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2 - 第2話 タイムリミット②

♥

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2025年03月24日

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【お願い】

こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります

この言葉に見覚えのない方はブラウザバックをお願い致します

ご本人様方とは一切関係ありません


犯罪組織と戦うメンバーさんの、戦闘パロ のお話です

ほぼ青視点





「まろちゃん久しぶりーー!」


白い髪の男…初兎が、飛び跳ねながら俺にそう言った。

スプリンクラーの水を浴びてビショビショに濡れた服を着替え、髪をタオルで拭きながら嬉しそうに。


「ほんと久しぶりだっていうのにやってくれるよねぇ。蹴られたお腹まだ痛いんだけど!」


水色の男、ほとけは唇を尖らせて言う。

お互いさまや、という言葉は面倒くさいので飲み込んだ。


「りうら、瓦礫の下敷きにされた…まろひどい」


赤い男…りうらも不満そうにそう口にする。


「え、お前、これ見えとる?」


眉を寄せて、俺はりうらに自分の頬を指し示した。


「お前がやったんやからな、これ」


刀で斬りつけられた頬を指差しながら言うと、今まさに手当をしてくれていたあにきに「まろ、動くな」と怒られた。…理不尽すぎる。


「まぁまぁまぁ、皆重傷負わなくて良かったじゃん」


ピンク色の髪の男が手を叩いて場をとりまとめようとする。

のんきなそんな言葉に、りうらが目を細めた。


「ないくんが一番殺意マシマシだったけど。爆弾連続起爆はないわ」

「僕なんてあと数メートルずれてたら巻き込まれてたんだから」


ほとけの乗っかるような抗議を受けて、ピンクの男は「だってさぁ」と少し間延びさせた声で笑う。


「噂以上の実力だったから、ちょっと本気出してみたくて」

「その好奇心で殺されかけたらかなわんよなぁ」


苦笑い気味に言って、あにきは俺の顔に絆創膏を貼って「ほい終わり」とペチッと叩いた。

「いたっ」と思わず眉を顰めた俺に、ピンクの男は改めて手を差し出してくる。


「俺だけ初対面だっけ? このチームのリーダーないこです。よろしく…えーっと…」

「まろだよ」


俺のことをどう呼ぼうか一瞬迷ったらしいないこに、りうらが横から助け舟を出した。

だけどないこは軽く眉を持ち上げて不思議そうな顔をする。


「Ifじゃなかったっけ?」

「まろはまろ。いふまろ」


説明になってないその理屈に、ないこはもう一度困ったように笑った。


「じゃあ、まろ。これからよろしく」


差し出された手をそっと握り返す。

その手から、じんわりと温かいぬくもりが伝わってきた。






この組織に足を踏み入れたのは、実質2年ぶりだった。

ここは所謂裏社会にはびこる悪…人身売買や賭博、麻薬売買と言った犯罪に手を染める奴らを秘密裏に壊滅させるために作られた組織だ。


公的なものではないので、警察とは違う。営利目的の金銭授受が絶対と言えるので、どちらかと言えば傭兵集団と呼ぶ方が近い。


2年前、この組織にいた俺は上からの命令でもう一つの組織に異動させられた。

同系列の組織とでも言うか…学校で言えば姉妹校への留学のようなものだ。

だが2年経って裏社会の情勢はがらりと変わり、最近ではここの組織は大きな抗争に巻き込まれることが増え、人手不足に苛まれるようになった。

そこであにきが、俺をこちら側へ呼び戻すことに尽力してくれた。



ただ俺が留守にしていた2年の間に、変わったことがいくつかあった。

2年前にはまだ幼さの残っていたりうらが主戦力になっていたこと。

皆をまとめる立場だったあにきが、その地位を人に譲っていたこと。

そしてそれが、俺がいない間に急にやって来たらしいこのピンク髪のないこだったこと、だ。



ないこの噂は、向こうの組織にいたときにも耳にしていた。

急にこの界隈に現れ、類まれなる才能を発揮してあっという間にトップクラスのチームのリーダーに君臨したと。

戦略を練る才も人を動かす魅力も、どちらも兼ね備えているらしい。

いわゆるカリスマだ。





「…で、今この家でチーム全員共同生活してるんだよね」


今の組織で過ごすための詳しい説明をないこから受けながら、俺は通された部屋でぐるりと辺りを見回した。


住宅街に並ぶ、普通の一軒家。

恐らく敵となる犯罪組織に気づかれないように、一般家庭のようにカムフラージュしているんだろう。

潜伏場所が知られてしまった場合にすぐ逃げられるようにしているのか、家の中はあまり飾り気がなかった。


「部屋数そんなにないから2人一部屋なんだけど、いふくん誰と一緒がいい?」


ないこの隣で、ほとけがそんな問いを投げてくる。

2人一部屋…この際贅沢は言っていられない。

甘んじて受け入れるしかないだろう。


「じゃああにき…」


言いかけた俺の言葉を、ほとけは「ぶぶー」っと遮った。


「残念ー。今一人部屋なのは僕だけなのでいふくんのルームメイトは僕ですー」

「〜っ、それやったら聞くなよ最初っから!」


楽しそうに笑うほとけを恨めしく睨みつける。


「しかもよりによって一番嫌なヤツやん…」

「まぁまぁ。そんな照れんなってぇ」

「照れてないわ!」


大声で怒鳴り返した俺を見ていたないこが、「ふふ」と微かに声を出して笑った。


「仲良いね、2人」


笑って言うないこの後ろで、しょにだとりうらもうんうんと頷いている。


「え、目ついとる!? どこをどう見たら今ので仲良く見えるわけ?」

「照れんなってぇ」


さっきのほとけのセリフを、揶揄するようにしょにだがなぞる。

ニヤニヤとした笑みを浮かべるメンバーの中で初対面のないこまで笑うものだから、俺のこれからの行く先は前途多難としか思えなかった。







(続)

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