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赤坂総合病院。
静かな病室。窓から風か入ってくる。
暖かくてどこか冷たい。
コンコンコン
いきなりドアを鳴らす。
「結奈ちゃん、ご飯持ってきたよ。」
そう言うのは私の担当の看護師さんだ。
「ありがとうございます。志乃さん。」
「今日で一旦お別れか〜」
「そうですね。でもまたすぐに来ますよ」
私は笑いながら答える。志乃さんは私のお姉ちゃんのように思える存在だ。心のそこから私は志乃に話が出来る。
「そういえば、お兄さん迎えに来るって言ってたよ。」
なんだろう。
コンコンコン
「あ、来たかな。はーい」
「結奈の兄です」
「お待ちしていました。まだご飯を食べてますから少しお待ちください。」
「あ、はい分かりました。」
流石に早いと感じてしまった。もう少し志乃さんと話したかった。
「そういえば、第一殲滅部隊の隊長さんから電話来たぞ。 」
「なんて?」
「退院したら本部に来いってさ」
「そう。わかった。隊服の方がいいよね?」
「だろうな」
この世界には影が存在する。影は人間を餌にする生き物だ。私は影に対抗する月の役割をになっている。月は見た目は人間と同じだが、月は一人一人が異能を持っている。その数現在60人。対する影は1000以上。私達は圧倒的弱者だ。だからこそ一人一人が毎日実践をして成長している。多くが命を落とすが生き残ったからこそ勝者は強くなる。私はそう思う。
「じゃあ志乃さんまた。」
「うん。またね。」
私は志乃さんと挨拶を交わして兄さんと病院を出る。
「このまま行くぞ」
「うん。ありがとう。」
兄さんの車に乗り込む。本部はすぐ近くにある。怪我人が多いからだ。
「じゃあ私バスで帰るから。帰りは迎えに来なくていいよ。」
「わかった。気をつけてな。」
「うん。ありがとう」
基地はとても大きい。第一部隊の司令室は三階の奥にある。部隊は担当支部によって構成される。
プシュー。ガラガラ
「おはよーございます。」
あれ?隊長だけ…?
「おう。おはよう。退院おめでとう」
「ありがとうございます」
「あの、要件はなんでしょう」
「ん?特にないぞ」
「じゃあなんで呼び出したんですか!」
「すまんすまん」
隊長は笑い飛ばした。
「じゃあ私帰ります。また。」
「おうまたな」
一体なんだったんだ。
キンコーンカンコーン
12時の鐘が鳴る。
お昼か。
ちょうどお昼時。私は近くのカフェに立ち寄った。
そんなお腹が減っている訳でもないので頼んだのはソーダフロート。
少し本を読んで私はカフェを出た。
まだ外が明るい。バス出なく歩いて帰ることにした。
少しづつ歩いて帰る。
家に着いたのは午後3時。ガチャンとドアを開ける。
ドアを開けるとお父さんが血まみれで倒れていた。
「え?お父さん!」
お父さんは息をしていなかった。脈もなくて心臓も動いていない。
兄さんと母さん。この光景を見て咄嗟に二人のことを思い出した。
私はリビングえと向かう。
リビングは私の想像どうりの光景だった。兄さんはお母さんを守るように倒れ、お母さんは兄さんに守られながら二人とも血まみれで倒れていた。
この光景を見て冷静にいられる人はいないだろう。
私は電話をかけた。咄嗟に電話をかけたのは白神隊長だった。
「どうした?」
「隊…長…今すぐ私の家に来てくれませんか?」
「おうわかった。じっとしてろよ」
電話が終わると沈黙もうの時間が続いた。数分後、家のドアがガチャンと開いた。
「森崎!」
「隊…長っ」
私はぐちゃぐちゃの顔で隊長を見た。
隊長はそっと私に上着をかける。
「なぁ森崎。俺の家族と一緒に暮らそう。結構騒がしいけどあったかい家だ。」
「はい。ありがとうございます。隊長っ」
私は今必要なものをまとめた。
隊長が家に来てからはすぐに殲滅部隊事件科の人達が来た。
「じゃあ森崎。家まで行こうか。」
「はい」
私は家の外に出て隊長の車に乗り込んだ。車に乗ってから隊長は何も私に聞かなかった。私からも何も話題を触れなかった。
三十分ほど走ると隊長の家についた。
「荷物は後で運ぶから家に入ろう」
「はい」
隊長の家は正直とっても広かった。
家の中に入ると隊長と一緒にリビングらしき場所に向かった。
「みんなちょっと集まってくれ」
隊長がそう言うと中学生ぐらいの男の子の女の子高校生っぽい女の子がこっちに来る。
「えーっと、この子森崎結奈。事情があって今日から一緒に暮らすことになった。森崎紹介するな。そこのなんか暗いやつは優斗。」
「結奈これからよろしく」
「で、そっちの金髪の子は朱音」
「よろしくね」
「であそこの二人は高校生の真昼と蓮だ」「よろしくね結奈ちゃん」
「よろしく。結奈」
「じゃあこれから仲良くな。俺仕事戻るし、母さんもう少しで帰ってくるだろ。」
「行ってらっしゃい父さん」
みんなが声を揃えて言う。
ここから始まる。私は直感的にそう思った。