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※なんでも許せる方向け
家事を全て終わらせ、やることは何もなくなった夜22時。残業で終電ギリギリになると言っていた彼氏のきりやんはまだ帰ってこない。
俺以外誰もいない家のリビングで、目の前のカメラのボタンを押す。
「…ついたかな?聞こえるー?」
カメラに向かって声をかければ、画面にコメントが流れた。
配信を始めて数分もしない内に同接者数はどんどん増えていく。
「よし、聞こえてるね。じゃあ今日も配信はじめまーす。」
俺の趣味というか、ストレス発散方法はアダルトサイトで配信をすることだ。
この配信を始めたのは今から数ヶ月ほど前。
繁忙期に入り、仕事が忙しくなったきりやんは残業ばかりで家に帰るのも遅くなっていた。行為の数も減っていき、俺の性欲は積もり続けていた。
でも毎日終電ギリギリに帰って、休日は死んだように寝て過ごすきりやんに、行為をしたいなんて言えるはずがなかった。
だって重いじゃんそういうの。
仕事に疲れている相手にえっちしたいって言うんだよ?
自分のことだけ考えて相手のことは考えてないし、そんなこときりやんに言ったら呆れられるに決まってる。
でも性欲を我慢し続けるわけにはいかないから、別の発散方法を探していたらこの配信にたどり着いた。
首から上は映さないし、1人でするより気持ちよくなれるから興味本位で始めたこの配信に俺はすっかり夢中になっていた。
週に1回の配信。
今日もカメラに向かって声を出す。
「今日は新しく買ったこのディルド使いまーす。」
『彼氏いないの?』
「いや、いるよ。秘密でやってる。」
『バレないの?』
「バレないっしょ。アイツ鈍感だし。」
『今日はどのくらいやるのー?』
「いつも通り1時間ぐらい。」
流れるコメントを読みながら準備をする。
なんの需要があるのかは分からないが、俺のこの配信は同接者もコメント数も割と多めだ。
平日だというのに、みんな暇なのだろうか。
「よーし、準備終わりー。そろそろはじめよっかなー」
そう言えば途端に多くなるコメント数。
その様子にニヤリと笑いながら、近くに置いておいたディルドを手に取る。
きりやんのより少し小さいけど長さがあるソレ。
初めて使うディルドを前に喉がごくりと鳴る。
期待に胸を高鳴らせながら、後孔にディルドをぴたりとつける。
事前に解かしてあるから直ぐに入るはずだ。
「お前らよく見とけよ…?」
画面に向かって声をかけて、ゆっくりと腰を下ろす。
「…んんっ…♡あ♡あっ…♡」
挿れれば途端に口から漏れる甘い声。
「んぁッ…♡すごッ♡これ…♡♡」
ふと画面を見たら無数のコメントが流れていくのが見えた。
…みんなが俺を求めてるんだ。
みんなが、俺を見てる…♡
「あはッ♡ねぇ、みてっ♡♡もうここまではいったよ♡♡♡」
半分ほどはいったソレをカメラに見せつけるように脚を開いたら、コメントと同時に同接者数がどんどん増える。
「やばっ♡♡おくまでくる♡♡」
「あッ♡あぁん♡♡はぁ…んん♡♡♡」
「んんッ♡だめッかも…♡これッ…♡♡」
前立腺を押し潰しながら、ディルドが奥まで挿入ってくる。
電流が体を駆け巡るみたいな甘い刺激に、口からだらしない声が漏れた。
顔を上げると、自身の体を映すカメラが目に入る。
レンズ越しに反射する自身の体と目が合った。
こんなはしたない姿をぜんぶ、見られてるんだ…♡♡
「あ はッ…♡♡」
もっと、もっと見てほしい…♡♡
「おまえら、これがすきなんだろ…?♡」
カメラで結合部分を拡大して、じゅぶじゅぶとローションを泡立てるように腰を上下に揺らす。
「ほら、いえよ♡もっとみたいって…♡♡」
そう言えば、俺の言った通りの言葉が流れるコメント欄。
みんなが俺の痴態を求めてる。
その事実にディルドの快楽とはまた別の気持ち良さが体を満たす。
「あはッ…♡みんな変態だね…♡♡」
「あっ♡まってッ♡♡やばぁ♡♡」
「イク、かも…ッ♡♡んぁッ♡あっ…♡イクッ♡イっちゃッ♡♡」
「だめッ…♡あっ♡♡ッん゛あ゛っ♡♡♡」
ディルドが奥にはいった瞬間、太ももがガクガクと痙攣して腰をそらして見せつけるように盛大にイった。
「はぁ♡はぁ…♡♡」
思ったより早くイってしまった。
これ以上続けたら体力がなくなるし、今日は終わりに…
「…ッあ⁉︎♡♡ま、まってッ♡♡」
今日はもう終わりにしようと、ディルドを抜こうとした途端。
「あッ♡♡おぐっ♡♡はいって♡♡♡」
絶頂の余韻で力が抜けた体が、ディルドをさらに奥に咥え込んでしまった。
長いソレが奥までハマる。
もう終わると思っていた視聴者はまさかの配信の続行に歓喜の声を上げた。
コメントが追えないくらいのスピードで流れていく。
「だめっ♡♡おわるッ♡♡もうッおわるからぁっ♡♡」
カメラのボタンを押そうとしても、指先に上手く力が入らない。
「あっ♡♡だめッ♡♡またイクッ♡イっちゃ…♡♡」
「ッんあ♡♡あ゛♡♡んんッ♡」
だめだ、気持ち良すぎる…♡♡
「あッ♡♡ぁ゛♡♡あ♡はッ、♡♡んッ♡♡」
あたま、おかしくなる……♡♡♡
「あっ♡あっ♡あッ♡あ♡ぁあ゛♡♡♡」
「気持ちい?」
「うんッ♡きもち、い……?」
…え?
背後からやけにクリアに聞こえた声に動きが止まる。
…今家には俺しかいないはず。
じゃあこの声は…?
「そっか。よかったね。」
「はッ…」
聞き慣れた特徴的な声。
体がガクガクと震える。
振り返るのが怖い。
壊れた玩具みたいにゆっくりと後ろを振り返る。
「そんなお化け見たみたいな反応しないでよ。」
「きり、やん…?」
後ろに立っていたのは、恋人のきりやんだった。
「な、んで…」
口から出る声が震える。
気づかなかった…いつからそこに…?
「仕事が思ったより早く終わってさー。いつもより早い電車で帰ってきたんだよね。」
淡々と笑顔で話すきりやんに震えが止まらない。
「でも帰ってきたらこんなサプライズがあるなんて思わなかったな。」
きりやんはそう言ってカメラに近づいて、表示されている画面を覗き込んだ。
「これ配信だよね?いつから?」
「あッ…えっとッ…」
「…答えないなら別にいいけど。」
きりやんがカメラを手に持つ。
「き、きりやん…」
「俺さ、結構傷ついたんだよね。」
「ッ…」
「きんときが隠れてこんなことしてたの、割とショック。」
「ご、ごめんなさッ…」
「…謝るだけなら誰でもできるよね。」
突き放すような冷たい声に呼吸が止まる。
「謝るんじゃなくて、再発防止に努めないと。」
「え…?」
「だからさ、」
きりやんがカメラをこちらに向ける。
「なに、して…」
そんなことしたら…顔映っちゃッ…
「お仕置きしよっか。もう2度とこんなことしないように。」
「ッ…」
そう言ったきりやんの瞳に、いつものような暖かさはなかった。
「あッ゛♡っ゛♡♡きぃやッ♡♡♡」
「ほらきんとき。みんな見てるよー?」
「ッ!やッ♡や゛だッ♡♡ぁっ♡♡♡」
カメラと共にベッドに連れられて、なんの声かけもなしに挿れられた。
きりやんから与えられる快楽に喘ぐ俺を、きりやんはカメラで撮影する。
明らかに顔が映る角度で、必死に顔を逸らそうとも快楽が大きすぎてそれどころではなかった。
「やらッ♡やめてッきりやっ……!♡♡」
「なんで?みんなきんときのこと可愛いって言ってるよ?」
「あっ♡ぁ、やッ♡♡かおッやだぁ♡♡」
「顔隠さないで。」
枕で顔を隠そうとすると、きりやんに枕を剥ぎ取られる。
「やッ♡やらッ♡♡やめ、へッ♡♡♡」
「なんでやだなの?見られるのが好きなくせに。」
「きりやッ…」
きりやんの、低く温度のない冷たい声。
これはきりやんが怒っている証拠だ。
「ごッごめんなさッ♡ゆる、してッ…!」
「別に謝んなくていいよ。ド変態なきんときは人に見られるとコーフンしちゃうんだもんね。」
「ちがッ…♡ちがうッ…!!♡♡」
「何が違うの?カメラ向けられてこんな締めつけてんのに。」
「…ひッ⁉︎♡♡あ゛♡♡ッ♡♡♡お゛ッ♡♡♡」
冷たい目で俺を見下ろすきりやんは絶対怒ってる。
当たり前だ。恋人が隠れてあんな配信をしていたら誰だって怒るに決まってる。
「だめッ♡らめっ♡♡ぁ♡♡ーーッ♡♡♡」
「またみんなに見られながらイったの?やっぱきんときは変態だね。」
俺が100%悪い。自業自得だ。
頭ではそう分かっているのに、きりやんの冷たい態度に心は刃物で刺されたかのようにズキズキと痛む。
浴びせ続けられる快楽に冷静じゃなくなったら俺の口から、ポロポロと言葉が溢れた。
「…ぃ、やんがッ…わるいのっ…!」
「は…?」
「きぃやんが、ッえっちしてくれない、からぁッ!」
目の前のきりやんが、俺の言葉に驚いたように目を見開く。
なに気持ち悪いこと言ってんだ。
こんな女々しいこと言ったら、きりやんに嫌われるに決まってる。
やだ、嫌われたくない。
止まってほしいと思うのに口から溢れる言葉は止まらなくて、さらには涙まで溢れ出てきた。
「きッり、ぁ…♡♡」
「…ははッ♡なにそれ…♡♡」
「ッ…?♡♡きり、あっ…?♡♡……ッお゛っ⁉︎♡♡♡♡」
何が、起こった、?
きりやんに腰を掴まれて…それ、で…?
「そっか、そうなんだ♡」
「あ、ぁ゛♡♡ん、あ゛♡♡♡ぉ゛ひっ♡♡ぁ、♡♡♡♡」
「きんときはずっと俺とセックスしたかったんだね♡」
「あ♡♡は♡ひぎッ゛♡♡♡ん゛ッぉ゛♡♡ッ♡♡♡♡」
奥まできりやんのモノが捩じ込まれ、息が上手くできない。
「お゛♡♡あ、あ゛♡ほ、ぉ゛♡♡♡は、ひ♡あ゛♡♡♡♡」
「可愛い♡ぐっちゃぐちゃのトロ顔めっちゃえろい♡」
「ぉ゛、♡ん゛♡お゛ッ♡♡ぁ゛あ、♡♡♡♡」
「見てきんとき。みんながきんときが俺のメスになるところ見てくれてるよ?」
そう言ってきりやんにカメラを向けられる。
みんなが見てる…
俺がきりやんのメスにされてるところを…
「嬉しいきんとき?♡嬉しいよね??♡♡」
「うれしッ♡♡うれひぃッ♡♡♡」
「あっはッ♡そーだよね♡」
「ぁ゛♡ぉ♡♡、──ッ゛♡♡♡あ゛♡♡」
「みんなにお礼言わなきゃきんとき。」
「…?♡は、ぇ…??♡♡」
「ほら、『見てくれてありがとうございます』って♡」
「ふッ…?♡♡みてくれへッ♡♡ありがとッ♡♡♡ごひゃいッますッ♡♡♡♡」
「はい、ピースして?もう一回♡」
「ッ?♡♡♡あ、ぃあと♡♡♡♡ごひゃいまッ…♡♡♡♡♡」
「ふはッ♡アヘ顔かわいー♡」
きりやんの言われた通りにすれば、きりやんは嬉しそうに頬を緩ませる。
押し寄せる快楽で、何も考えられなくて怖いけどきりやんが幸せそうだから、まぁいっか。
明日は絶対動けないだろうな、なんてことを考えながら俺は意識を手放した。
kr視点
「もうむり…外出れない……」
翌日の朝6時ごろ。
ベッドの上で顔を隠しながらうずくまる恋人のきんときに、ホットココアを持っていく。
「きんとき体大丈夫?」
「大丈夫じゃねーわ!!」
俺がそう聞くと、きんときは弾丸みたいなスピードで言葉を返してきた。
「どうするんだよ、!他の奴らにバレたら…!!」
顔を真っ赤にしながら涙目で俺を睨みつけるきんときは、どうやら昨日顔を映されたことが恥ずかしくて仕方ないらしい。
「別に顔は映してないよ?」
「は…?」
本当は黙っておこうと思っていたが、それはあまりにも可哀想なので恥ずかしそうに布団に包まるきんときに真実を伝える。
「俺が顔を映す前に配信切っておいたから誰にも見られてないし。」
「はぁ…!?」
俺の言葉にきんときは目を見開いて驚く。
にしても、配信を繋いだままだと思って恥ずかしがるきんとき可愛かったな。
「もう配信しないんだし、あの配信用のアカウントも消してね?これから俺も早めに帰ってこれるように頑張るから。」
俺がそういうと、きんときは渋々といった感じで頷いた。
一時は怒りでいっぱいになったが、きんときの配信の原因が俺だったのなら、きんとき1人を責めるわけにはいかない。
これからは、お互いに我慢のないようなストレスフリーな生活を続けていこう。
「あ、ちなみに配信はしてなかったけど録画はしてたからね。」
「ッ!?消せ!!!バカっ!!!!」