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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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付き合ってからそんな時間経ってないみたいな感じで考えてください

まちこは激怒した。

いや、かなり盛った。

実際はちょっとだけ悶々としている程度である。

理由は彼氏、白井裕太ことしろせんせーが原因である。

理由はなんだと聞かれてもはっきり答えることはできない。

ただ、

配信中にいつもメンエス発言をしたり

どこの女を抱いた発言をしたり

私よりじゅうはちと話してる方が楽しそうな気がしたり

私のことはいじりがいがあるやつ程度にしか見てない気がしたり

ただ、それだけ。

本当に、それだけ。

そんな言葉一つ一つに反応するべきじゃないとわかってる。それはネタだし。私は彼よりお姉さん。

年上の彼女と付き合う男性は相手に包容力を求める、とどこかで聞いた気がする。

静まれ、まちこりーたよ。

彼のことはちょっとした台風くらいに思っておけばいい。軽くあしらえるくらいの心を持つのだ。

何か他のことに熱中してはどうだろうか。

楽しいことでも見つけよう。

例えば、

そうだ、外国に行こう

____________________

なんで?って突っ込んであげてください

そうだ、京都行こうみたいな感じです

____________________

そうと決まれば早い。どこに行くかをどれにしようかな天の神様の言う通り形式で決め、チケットを買う。

行き先はイタリアで2ヶ月弱後の直行便に乗る。ヨーロッパの旅行だと数ヶ月後の便しか取れないらしい。そこから4日後の帰る用の便も。ご飯が美味しいと有名なので楽しみだ。ホテルはその時決めよう。混むシーズンでもないと思うし、いっか。

ふんふふんと鼻歌を歌いながらパッキングをする。

スキンケア等はこちらのものを持っていこう。衣服と、一応撮影用の道具と配信用のパソコンも持っていく。

なんか困ったら現地で買えばいいやと若干めんどくさくなり、イタリアについて調べる。

イタリアと日本は8時間の時差。

イタリアには直行便で12時間〜13時間程度。

へぇ、そんなに遠いんだ。

楽しみだなぁ。

幸せな気分のままとろとろとした眠気に身を任せた。

____________________

『精神と時の部屋』の中。

ニキニキとじゅうはちと私のメンバーで話を弾ませる。

💛「てか、俺マジでこの前楽しかったんだよね」

💜「私も!また会いたいね〜」

💚「じゅうはち遠いからな…」

💜「そう!助けてドラえも〜ん」

💛💚「「どこでもドア〜」」

💛💚「「被せんなよ!!」」

💚「明らかに私のとこだったでしょ!!」

💛「いや、今じゅうはちは俺を求めてた」

💜「求めてはない」

💚「拒否られてやんの」

💛「てか明後日りぃちょと会う約束してるんだけどまちこり暇?」

💚「明後日は無理だな。てかそっから少なくとも1週間くらい無理かも」

💛「えぇ?なんですかぁ!?ボビーですか!?」

💚「違います〜」

💛「なんだ」

💜「でもまちこ珍しいね。いつも疲れるからってそんなみっちり予定入れないじゃん?」

💚「気分転換的な〜」

💜「そ?」

💚「そー」

❤️「ナンス!」

💛💜💚「「「え」」」

💛「キャメさんいつからいたのw」

❤️「え?気分転換的な〜から」

💚「お腹いたw」

💜「反応速度すごいなw」

💛「感度高めのソーナンスw」

💚「笑わせんなww」

❤️「俺今度の自己紹介感度高めのソーナンスにしようかな」

💛「ボビーとりぃちょの反応楽しみだな」

💜「ニキニキ今度の企画何にする?」

💛「その前に動画の編集ぜんっぜんおわんねぇ!!」

明後日はイタリアかぁ、と考え生活用品買い出しのために断りを入れディスコを抜ける。

飛行機で寝られるように枕も買ったし、大丈夫。

____________________

大丈夫じゃない!!

「体いった!!」

飛行機から降りて荷物を受け取り老人のように腰をガンガンと叩く。痛い。

座って寝ると疲れが取れないというのは本当らしい。想像以上の痛みに早くも萎えそうになるが街並みのおかげでなんとかテンションを保っている。

イタリア ミラノ

こんなに栄えてるんだな、と辺りを見渡す。

「Hello」

目の前にはいかにもヨーロッパらしい青年。

「は、ハロー?」

「Are you Chinese?」

「No!I’m Japanese.」

申し訳ないがここまでしか私は喋れない。それでも話を止める気がなさそうな彼にダラダラと冷や汗が流れる。

「Oh!I love Japanese.」

だからどうしたと頭の中は混乱状態でこのまま走って逃げたい衝動に駆られる。

そんな私をよそに彼はまだ話し続けていてなんとか聞き取れた単語を日本語に変換すると

「私」「見せる」「辺り」

多分案内しようか?的なことを言ってるんだと思う。

「I don’t have money.」

「It’s OK!」

そう言って私の手を引きかけ出していく彼はとても絵になる。しかし…

「Sorry.I have a busy schedule.」

正確には無いが、こんな誰とも知らない男に危ないところに連れていかれる可能性もある。それに一人でのんびりと過ごしたい気分だった。

「Really?」

「Yes!」

そして相手の顔を見ると…

捨てられた犬のような顔をしていた。

しょんぼりという効果音が聞こえてきそうだ。イケメンの悲しむ顔は見たく無い。

「I don’t have a schedule tomorrow.」

それだけ言うと彼は花が咲くように笑い私の手を握る。

よく分からないが明日この場所にこの時間に居て欲しい的なことを言っている気がする。

半強制的にOKと返しホテルが多い場所へと向かった。

____________________

「はぁ…」

ホテルは思ったより満室が多くオフシーズンのイタリアを舐めていたことを実感する。

いくつも回り、やっとちょうどキャンセルがあり一室開いたという場所に入り込んだ。

それにしても対して英語も喋れないくせに外国に行くものでは無い。ここは観光地だから英語も通じるが普通イタリア語だ。

せめて2人で来ないとな

収まらないため息を再度吐き配信の準備をする。

旅行の間なんの動画も撮れないので配信に力を入れる。

イタリアにいるとも伝えるつもりだ。リスナーさんの驚いた顔(見えないけど)を想像して思わずにへ、と顔がニヤける。

「…よし、」

配信を始めてリスナーさんが入って来てくれるのを少し待っているとスマホが鳴る。

開くと何件か連絡が来ていたがそのタイミングでリスナーさんが来てくれたので一旦スマホを閉じさせてもらうことにした。

「こんばんは〜」

『こんばんはってよりおはようじゃない?』

『寝ぼけてる〜?』

『こんばんはかわいい』

『この時間の配信珍しいですね!』

そうか。確か8時間の時差だから今の日本は…

「朝4時?」

こんな朝早くから配信を見てくれているみんなに気分が上がる。

『朝4時です〜』

『絶対寝起きじゃんw』

『おはよう〜』

「ちょっとみんなに聞いて欲しいことがあるんだけど…」

『なになに?』

『はーい』

「実はまちこりーた今イタリアにいるんですよ〜だから今の時間夜8時なんだよね〜」

『えっイタリア?』

『すご!!』

『お仕事ですか?』

『イタリア語喋れるんですか!!?』

「完全にプライベートだよ。観光地だから英語で全然大丈夫!」

『英語話せるのもすごい』

「いやいや、そんな喋れないよ。そういえばイタリア来た直後にかっこいい子に話しかけられたんだけど、訳わかんなすぎたんだよね。」

『うええ!!かわいい!!!!』

『すご!!』

『ついて行ったの?』

「ううん流石に怖かったからついて行かなかったけど明日会うかもしれない」

『イタリア人は日本人のことちょろいって思ってる事が多いらしいから気をつけて〜』

『会うの!!?』

『ええええ』

『私も会いたい!!』

『そこ変われイケメン』

「やっぱり?私も似たようなこと聞いたことあるな」

『気をつけて!!』

『えまじでいくの?』

「うわ悩むな〜」

『人がいっぱいいるところにいてください〜』

『お写真待ってます!!』

『スクープだー!!』

『#まちリアで話し合おうぜ!!』

『ツイッターで待ってるぞ!!』

「じゅうはちの#1個に続いて変なハッシュタグ出来てるw」

『女研メンバーは知ってるの?』

「ん〜そういえば予定があるくらいしか言ってないかも…ま、配信用のパソコンはあるし大丈夫しょ」

____________________

「ん〜」

座りっぱなしだったので背中を伸ばすとコキ、と音がする。

現在時刻は9時半。あっちは5時半くらいだろう。

近くにあるスマホに手を取りツイッター でエゴサをしようとするとあることに気がついた。

トレンド

#まちリア

「うえ!!?」

驚きのあまり思わず大声が出る。

喜びのあまり自分のサブ垢でもその報告をして1人ふくふくしながらお風呂に入った。

____________________

プルルル

「…ん」

プルルル

「ん〜ん」

プルルル

「んえ…」

むくりとその場で起き上がる。真っ白いベッドの上、一瞬ここはどこだと頭がパニックになるがすぐにイタリアだと分かった。

プルルル

「なんだよ〜」

電話の音に起こされたのは初めてだ。時間は朝の7時。まだ早い。

プルルル

「はいはい」

よく名前も見ないまま手に取り通話ボタンを押す。

ピッ

「おはよーございまーす」

「おわっ!繋がった!ちょ、まちこり!?おま…今どこ!?」

ニキニキの声が電話越しに伝わる。

「どこって…ベッドの上」

「どこの!?」

「ホテル…」

「ら、ラブなホテル!?」

「んい〜?ただのホテルだよ」

電話の向こうではぁ〜と息を吐く音が聞こえる。

「どしたの」

「なんで俺らに言わなかったんだよ…この前のディスコで言えただろ」

「別に良くない?あー、動画撮りたかったの?」

「ちげえよ。てかせめて彼氏には言っとけよ。めっちゃ機嫌悪いぞ」

「ウケる」

「本当にウケてる場合じゃねぇって!マジでボビー怒りオーラバンバンで俺に電話して来たからな!!」

「なんの電話だったの?」

「まちこりがイタリアらしいんだけど知ってた?って。俺あの状況だったら知ってたとしても知らないって言うからな!!」

「そんな怒ってるんだ」

「そりゃ怒るだろ。これに関してはまちこりが悪い」

「えぇ…」

「まちこりだってボビーが勝手に外国行って美女に逆ナンされて明日ついていきますーって言ってたらキレるでしょ」

「配信見たの!?」

「見たけどトレンド入りしてたから見なくてもわかるよ」

「そっか…せんせー怒ってるのかぁ」

せんせーが怒っていることに少しだけ、本当に少しだけ喜んでいる自分がいる。そしてそう思ってしまった自分にも嫌気が差す。これではせんせーに嫉妬させるためにここに来たみたい。

「せんせーは私のことあんまり好きじゃないと思ってたんだよね。いや、『思ってる』かな」

「は?」

「本当は私のこといじれる奴くらいにしか思ってなくて、私ばっかり好きなんじゃないかなって考えて…それで、私はなんか好きなものとか見つけてそれに熱中してみたらあんまりせんせーのこと考えなくなれるんじゃないかなって思って、今ここ」

「いやいやいや、どっから好きじゃないかもって思ったの」

「何となく、だって、好きだと思ってて好きじゃなかったより、はなから好きじゃないかもって思ってた方が…」

気持ちが楽だったから

そう呟いた声は今にも消えそうなほど震えていた。

わかってる。自分勝手だってこと。そりゃあ好かれもしないよな。

「…とりあえず、帰ってこいよ。俺とボビーだけじゃなくてみんなもまちこりのこと気にしてるし」

「後2日無理。飛行機の便取っちゃってるし。お土産買ってきてあげるから待ってな」

飛行機の時間等考えると3日、と言うことは伝えなかった。

「ああぁぁぁとみっかあぁぁぁ!?無理だわ!!はよ帰ってこい!ボビーが怖くて行かれない!はい!」

「1人花一匁はないちもんめ始めんなw」

「2日後帰って来たら覚えてろよ…」

呪いのように電話を切られて一息つく。

気がついていなかったが確かにグループでも個チャでもみんなからすごい量の連絡が来ていた。でも肝心な彼氏からは1通だけ。

『帰ってくるのいつ?』

こんな時でも捻くれている私は誰が教えてやるかと思いそれには返さずみんなに何となく返してスマホを閉じる。

けれど確かにニキニキの言った通り彼氏以外の男と町を歩くのは良くない。それでは浮気になってしまう。でも、案内だと思えば…約束もしちゃったし…

「セーフ、だよね…?」

いやアウトだろうと言い張る私の声を無視して準備を始める。

ここから服着て、メイクして、ヘアセットしたら出る時間だ。

人が多い場所を歩いていれば大丈夫。行くぞ、まちこりーた。

____________________

「Hello.」

「アー、オハヨウ…ゴザイマス?」

「えっ!すごい!おはよう〜」

聞くところによると彼は学校で日本語の勉強をしているから少しだけわかるらしい。だからそれも兼ねて昨日私に声をかけて来たそう。それを考えれば私の中にはほとんど警戒心という文字は存在しなくなった。

有名な観光地や穴場のスポットに連れて行ってもらい、夜ご飯まで食べ、さあ別れようという時。

「Will you be free tomorrow?」

明日は、暇だ。けれどこれは断るべきではないか。1日ならまだしも2日目も彼氏以外の男といるのは…よくない気がする。

断ろう

_____________________

「はぁ…」

ホテルの枕を抱きしめながら長い長いため息を吐く。

結局いいよと言ってしまった自分の押しの弱さにぐったりとする。

言い訳。言い訳をさせてほしい。

一回は断ったのだ。けれど彼のうるうるとした目にやられてしまった。無理じゃないか、あんな目。年下の男の子相手にはどうも甘くなってしまう。思わずうちのメンカラピンクの年下男子が頭に思い浮かんでスマートフォンを開くと案の定その子からも連絡が来ていた。

『ねぇ!まだ帰ってこないの!!』

『まちこり〜』

『せんせーがいじめる!』

『連絡無視しないで!』

時と状況によればメンヘラとも捉えられるメッセージを続けて送れるのは年下男子の特権だと内心羨みながらも、知らぬ間に可愛いと思う気持ちが溢れ顔はニヤける。

『おやすみ』

ただいま就寝中であろう彼にそう返し、自分自身もツイッターに今日撮った写真の中で特別綺麗なものを投稿する。

_____________________

めっちゃ長いお話読んでいただきありがとうございました。

途中からセリフ前の💚書かなくなったのは単にめんどくさくなったからです。急に失礼しました。

誤字脱字等あったらすみません

不安になる時はあるよね

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コメント

5

ユーザー

めちゃめちゃ面白かったです!!続きも楽しみにしてます!

ユーザー

え!?めちゃくちゃ良い!これ続きありますか??あったら楽しみに待ってます!!!!

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