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side.Y



最近、気づけば視界にえとさんが居る。

たまたまなのか。

はたまた俺が本能的にえとさんを

目で追っているのか。


出来れば前者であって欲しいが、

それが叶わないほどには

今の自分の思いを自覚してしまった。



えとさんはどう思う?



迷惑かな。

それとも少し嬉しかったり、 なんて。

たとえそうであっても、そうでなくても

この思いは蓋をしておかなければならない。


だって、俺が大切なグループを、皆を

壊すわけにはいかないからね。






✧︎ ✧︎ ✧︎ ✧︎ ✧︎







今日もいつも通り。

平然を装って。



「ゆあんくーんゲームしない?」



よく通る元気な声。

からぴちではブサボ担当だけど。



「しゃーないなー。」


「なに、乗り気じゃないじゃん。」


「そんな事ないし、?」




こうみえてじゃぱぱは勘が鋭い。

のあさんとほほ互角だと思う。


メンバーの事は特に。

全てを見透かしてる様で、

内心、えとさんへの気持ちがバレていないかひやひやする。





そんなこんなでじゃぱぱと遊んでると、

見慣れた栗色の髪が視界をチラつく。



「お、えとさんじゃーん」


「風呂上がり?」



少し鼓動がはやくなる。

まだ髪が濡れていて、おまけにタンクトップときた。

危機感というものを持ち合わせていないようだ。


正直目のやり場に困る。




「コンセント壊れててさ。」


「こっちに乾かしに来たの。」




そう言ってまだ火照った顔で微笑む。



「え!まじで、壊れてんの?」


「早く直さないと、たっつんに伝えてくるわ!」



まだゲームの途中だっていうのに、

じゃぱぱはそそくさと去っていった。


つまり、俺とえとさん2人きり。



「っあー、えとさん!ゲームしない?」



2人きりという響きがくすぐったくて、耐えられなくて

苦し紛れに放った一言。


やらかした。 今から髪乾かすって言ってたのに。



「えっ、ほんと? 」


「ゆあんくんが誘ってくれるなんて珍しい!」



なんか変なものでも食べたのかと笑いながら

ソファの方に身を乗り出して、

俺の腕をぺちぺちと叩く。


いつの間にか俺とえとさんは ほぼゼロ距離。


長いまつげ。白くてきめ細かな肌。

ぷるんとした可愛らしい唇。

吸い込まれそうなつぶらな桃色の瞳。


近くで見れば見るほど、その瞳に吸い込まれそうで

視界が金縛りにあったみたいに動かない。



「ゆあんくん? 」


「っごめん!いや、その本当ごめん」



何してんだ俺。いつも、今も、

えとさんから目が離せない。


まるで君に視覚を奪われたみたい。








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