『あれ、セバスチャン?セバスチャ〜ン』
あれれ?返事がないなぁ…
またいつもみたいに無視してるのかな。
全くセバスチャンってば、いつになったら懐いてくれるんだろ
ん?あそこで寝転がってるのは…
『セバスチャン!何して…え?』
お腹が切れてる。オマケに大腸まで出しちゃって…可愛い♡
『実に素敵なサプライズだよ。セバスチャン』
でもね、わたしは少し怒ってるよ。
あれほど早く死んじゃダメだって言い聞かせてたのに…
元に戻す身にもなって欲しいね。
セバスチャン視点
…オレは死んだのか?
というか死ねたのか…?
どこを見ても真っ暗だ。
死んだらキリスト様とか天使とかに迎えられるものだと思ってたけど…そうじゃないらしいな…
はぁ、これからどうしよう…
あいつから開放されたのはいいものの、こんなところにずーっといるのも嫌だな…
…あれ、あそこだけ光ってる
どうせ死んでるんだし、もう今更なんも怖くないや。ちょっと見に行こ…
ランダル視点
『おや、目覚めたね!』
セバスチャンがやっと目を覚ましてくれた♡
もー、戻ってこないかと思って心配しちゃったじゃないのさ!
ま、セバスチャンに限ってそんな風になることはありえないけどね。
だってもうセバスチャンは人間であって人間じゃない唯一無二の存在なんだから♡
そしてわたしの運命の人♡
何があっても逃がさない。
地獄の果てまでついて行くよ…セバスチャン♡
セバスチャン視点
…え?なんで?
なんでオレ…生きてるんだ…?
自分で腹切って死んだはず…
『おや、目覚めたね!』
いや出来れば目覚めたくなかったし、それよりなんでオレは生きてるんだ…?!
…まさか
「お前の仕業か…」
『もちろん!当たり前じゃん。 』
「なんで…どうしてっ…!」
『セバスチャン。君が悪いんだよ。』
そう言ってランダルはオレに抱きついてきた。
『君がわたしにキスなんてするから…好きになっちゃった…♡』
「はぁ…?!」
『ねぇ、わたしのハートを奪った責任、ちゃんと取ってよね?』
「き、気持ちわりぃな…!離せよっ…!」
『嫌だよ』
「いいから離せ!」
『もー、嫌だって言ってるでしょ?』
『ねぇセバスチャン、どうしてわたしのことを好きになってくれないの?』
『わたしはこんなに愛してるのに。』
「はぁ…?そんなの決まってるだろ…」
「オレはお前が大嫌いだからだよ! 」
『どうして?』
「え…?」
『じゃあなんで嫌いな奴にキスなんかしたの?』
「それは…」
『いい加減素直になろうよセバスチャン』
「違う…違うオレは…!」
『本当はわたしのことが好きでたまらないんだよね。』
「そんなわけないだろ!」
『ううん、そんなわけあるよ。』
「黙れ…!黙れ黙れ黙れ…!」
オレは力いっぱいこいつを殴った。
殺す勢いで殴ったんだ…でも…
こいつはそんな一筋縄じゃ死なないことを忘れてた。
『いいねぇセバスチャン…♡大好きだよ…♡』
ランダルは鼻血を舐めながら言う…
ほんとに気持ち悪い…気持ち悪いはずなのに…
もう…抗えなかった…
やっぱりオレはこいつが好きなんだ…
好きで好きでたまらないんだ…
『ようやく気づいてくれたんだね…♡』
『わたしと君が両思いだって』
『もうわたしと君は離れられないんだよ。』
『何があろうと…ね♡』
嫌だ。もうこんな自分大嫌いだ。
でももう逃げ道なんてない。
ならいっそ…
従ってしまえ。
そうだ。オレはこいつのことが好きだ。それでいいんだ。
もうプライドなんて捨てさろう。
どんなに足掻いたって逃げ道は無いんだから。
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好きすぎる