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藤澤×大森
二話完結SS
注意
出てくる若井がクズです。
切ないお話なのでご注意お願いします。
───────
藤澤side
僕の目線の先の彼は
いつも僕と違う先を見ている
それは出会った時から今もずっと変わらない
───────
大森「涼ちゃん……もうだめかも……」
藤澤「元貴……」
若井のスキャンダルが出た日、元貴は泣き腫らした顔で僕のマンションに来た。
そっと抱きしめポンポンと頭を撫でれば僕の肩に顔を埋め、また泣き出した元貴。
ここは寒いからと中へと促したがそれでも元貴は顔を埋めたまま動かない。
前の彼女から何年も特定の女は居なくても、ワンナイトで遊ぶ女は居た若井。
プラス元貴にも手を出している。元貴の気持ちに気付いているからこその都合のいいセフレとして。
それでも元貴が若井との関係に納得しているから僕も何も言わずに見守って来たけど……今回の相手はワンナイトではなさそうだ。
元貴も流石に耐えられなくなっちゃったみたいでこの現状だ。
流石にこのまま玄関先に居るのは寒いから元貴に「ちょっと持ち上げるね」と言って、少し屈んで元貴を持ち上げ、リビングまで運んだ。
ソファへ降ろそうとしても離れない元貴を仕方なく対面させたままソファに腰を下ろした。
元貴が落ち着くまで頭を撫でながら
明日のレコーディング大丈夫かな、と考える。
明日は目を腫らした状態になるだろう元貴と、軽い謝罪で済ましヘラヘラとする若井、その間に立つ僕。
はぁ………想像しただけで頭が痛くなる現場だ……
やめよう。明日の事は明日考えよう……。
少し落ち着いたのか元貴が少し顔を上げる。
大森「……涼ちゃん……ごめん……」
藤澤「え?なんで僕に謝るの?」
大森「だって……さっき、ため息ついたから……」
藤澤「あぁ!ちが、元貴のせいじゃないよ!ごめん!勘違いされる様な事して!それより僕は元貴の事が心配だよ……こんなに泣いちゃって……」
少し落ち着いたとは言え、まだ涙が溢れる元貴の目尻に指の背をあて涙を拭う。
想い人の為に泣く元貴の涙が切なく綺麗な事に、若井の事を羨ましく思った。
こんなにも綺麗な涙を流す人に思われていることを。
藤澤「元貴、今更かもしれないけどこれ以上泣くと明日大変な事になっちゃうよ?」
大森「……うん…………」
綺麗事をいいながらも、若井なんかの為に涙を流させたくないのが本音だ。
藤澤「ちょっとは落ち着いた?」
大森「……うん、」
藤澤「目を冷やそっか?ちょっと動いていい?」
タオルを持って来ようと元貴を降ろそうとしたら、元貴は首を横に振りしがみついてきた。
藤澤「元貴?どうした?」
大森「……行かない、で……このままがいい……」
藤澤「うーん……でも明日、目が」
大森「イヤ!涼ちゃ、ごめ、ん、今だけ……僕のわがまま、きいて……」
僕を掴む力が強くなる。
大森「涼ちゃん……僕を抱いて……」