食後の次は 、各学級で自己紹介が始まった
名前順で紹介をしていくようだった 。
そして 、やはり始めは綾部喜八郎だった 。
「さぁ喜八郎 、話せるか?」
教科の先生は 、
慣れた手つきで 、喜八郎の頭を撫でた 。
「……綾部喜八郎でーす 。」
『…….そ 、それだけ!?!』
思わす口からこぼれてしまった 。
その瞬間 、周りもザワザワとしだし
おまけに喜八郎に睨まれる始末 。
なにかまずいな 。そう思った 。
でも 、そんな騒音を気にせず
アイツは静かに自分の席へと戻って行った
「はぁ 、お前らは
い組としてもっと場を考えなさい。
今は騒ぐ時間じゃないだろう?」
「喜八郎は 、そういう子なんだ 。
みんなも仲良くするように」
そう言って 、先生は次の生徒を指名した 。
きっと 、この時から喜八郎は
他のやつより浮いていたと思う 。
その後 、全員の自己紹介が終われば
ヘムヘムという忍犬による鐘で授業が終わり
委員会活動が始まるそうで 、
皆で見学に行くことになった 。
背の順で二列に並び 、
それぞれの活動を見学をする 。
私は 、一番後ろに位置しており
流石私だ!!なんて思っていれば 、
いちばん前で何やら先生が話をしていた 。
「….ん?喜八郎 、どうした?
あぁ 、じゃあ前で先生と手を繋いで歩こう」
ゆっくりと屈み 、喜八郎と何かを話した後
微笑みながら右手を喜八郎に握らした 。
なぜ喜八郎がそこまで先生に贔屓を受けるのか
その頃の私は理解ができず 、只々
羨ましく妬ましく思っていた 。
そんなのはお構い無しに
どんどん前の者が歩き始めたので
遅れを取るまいと私も歩みを始めた 。
そこで 、突き当たりを曲がる頃だろうか
隣のヤツが話しかけてきたのだ 。
「なぁ 、お前さ 、綾部と同室なんだろ?
気の毒だなー 。もう話はしたのか?」
なんだ 、喜八郎のことか 。
なぜ 、お前なんかが喜八郎の話を持ち出すんだ
?!………..私は何を考えているのだ 。
此奴も同級生なのだぞ 。話くらい出るだろう 。
あ 、また何か話しをしているな 。
『あ 、あぁ!喜八郎のことだな!
ならば 、この平滝夜叉丸が話してやろう!
まぁ 、まだ共に居ないから
どんなヤツかなんて分からないがな』
「な 、なんか大丈夫だわ 。さんきゅー!」
『そ 、そうか?』
少しの沈黙が出来たが 、
すぐにとある場所に辿り着いた為
何とか乗り越えることが出来たのだった 。
「まずは此処だな 。作法委員会だ!」
『作法委員会 。ですか?』
「あぁ 、よし〇〇 。お願いしてもいいか?」
そうして 、先生がなにやら
深緑色の制服を着た六年生と思われる
先輩に話を振っていた 。
その先輩は 、ずっとにこにこ笑っていて
その笑顔にはまるでなにか含みのある笑みで
花で例えれば 、スズランのようで 。
一見 、無害のように見えても
毒がまとわりついている様に感じられた
すると 、私があまりにも見ていたものだから
先輩と目がばったり合ってしまい
〇〇?先輩は思わず笑みを零していた 。
きっと 、私の美しさに耐えきれず 。
可哀想に 。
「ここは 、作法委員会 。
うちでは 、戦場での作法やまた忍者は主に
城へ潜入したりするから 、その時習得する
ために色々便利になる宴席での
振る舞いといった 、マナーっていうのかな。
他の部と違って 、座学メインって所だね」
作法委員会 。
悪くはないが 、私はそういった地味な作業より
もっと自分が輝ける体を上手く表現したり
使ったりする委員会に入りたいものだ 。
「それで 、私が六年い組の弟切草〇〇 。
作法委員会委員長をしています 。
興味がある人は 、是非おいで」
そういって微笑む姿は
美しい反面 、やはり裏が怖いものだ
そうして 、順番順番に委員の方々が
自己紹介していった 、が!!
そこで私は一人の先輩に目が止まった
「三年い組の立花仙蔵です 。
作法委員会は 、比較的人数が少ないが
それでも活動は活き活きとして楽しいんだ 。
入ってきてくれるのを待っているぞ」
言葉と共になびく黒光りする綺麗な髪 。
そして 、既に声変わりを遂げたであろう
芯のある研ぎ澄まされた声 。
私が求めてた最高値のお方
はぁかっこ良くて美しくて
美の擬人化のようなお方 。
実にお近ずきになりたい 、なんて思いながら
ふとその先輩の視線が一箇所に止まっている
ことに気づいた 。
そして 、その目線の先にいたのが
まさに喜八郎だったことも 。
「ふふ 、仙蔵 。抑えきれてないよ 。
ソワソワしているのもいいけど 、忍者として
それを表に出さないようにね 。」
「……..はい 。」
「….おいおい 、お前もか喜八郎….汗」
「?」
「互いに見つめあってないで 、
ほら 、話しかけなよって」
そうして 、頬を赤らめた立花先輩が
喜八郎の元に近ずき目の前で留まっていた 。
あと一歩 、ほんの一歩が
踏み出せていないようだった
そんなとき 、喜八郎が先生と強く握っていた
手を離し 、先輩の元へ寄り添っていった 。
「…..先輩 、きれい 。」
そういって 、立花先輩の髪の毛を
ゆっくりと撫で下ろすその手は 、
あまりにも小さくて細かった 。
「可愛い……可愛すぎる!!
作法委員会に入ってくれ!!!」
「おやまぁ…….?」
『はぁ??』
ふたりが抱擁している姿をみた私を
黒い靄のようなものがゆっくりと現れて
私を試すように存在し続けている 。
その靄が消える見込みもなければ
いま私が抱いている不快感と怒りが
どこかへ消えていく予兆も見えなかった 。
すると 、ふと現実に戻されていった
「おいおい仙蔵!
喜八郎がびっくりしているじゃないか笑」
「す…すみません!
喜八郎 、?すまなかった 。」
「…..いえ」
ふと 、作法委員長が静かだなと感じていると
タイミングよく先輩が「あーー!!!」と
声を上げて言った 。
「綾部喜八郎 。思い出したよ!
君は 、二年い組久々知兵助の弟だね!」
「おー 、よくご存知で」
「いやぁ 、どこかで会ったと思ってたら 、
そういえば君は去年に
学園長と一緒に暮らしていたね 。
どうりで見見覚えのある可愛い顔だと思ったよ」
先輩は 、喜八郎の頭を愛おしそうに撫でた
見ていられなかった 。
おもしろくなかった 。
あいつは 、私に一番懐いていたし
私があいつの幼馴染なのに 。
なのに 、どうしてあいつは ….
あんなにも先輩や先生と親しげなのか 。
どうして先輩や先生が知っていることを 、
幼馴染である私が知りえないのはなぜなのか 。
そう考えれば考えるほど
私にかかる靄が増えていく 。
その後も 、会計委員会や図書委員会 、
体育委員会とたくさんの委員会を見学し
いよいよ最後の委員会となっていった 。
先頭では 、相変わらず先生と話をしている
喜八郎の姿があった 。
「よし 、ここが最後の火薬委員会だ 。」
「……あれは 、」
「喜八郎!!」






