テラーノベル
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入ってきたのはスーツを着たまだ若い女だった。彼女は暫く困惑していた。彼女はとりあえず開いている席に座ったようだ。この人間はきっと仕事で苦労しているのだろう。目の下には酷い隈ができていた。彼女にはハーブティーとオレンジピールの入ったマドレーヌが良いだろう。ハーブティーには安眠効果がある。オレンジはハーブティーに合う、それに加えストレス軽減の効果もある。彼女にはピッタリだろう。
『どうぞ、こちらハーブティーとオレンジピール入りのマドレーヌでございます。きっとこちらはお客様にピッタリでしょう。ではごゆっくり、、、』
支配人も同じことを思ったようだ。ティーセットを彼女に出していた。彼女は暫くティーセットを眺めた。状況が理解できていないようだった。
無理もないだろう。突然変な空間に来たと思ったらティーセットを出されるのだから、、、。はじめてここに来た人はみんな同じ反応をする。酷く困惑し、息が上がっている。中には膝から崩れ落ちる人もいる。ここの支配人だって最初は困惑していた。
『とりあえず呑んでみようかな、、、 』
彼女は呑んでみることにしたようだ。
『、、、!』
彼女の目が輝いた。
『おいしい、、、!ここなんていう名前なんだろ、、、』
名前、か、、、たしかここの空間の名前は、、、
『なんだか疲れが取れたような気がする』
名前を思い出しているうちに彼女はもう食べきっていたようだ。彼女の目の下の隈がなくなっていた。やはりここのお茶はすごい。何か淹れ方が他のところとは違うのだろうか、、、
『企業秘密でございます』
「ッ!?」
いつのまにか声に出していたのだろうか、、、いやそんなはずはない、、、だって私は、、、
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