっきたぁ…//」
「っはぁ、はぁ…もっといる?」
「…ぅん、まだ食べたい…///」
「っwお望み通りに、お客様。」
衣擦れの音とスプリングが軋む音。
寝室を満たす妖艶な香り。
甘くて甘くて頭がくらくらして、理性が飛んでしまいそうになるこの香りはいつもスマイルから発せられていた。
いま思えば、淫魔特有のものなのかもしれない。
「もぉいらな”ぃっ♡♡おなかいっぱいなの”っ♡♡」
「っはぁ?まだ奥入るでしょ?♡」
「ひぃっ…まって……だめだめっ…奥っ出さないでっ……」
「なんで?前はよく欲しがってたじゃん。」
「しょーたいっ言ったからぁ契約なるっ!」
「え?最高じゃん。」
「んぉ”っ!?ぉ”っお”ぐっだめ”♡ぬい”てっ♡」
契約。
いわば、結婚と同義だろう。
いや、書類上の結婚とは違う。文字通りスマイルの身体に俺との関係が刻み込まれるんだ。
「ねぇスマっ、俺と結婚しよ?」
「…っえ…ぃや、でも……」
「しないの?なら抜くけど。」
「…え、ぁ…」
急に動きを止めて問いただす。
結腸からゆっくり引き抜いていくと、これ以上抜くなと言わんばかりに必死になって抵抗するナカと口篭ったままの彼。
締めつけを無視して、思いっきり腰を引く。
「…んあ”っ♡♡…するっ……するからぁ……もっと動いて…///」
「っ!…ありがと♡」
「あ”ぁッ♡♡ぉ”ぐぅ♡きぃあん♡きぃやぁ♡♡」
拒否できない最低なプロポーズ。
卑怯者。
それでもいいから、離れていってしまいそうな彼を繋ぎ止めたかった。
「奥っ出してもいい?」
「うん”っちょーだぃ♡ナカに…だして…///」
「ちょっ締めんなっ//でるからっ…///」
「きいあっきぃあんっ…!」
「…んっ?なに?」
「……すき…すきぃ♡♡」
「俺も…愛してるよ、スマ。」
「あ”っあっ♡イグッ♡イッちゃう”♡」
「いーよっ、一緒いこっ?」
「〜〜ッ♡♡イグッッ♡♡」「……ッッ♡♡♡」
彼のことをもう離さないように、ちからいっぱい抱きしめる。
それに応え、抱きしめ返してくれるスマイル。
あぁ、きっと俺らは世界で一番の幸せ者だ。
「……おやすみ、スマ。」
満腹になって眠ってしまった彼の下腹部には、紋様が浮き上がっていた。
柔らかい日差しに照らされた瞼が微かに震えた。
「あ、おきた。おはよう、スマ。」
「……ぉはよ、きりやん…」
「もう温泉とかプールとか行けなくなっちゃったね。」
「……行ってないけどな。」
「だってぇー、スマイル格好良いし、俺がえっちな身体にしちゃったから危ないじゃん…」
「誰も男なんて襲わねぇだろ。」
「はぁ!?少し触られただけで感じるヤツがなにいってんの?」
「んっ///……〜〜っ!それはきりやんが触るからっ!」
寝て起きても確かにあるソレに、昨日の告白は事実なんだと改めて確信する。
「たまにさ、ナカに出してって言ってたのはそーゆーことだったんだね。」
「っはぁ!?言ったことねぇけど!?」
「いや、結腸突かれて理性飛んだらよく言ってたよ?」
「……え”っ」
「絶対に信じてないでしょw前にハメ撮りさせてくれたときのみせようか?……ほら。」
「やめろっ!みせんなバカ!!」
昨日の『食事後』、寝てしまった彼の寝顔を眺めながら、昔のことを思い出していた。
初めて抱いたときに痛みで流していた涙が、演技だとは思えない。淫魔として生まれたとはいえ、行為をしたのは俺が初めてだったんだろう。
よく食べる彼は、淫魔に必要な栄養を普通の食事で補っていたのかもしれない。
もう空腹なんて感じさせない。
「これからちゃんと『ごはん』食べさせてあげるからね、スマ…♡」
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