『「お世話になりました」』
家族みんなでそう言ってお医者さんと看護師さんに一礼した。
『日向さん、元気でね』
看護師さんはそう言って微笑みかけた。
「はい!ありがとうございます」
もう一度お礼を言ったあと、俺は妹に押されながら病室を出た。
足はやはり動くことはなく、これから車椅子生活を送ることになる。
バレーをプレーすることは出来なくなってしまったけど、俺は選手じゃなく、補助する側としてまたバレーに関わっていきたいと思う。
大きく息を吸って吐いた。
病院をでると、朝日が眩しく輝いている。
遠くの方に誰かがいる。
こちらに手を振ってるのか、、?
よく目を凝らしてみると、そこにいたのはバレー部のみんなだった。
『日向ー!』
田中先輩がそう言ったのを合図に、みんながこちらへ駆け寄ってきた。
『せーの』
『『退院、おめでとう!』』
みんながそう言って俺を囲った。
「みなさん!ありがとうございます!」
お礼を言ったはいいものの、みんな俺の足を見て浮かない顔をしている。
「俺、もうバレーはできません。でも、バレーを辞めるつもりもありません!」
「俺はマネージャーとか、応援とか、できる限りのことでバレーに関わっていきます!!」
俺がそういうと、みんなはニコッと笑った。
『そうか、それじゃあこれからもよろしくな日向!」
スガさんがそう言ったあと、澤村先輩は続けて
『それじゃあ俺たちはこれで、日向、家でもゆっくり休んでこいよ!』
と言って、みんなで帰っていった。
それから数日が経ち、俺は今、体育館のドアの前にいる。
(意外とドキドキするなこれ)
そう思いながら、恐る恐るドアに手をかける。
深呼吸をしたあと、覚悟を決めてドアを開いた。
『失礼しまーす!!!』
これから先、俺は飛ぶことができない。
でも、他の誰かの支えになることはできる。
俺、日向翔陽は、また新しい一歩を踏み出すことにした。
飛べなくなった最強の囮、完結です!
最後の方少し雑になってしまったの、すみません。
長いお話でしたが最後まで読み進めていただきありがとうございました。
コメント
15件
今までも思ってたけど、第〇話がわが羽なのおしゃれ
泣いた(*T^T)(*T^T)(*T^T)
未来になったら日向君は監督かなぁ!凄く良い作品でした!