テラーノベル
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1話書きます‼️
タイトル:未了(みりょう)
午後2時。曇った空からぽつぽつと雨が降り始めたころ、ジヨンは毛布にくるまってソファに沈んでいた。
熱がある。頭が重くて、目の奥がずきずきと痛んだ。
スマホは充電コードに繋がったまま、通知が点滅している。
スンリから「今日顔出すよ」というメッセージに既読もつけられていなかった。
チャイムが鳴ったのは、不意に心臓を締めつけるような音だった。
こんなときに限って……と、嫌な予感がする。
玄関のモニターを確認すると、案の定そこには、あの男が立っていた。
──T.O.P。本名、チェ・スンヒョン。
🐲「……なんで来たの」
ドアを開けて出た言葉は、それだった。
ジヨンは顔を伏せたまま、力なく言った。
🔝「お前が倒れたって聞いた」
🐲「だからって来る?」
🔝「来るだろ、普通。お前、熱ある顔してる。目も赤い」
🐲「……スンリが今日来るから、もう帰って」
そう言ってドアを閉めようとしたその瞬間、TOPの腕がドアに差し込まれ、強引に押し戻される。
🔝「なあ、ジヨン。俺たち……ほんとに、終わってるのか?」
その声に、ジヨンは目を伏せたまま黙った。
🐲「終わったよ。もう、だいぶ前に」
「じゃあ、あれは全部なんだったんだ。何度も触れた体も、夜中に泣いたお前も──全部、なかったことにできるのかよ」
🐲「……忘れたいんだよ、俺は」
その言葉に、TOPの表情が一瞬だけぐしゃりと歪んだ。
だが、すぐに押し殺すように無表情に戻る。
🔝「忘れられてねぇから、こんな顔してるんだろ」
ジヨンは答えない。
濡れたTOPのコートのしずくが、玄関の床にぽたりぽたりと音を立てていた。
🔝「スンリと付き合ってるんだろ。聞いたよ。……何回寝た?」
🐲「なんで、そんなこと聞くの?」
🔝「知りたいだけだ。お前が俺以外とどれだけ触れたのか」
🐲「……三回」
正直に答えたのは、嘘をついても無駄だとわかっていたからだ。
TOPは昔から、そういうとこだけ勘が鋭い。
🔝「少ないな」
🐲「……は?」
🔝「少なすぎる。俺とは……もっと、あっただろ」
🐲「やめて」
🔝「お前の身体、まだ俺のこと、忘れてねえよな」
🐲「やめてって言ってる!」
声を張り上げた拍子に、足元がふらつく。
体が熱くて、呼吸が浅い。目の前がぼやけてきて──
🔝「ジヨン!」
次の瞬間には、TOPの腕の中だった。
ぐらついた身体をしっかりと支えられて、思わず甘えるように肩に額を押しつけてしまう。
🐲「……帰って。ほんとに……俺、今、考える余裕ないから」
🔝「じゃあ、治るまでいる。寝ろ。何も言わなくていいから」
🐲「……スンリが来る」
🔝「来たら、説明しろ。元カレが心配で来ただけだって」
🐲「……あんたが“元”って認めるならな」
沈黙が落ちる。
ジヨンはそれ以上何も言わず、TOPも黙って彼を寝室へと運んだ。
毛布をかけ、氷枕を当て、水をコップに汲んでくる。
その動きはやさしすぎて、憎むことなんて、やっぱりできなかった。
ジヨンは目を閉じた。
その手が、あの夜の記憶を撫でるように、まだ身体の奥に残っていることを思い知らされながら。
まぁ次回妊娠パロかもです
コメント
3件
トップが元カレなのすきです!ありがとうございます!ぶいさんがリクエストしてくれたの描いたので良かったら見て下さい!