ピ、ア、ノ、♡
真夜中に鳴く皆の学び舎の第一音楽室
其処は朝昼は子供達が音楽を学び成長してゆく
夜は誰がピアノを奏でるのだろうか?
それはたった独りで謡い、たった独りでピアノを弾く化け物だった。
イロハ「あれ」
イロハ「今日は学校に訪問者がいるわ!」
イロハ「私の演奏を聴いてくださるかしら!」
イロハ「楽しみだわ!」
イロハ「あら、どうしたの」
イロハ「”四分”」
四分「オジョウサマ、」
四分「彼奴ハジュソシデゴザイマス」
イロハ「あらまぁ!」
イロハ「聴かせがいがありそうね!」
イロハ「貴方達もそう思うでしょう?」
二分「ハィ!」
少女は更に化け物を従えていた。
さて、カノジョの名前は珥覩芭 彩葉。
その手下共の名前は四分、二分。どちらも音符から取った名前だ。
彩葉「でも、困るわね…」
四分「ナニガデス?」
彩葉「呪詛師だと、私が死んでしまいますわ!」
彩葉「でも、勝って見せませう!」
二分「さすが!さすが!」
四分「サスガデスオジョウサマ」
彩葉「まずは此処へ彼を誘いましょ…」
視点はたった一人の男に移る。
夏油「さて…困ったね…」
夏油「私は何処かに誘われているみたいだ。」
夏油「良いだろう…」
夏油「乗ってやる」
夜の校舎に、髪を揺らし五条袈裟を着る男。
これは、どちらが勝つのだろうか?
彩葉「にひひ…にひひ、」
彩葉「私の演奏を聴いた者は」
彩葉「私と一緒に道連れよ」
彩葉「ケラケラ」
ガラリと扉が開く音がした
夏油「ふむ…君かな?」
夏油「私を此処へ誘った者は。」
彩葉「そうだよ!」
彩葉「私の演奏聴いてくださる?」
夏油「んー…」
夏油「そんな時間は無いかな」
彩葉「では動きながらでも聴いてもらいましょう」
夏油「はは、君はどんな攻撃の仕方なのかな」
彩葉「さぁ」
彩葉「私が皆様の興味を惹くお曲はショパンの「夜想曲」、ドビュッシーの「月の夜」。」
彩葉「それではお聴き下さい」
夜の校舎に、曲が流れた。
彩葉「あらまぁ…、」
彩葉「意外と生き残るのね……?」
彩葉「可笑しいわね」
彩葉「私の曲を聴けば皆道連れ…」
彩葉「貴方は出来ないのかしら?」
夏油「さぁね(笑」
彩葉「まぁいいわ。」
彩葉「それでは」
彩葉「続いて」
彩葉「第2楽章」
彩葉「モーツァルト、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」」
彩葉「そして…」
彩葉「ラヴェル、「亡き王女のためのパヴァーヌ」」
彩葉「それでは」
彩葉「お聴きくださいまし」
彩葉「あらぁ?」
彩葉「おかしい…」
彩葉「貴方なぜ死なないのかしら?」
彩葉「意外と活きが良い……?!」
夏油「活きって、魚かよ」
彩葉「ならば、!」
彩葉「マリア・バダジェフスカ「乙女の祈り」」
彩葉「そして、!!」
彩葉「シューベルト、「野ばら」!」
彩葉「あともう一つ…!」
彩葉「リスト、「ラ・カンパネラ」!!!」
夏油「なっ?!」
必死に私は白く純白の鍵盤を打ち続けた。
でも、生きていた。
なんで
私の術に掛かれば道連れのハズなのに、
なのになんで
彩葉「なんっで…」
彩葉「なんでよ……」
彩葉「おかしい、そんなはずは…!」
夏油「君、もうちょっと此処は弱く弾いた方が良いよ」
彩葉「っえ」
彩葉「ど、どこ…?」
夏油「此処の2楽譜目の」
彩葉「え、あう…」
彩葉「あ、ありがと…!」
彩葉「もうちょっと……」
彩葉「後もうちょっと…」
彩葉「もう少しで先生に褒められるわ…!」
彩葉「貴方、名前は?」
夏油「んー…」
夏油「夏油 傑かな」
彩葉「そう…」
彩葉「……でも貴方の側のほうでしょ?」
彩葉「私は中身に聞いたの」
夏油「……」
夏油「良いね。」
夏油「君のこと気にいったよ。」
羂索「羂索だ。」
羂索「私の名前は。」
彩葉「へぇ、」
彩葉「長生きしてそう」
羂索「どうかな」
彩葉「ねえ、私に教えてくださる?」
羂索「ピアノは弾いたことがないけど、」
羂索「良いかもね」
羂索「良いよ、教えてあげる」
羂索「まずは、」
羂索「もう一度、弾いてご覧」
彩葉「ええ」
夜の校舎は、舞踏会を開いたよう
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完
珥覩芭 彩葉
小学6年生。ピアノが大好きな女の子。ピアノの発表会に壇上の上にいた際、ライトが落ちてき内臓が全て潰され死亡。羂索は先生。
四分
四分音符の四分から。
二分
二分音符の二分から。
羂索
呪霊が夜の校舎に現れると聞いたので来たら見破られた。良いね。気に入った。ピアノ?弾いたことないから分からないけど、教えてあげる。
おハム
ピアノの発表会は魔女の宅急便の「海の見える街」に決定。あと昨日は運動会だった。
コメント
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そこの猫抹茶。 ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の文字を見てこう思っただろう。 「え?亡き王女のための…?え、亡き王女のためのセプテット?」と…