テラーノベル
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みんな優しすぎて泣きそう😭
まじでもっと頑張るから応援してください!!
読んだ感想?みたいなのとか書いてくれててほんと嬉しいよ~!!
今回は違う物語になっています‼️
前回の続きはまた今度するね‼️
それではスタート!!
初
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「二位のままでいたかった」
高校の陸上部には、絶対に勝てない相手がいた。
一ノ瀬蓮。
百メートル走の県記録保持者。
入学以来ずっと、一位。
そして俺――橘湊は、ずっと二位だった。
⸻
「また負けたな」
大会帰りのバスで、蓮が笑う。
腹が立つ。
本当に腹が立つ。
同じ練習をしても追いつけない。
どれだけ努力しても、最後の数メートルで差をつけられる。
「次は勝つ」
そう言うと、蓮は窓の外を見ながら答えた。
「楽しみにしてる」
余裕のある声だった。
その余裕が嫌いだった。
⸻
だから、俺は蓮が嫌いだった。
……そう思っていた。
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気づいたのは、二年の秋だった。
練習中に足を痛めた俺は、一人でグラウンドの隅に座っていた。
日も沈みかけている。
部員たちは帰り始めていた。
そのとき。
目の前にスポーツドリンクが差し出された。
蓮だった。
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「飲め」
「別にいらない」
「嘘つけ」
「お前に心配される筋合いない」
「そうか」
蓮はそう言ったくせに、隣に座った。
帰らない。
何も話さない。
ただ隣にいる。
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沈黙が続いたあと、蓮がぽつりと言った。
「お前が走れないとつまらない」
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心臓が跳ねた。
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「は?」
「だってそうだろ」
蓮は笑う。
「お前しか本気で追いかけてこない」
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夕日が横顔を照らしていた。
その瞬間だった。
俺は、自分が見たくなかった感情に気づいてしまった。
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好きなんだ。
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認めたくなかった。
ライバルだ。
勝ちたい相手だ。
なのに。
気づけば、誰よりも目で追っていた。
誰よりも声を聞いていた。
誰よりも近くにいたかった。
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最悪だった。
その日から余計に蓮を避けた。
話さない。
目を合わせない。
練習が終わればすぐ帰る。
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でも蓮は追いかけてきた。
ある日の帰り道。
校門を出たところで腕を掴まれる。
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「なんで避ける」
「避けてない」
「嘘だ」
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逃げようとした。
でも掴まれた手は離れない。
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「俺なんかしたか」
蓮が聞く。
真っ直ぐな目だった。
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その目が嫌だった。
全部見透かされそうで。
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「……したよ」
「何を」
「知らないならいい」
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言えるわけがない。
好きだから避けてるなんて。
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蓮はしばらく黙った。
それから、小さく息を吐く。
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「じゃあ俺から言う」
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俺は顔を上げた。
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蓮は困ったように笑っていた。
大会で勝ったときも、表彰台でも見たことのない顔だった。
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「お前が避けるから困ってる」
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「なんで」
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蓮は少しだけ視線を逸らした。
そして。
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「好きだから」
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世界が止まった気がした。
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車の音も。
風の音も。
何も聞こえない。
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「……は?」
それしか言えなかった。
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蓮は耳まで赤くなっていた。
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「だから困ってる」
「冗談だろ」
「見えないかもしれないけど本気だ」
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こんな顔をする蓮を初めて見た。
いつも余裕で。
いつも先を走っていて。
絶対に追いつけないと思っていた男が。
今だけは不安そうだった。
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「俺、お前に勝ちたいと思ったことない」
蓮が言う。
「え?」
「だって、お前が隣にいるのが当たり前だったから」
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胸が苦しくなる。
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「一位なんてどうでもいい」
蓮は笑った。
「でもお前がいなくなるのは嫌だ」
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俺は思わず顔を覆った。
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勝てるわけがない。
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走っても勝てない。
言葉でも勝てない。
こんなの反則だ。
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「……馬鹿」
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絞り出した声に、蓮が笑う。
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「知ってる」
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夕焼けが二人を染める。
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ずっと一位だった男と。
ずっと二位だった男。
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でもその日だけは。
勝ち負けなんて、どうでもよかった。
隣に立つ距離が、ほんの少しだけ近づいたから。
コメント
5件
第3話、めちゃくちゃ良かったです……! 「二位のままでいたかった」っていう湊くんの心情から始まるのがもう泣けます。 ずっと蓮くんをライバルだと思ってたのに、実は“好き”だったって気づく瞬間の描き方が繊細で、胸がギュッとなりました😭 特に「お前がいなくなるのは嫌だ」って蓮くんが言うところ、反則ですよ…! 勝ち負けじゃなくて“隣にいたい”って気持ちが、夕焼けに重なってすごく美しかったです。続きも楽しみにしてます!