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る あ 。
743
#イラスト投稿
鬼灯 哀雷⚔️🥀
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皆様、大変遅れて申し訳ございませんでした💦
――午前8時05分
月影アイランド。
朝の光が島全体を照らし始めていた。
しかし、美月とコナンが向かっているのは、人の集まる地上ではない。
海洋歴史資料館の地下。
五十年前から封印されているという――
第七保管室。
「本当にここなの?」
美月が小さな階段を下りながら尋ねる。
「ああ」
コナンが、昨日見つけた古い船内図を確認する。
「この地下には、一般公開されてない保管区域がある。その中に第七保管室があるはずだ」
「でも、どうして五十年間も隠されてたんだろう」
「それを調べるんだよ」
二人の足音だけが、薄暗い地下通路に響いていた。
――コツ。
――コツ。
壁には古い配管。
天井には小さな照明。
その一部は点滅している。
「なんだか……ちょっと怖いね」
「怖いなら戻ってもいいぜ」
コナンが振り返る。
「ううん」
美月は首を横に振った。
「ここまで来たんだもん。最後まで確かめたい」
そして――
二人の前に、一枚の鉄製の扉が現れた。
扉には大きく、
7
と刻まれている。
「第七保管室……」
美月が呟く。
その横には、三日月と涙の紋章。
昼間に見つけたものと同じだった。
「鍵穴がない」
コナンが扉を調べる。
「どうやって開けるんだろう?」
美月も扉を見る。
すると――
自分のカメラが、突然震えた。
「え?」
――ピッ。
カメラの画面が勝手に点灯する。
画面には、昨日撮ったアルカディア号の写真。
その中央に――
青い光。
「また……」
美月がカメラを扉に近づける。
すると、
――カチッ。
扉の中から音がした。
「……!」
コナンが身構える。
そして――
重い音とともに、扉がゆっくり開いた。
⸻
◆
中は、想像していたよりも広かった。
棚がいくつも並んでいる。
古い書類。
航海記録。
写真。
アルカディア号に関する資料が、まるで時間を閉じ込めたように保管されていた。
「すごい……」
美月が息を呑む。
「これ全部、アルカディア号の資料?」
「ああ」
コナンが棚を確認する。
「五十年間、誰にも見せないために保管されてたんだろうな」
美月は一冊のファイルを取り出す。
表紙には、
『アルカディア号・最終航海記録』
と書かれている。
「これ……」
二人で机の上に置く。
ファイルを開く。
中には、五十年前の航路図。
乗員名簿。
船内の写真。
そして――
最後のページ。
そこには大きく、
『機密資料』
と書かれていた。
「機密……?」
美月がページをめくる。
そこには、当時の船長が残した記録があった。
午後8時15分。予定航路を変更。
午後9時02分。無線通信に異常。
午後9時17分。海上に青い光を確認。
ここまでは航海日誌と同じだった。
しかし、その先に――
午後9時23分。船内に緊急警報。
午後9時26分。乗客を第一保管区へ避難させる。
午後9時31分。『彼ら』が船内に侵入。
「……彼ら?」
コナンが顔を上げる。
「誰のことだ?」
その次のページ。
そこには――
午後9時34分。記録係・白石澪に『蒼月の涙』を託す。
この宝石を決して彼らに渡してはならない。
美月は息を呑んだ。
「白石澪さん……」
さらにページをめくる。
しかし――
そこから先は破り取られていた。
「また……」
美月が悔しそうに言う。
「どうして肝心なところだけないの?」
「誰かが隠したんだろうな」
コナンは破れたページの跡を見る。
そのとき。
棚の奥から――
小さな音がした。
――カタン。
「……?」
二人が振り返る。
「今、何か動いたよね?」
「ああ」
コナンが棚の間を進む。
すると、奥に小さな箱が置かれていた。
箱には鍵がかかっている。
しかし――
その鍵穴の形が、三日月だった。
「美月」
「うん」
美月はカメラを取り出す。
カメラのレンズを箱に向ける。
――ピッ。
また青い光が灯った。
そして――
カチャッ。
箱の鍵が開いた。
「……カメラが鍵になってる?」
コナンが驚く。
美月はゆっくりと蓋を開けた。
中に入っていたのは――
一台の古いフィルムカメラ。
そして、一本のフィルム。
「これ……」
美月はカメラを手に取る。
ずっしりと重い。
そのカメラには、小さな名前が刻まれていた。
M.SHIRASAKI
「白石澪……」
コナンが呟く。
美月はフィルムを見る。
「これが……最後の写真?」
「現像してみないと分からない」
「でも、五十年前のフィルムだよ?」
「保管状態が良ければ、まだ可能性はある」
コナンは箱の中を調べる。
すると、もう一つの封筒が出てきた。
表には――
『未来の記録者へ』
と書かれていた。
「未来の記録者……?」
美月が封筒を開ける。
中には短い手紙。
このフィルムを見つけた人へ。
アルカディア号で起きたことを、どうか真実のまま残してほしい。
私たちが守ったものは、宝石だけではありません。
この海で起きたことを知るための記憶です。
もし、青い月が海に映る夜にこの手紙を読んでいるなら――
地下の映写室へ来てください。
美月は手紙を読み終える。
「地下の……映写室?」
コナンが周囲を見回す。
「この保管室のどこかにあるはずだ」
すると――
美月のカメラが、再び反応した。
画面に一つの文字が表示される。
「B7」
「B7……?」
コナンが考える。
「地下七階?」
美月が言う。
「この建物に地下七階なんてあるのかな?」
「調べてみよう」
⸻
◆
二人は保管室の奥へ進んだ。
壁に並ぶ棚。
その一番奥に、不自然な壁があった。
「……ここだけ新しい」
コナンが壁を叩く。
――コン。
中が空洞になっている。
「隠し扉だ!」
美月が声を上げる。
コナンが壁の周囲を探す。
すると、三日月型の小さなくぼみが見つかった。
「またこれか」
美月がカメラを近づける。
――ピッ。
壁が横に動いた。
その奥には――
さらに地下へ続く階段。
「行こう」
二人は階段を下りる。
しばらく進むと――
巨大な部屋に出た。
中央には、古い映写機。
その向かいには白いスクリーン。
「ここが……映写室」
美月が呟く。
机の上には、古いフィルムリール。
その隣に、
『最後の航海』
と書かれていた。
「これだ!」
コナンがリールを持ち上げる。
その瞬間――
――ガタン!
背後で扉が閉まった。
「!」
美月が振り返る。
「誰!?」
返事はない。
コナンが扉を調べる。
「鍵がかかってる!」
「閉じ込められた?」
「いや……」
コナンは扉の下を見る。
そこから――
細い青い光が差し込んでいる。
「誰かが外にいる」
美月が息を呑む。
「じゃあ、ここを知ってる人が……」
そのとき。
映写機が勝手に動き始めた。
――カタカタカタ……。
「え?」
電源は入れていない。
それなのに、映写機は回転を始めた。
スクリーンに光が映る。
そして――
映像が始まった。
⸻
◆
五十年前。
アルカディア号の船内。
画面には、白石澪が映っていた。
彼女はカメラを持って、誰かと話している。
音声は途切れ途切れだった。
『……この記録を残します』
画面が揺れる。
『アルカディア号は……予定航路を外れました』
美月とコナンは食い入るように画面を見る。
『理由は……』
白石澪が何かを言いかけた、その瞬間――
映像が乱れる。
――ザーッ。
そして再び映像が戻る。
今度は船の甲板。
そこに、あの少女がいる。
少女は青い宝石を手にしていた。
『この子を守ってください』
白石澪の声。
少女がカメラを見る。
そして――
少女は何かを口にした。
音声が小さくて聞き取れない。
「……もっと音量を上げられないかな」
美月が映写機を見る。
コナンが操作する。
音が大きくなる。
少女の声が――
はっきり聞こえた。
『この宝石は……船を消すためのものじゃない』
美月が息を呑む。
『船を守るためのものなの』
「……船を守る?」
コナンが呟く。
映像の中で、少女が続ける。
『もし私たちが帰れなかったら……』
少女はカメラに近づく。
『未来の誰かに伝えて』
そして――
少女の目が、まっすぐこちらを見つめる。
『アルカディア号は、まだ生きている。』
映像が止まった。
――プツッ。
真っ暗になる。
「……」
美月は言葉を失っていた。
「アルカディア号は……まだ生きている」
コナンも考え込む。
そのとき。
映写機の横にある小さなランプが点灯した。
そこには、今までなかった文字が浮かんでいる。
「次の記録は、海の上。」
「海の上……?」
美月が呟く。
すると突然――
ガシャァン!
映写室の天井から大きな音が響いた。
「何!?」
二人が上を見る。
天井の換気口が開いている。
そこから一枚の写真が落ちてきた。
美月が拾う。
写真に写っていたのは――
夜の海。
そして、その中央に浮かぶアルカディア号。
だが、写真の裏には――
新しい文字が書かれていた。
『今夜、船は再び現れる。』
コナンの表情が変わる。
「今夜……」
美月は写真を強く握った。
「アルカディア号が……?」
「ああ」
コナンは頷く。
「五十年前の船が、本当に現れるかもしれない」
その瞬間。
閉ざされていた扉が――
ゆっくり開いた。
誰も触れていないのに。
――ギィィィ……。
二人が警戒しながら外を見る。
そこには誰もいない。
ただ、床に一つだけ残されていた。
青い小さな宝石。
「……蒼月の涙?」
美月が近づこうとした瞬間――
コナンが腕を伸ばして止めた。
「待って」
「え?」
「それ、本物とは限らない」
コナンは床を指差す。
宝石の横に――
小さな機械が置かれていた。
「これ、青い光を出す装置だ」
「じゃあ、さっきの光も……」
「誰かが俺たちを誘導してる」
コナンが立ち上がる。
「この場所を知ってる人物がいる」
美月は周囲を見回す。
すると遠くの通路。
一瞬だけ――
黒い影が見えた。
「コナン君!」
二人が走る。
しかし、角を曲がったときには――
誰もいなかった。
代わりに床に落ちていたのは、一枚のカード。
そこには――
『月が海に沈む夜、真実の船が現れる。』
その下に、小さく――
「23:00」
と書かれていた。
美月は時計を見る。
まだ朝。
夜まで――
十数時間ある。
「今夜、十一時……」
コナンがカードを握る。
「その時間に、何かが起きる」
美月は窓の向こうに広がる海を見る。
朝の海は穏やかだった。
しかし――
その海のずっと向こう。
誰にも見えない場所で。
青い光が一瞬だけ瞬いた。
まるで、
夜の再会を予告するように。
――第5章・終――
次章予告
第6章「午後11時、海に現れる船」
アルカディア号が再び現れるという予告。
美月たちは夜の海へ向かう準備を始める。
しかしその頃、月影アイランドでは別の事件が起きていた。
そして午後11時――。
海面に現れた巨大な船影。
その船の甲板には、五十年前に消えたはずの白石澪の姿が……?
コメント
3件
うわ、第5章めっちゃ面白かった……! 第七保管室の雰囲気から、カメラが鍵になるギミック、白石澪のフィルムカメラの発見、そして「船はまだ生きている」って少女の言葉……一つ一つが繋がっていく感じがたまらん。最後の「今夜11時」って予告と、青い光が瞬くシーンで鳥肌立ったわ。次章、絶対読む🔥