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「行ってきます!」
緑髪で花のヘヤピンを付けたサイドテールの少女、春咲莉奈(はるざきりな)の声が小さな家全体に響く、だが返事はない、シーンとした家を後に少女は歩く、この少女は開能高校に向けて足を運んでいる、開能高校はこの世界にある能力を使い、同じくこの世界に居る怪異、簡単に言うと幽霊や未確認生物と戦う怪異ハンターを目指す少年少女達が集まる場だ、開能高校にはこの能力が進化した者だけが入学出来る特別な高校だ、実際クラスメイトは5人で、これでも多い方なのだ、そしてクラスメイトでシェアハウスと言う名の寮があるのだが、それは後々話そう、さて春咲は電車を乗り継ぎ、開能高校に着いたそうで今教室に向かっている、学校の廊下に足音が響いている、静かな廊下から教室の扉を開けると青色髪のお団子頭の少年、水谷楓(みずたにかえで)が居た、1人静かに小説を読んでいる、その小説は春咲も大好きで何回も読んだ事がある小説だった、声を掛けたいがそれを読んでいるだけだったらと言う不安の方が勝ち、自分の席に座り込み春咲も静かに小説を広げた、水谷が読んでいる作家が書いた小説だった、そうすると水谷のぼそっとした声が聞こえてきた
「その作家、好きなの?」
いきなりの展開で春咲は少し驚いたがすぐに返事をした
「うん、昔からよく読んでるの」
「そうなんだね、じゃあ気が合いそうだ、僕の名前は水谷楓、よろしく」
「私、春咲莉奈です、よろしくね」
そう春咲が話すと水谷は少し頷いて視線を小説に向け、黙り込んだ、春咲にとってこの会話はとても嬉しい事だろう、そんな静かな雰囲気を壊すように赤髪の少年、赤也炎(あかなりほむら)が教室に入るなり声を上げた
「おはよー!これからよろしくな!俺は赤也炎だ!名前教えてくれ!」
そう、彼は正真正銘の陽キャだ、2人は驚くなり少し黙ってしまったがすぐに水谷が声を出した
「水谷楓だ、よろしく」
そんな冷たい事を言ってまた小説に目を向け黙ってしまった、その後春咲も声を出した
「私は春咲莉奈です、よろしくお願いします」
急にかしこまって春咲自体もおかしいと思っているだろうが彼は何一つ気にせずに春咲の隣に座った、ちなみに春咲の左すぐに水谷、右に赤也でその隣に二つの席が空いている、残り2人は誰だろうと同じ事を全員が思っていたら教室の扉が開き、水色髪の少年、冬海琥珀(とうかいこはく)が入って来るなり凍らせるような冷たい声で話した
「冬海琥珀だ、よろしく頼む」
水谷より冷たい声が部屋に響いた、そんな声を溶かそうとしてるのか赤也が声を上げた
「俺、赤也炎だ!よろしくな!」
まるで火の様な熱い声が響いた、そして他の2人も自己紹介をして、1番右の廊下側の席が余り、誰が座るのだろうと考えていた春咲、そんな中扉が勢い良く開くと同時に紫髪で身長ほどある鎌を持ち、眼帯を付けた少女、死瀬霊(しにせれい)が入って来るなり冷たい空気をぶち壊すように話した
「うちは死瀬霊だよ!よろしくー!」
いきなりの大声にクラスメイトは驚いたがそんな事を気にせずに赤也が負けず劣らずの大声で話し出した
「俺は赤也炎!よろしくな!」
そう、死瀬は赤也と同じタイプな為とても気が合って、そしてうるさい事も目に見える、皆ホームルームの時間まで自分で席で待っていた、チャイムがなる3分前、1人の藍色の髪のロングヘアの女性、奏㮈凛藍(そうなりあい)が扉を開けた、青色の瞳がみんなを見渡した
「おはよう、今日から担任の奏㮈凛藍です、能力はIQ、まぁ頭の良さね、とりあえず能力を見せて欲しいのでグラウンドに行きましょうか」
優しそうな、でもどこが警戒を感じる、そんな声を響かせた、そして私たちは制服のままグラウンドへ足を進めた
「せんせー!ここでどうすればいいのー?」
死瀬が空全体に響くように声を上げる、そんな質問に先生は答えた
「ここで能力を見せてください、なんでもいいので能力の一部や技などを出してください、結界は張っている為ご安心を」
結界はその技の被害を少なくする為の物である、そして番号順に能力を見せあった
「ファイヤーチャージ!」
赤也はそう言って炎の玉を空目掛け飛ばした、上がった先で軽い爆発があったがそれを怖がりもせず次の番となる
「ゴーストラーク!」
死瀬はそう叫びながら自分の背程ある鎌を軽々しく地面に叩きつけた、結界が無かったら今頃地面はひび割れていただろう
「…アイスフィールド」
冬海がそう呟くと同時に周りが氷で覆われ、雪が積もった、寒い風が強く吹くほどの威力だった、息が凍りつくように寒い
「フ、フラワーネット!」
春咲が絞り出すように声を出すと同時に花とツタで出来た網のような物が出来、それを空から落とした、だが攻撃力はほぼ無い、それを見て春咲はトボトボと足を進めた
「スピードウォーター」
水谷がそう言うと風を切る音と同時に水が空を切った、当たると相当な痛みがあるだろう、そうして全員の能力を奏㮈凛に見せた
「お疲れ様です、では皆さんの能力の事をまとめてまた明日学校で出させていただきますね、寮まで案内します」
そう言って学校の外へ出て、寮の場所まで案内された
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