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稜海

第3話 - ずっと一緒に

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2024年10月24日

#超特急

#BL

#EBiDAN

くりーむそーだ

｢誕生日おめでとうーーー！！！｣

楽屋でスマホをさわっているとカイが突然ケーキを持って入ってきた。そして同時にメンバー全員からお祝いの言葉をかけられる。

｢おーーー、ありがとね｣

11｢リョウガっち、30歳の抱負は？！｣

｢いや、30歳じゃないです。なんなら今年は誕生日迎えないんで。30にはならないんで｣

4｢んはは、ぶれねぇな｣

軽口を叩きつつもメンバーから祝われるのは素直に嬉しいと思う。俺はいい仲間を持ったなぁと少ししみじみとしてしまった。表情には出さないけども。

2｢はーい、リョウガ火消して！消す時は願い事も忘れずにね｣

｢わかった。…ふっ｣

｢｢｢｢｢｢｢｢改めて、おめでとーー！！｣｣｣｣｣｣｣｣

メンバー全員から盛大に祝われてなんだか賑やかな誕生日になったな。こんな風に祝ってもらうといつも、俺なんかのために…と少し申し訳なく思ってしまう。でも祝ってくれているメンバーの表情を見ていると、幸せだな、と感じるのもまた事実で。ほんとに、いい誕生日になったなと思う。

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メンバーと別れた後、別の仕事をしてから家に帰った。

｢ただいま〜｣

｢おかえり｣

先に帰っていたカイがわざわざ玄関まで出迎えに来てくれた。と、思ったら突然抱きしめられる。

｢おわっなんだよ急に。どうした？｣

｢んー、今日はリョウガの大切な日だから。抱きしめたくなっちゃった。ごめんね、手洗ってきな？｣

カイにしては珍しく、大人しい雰囲気に少し驚きつつも、俺の誕生日を大切な日だと言ってくれる姿に少し胸がきゅっとなった。

手を洗い、リビングに行くとカイが待っていた。どこか真剣な表情である。

｢どうした？カイなんか変じゃね？｣

｢リョウガ、こっち来て。今から大切な話するね｣

より一層真剣な顔付きになったカイにそう言われ、俺も改まってカイと向き合った。そして、手を取られる。

｢リョウガ、誕生日おめでとう。生まれてきてくれて、俺と出会ってくれて、俺のそばにいてくれてありがとう。愛してる。これ、受け取ってくれますか？｣

右手の薬指にキラリと光るものが着けられた。

｢こ、これ……｣

｢ペアリング。 ………ずっと、考えてた。お互い30歳っていう節目の歳になって、将来についても考えないといけない中で俺は…リョウガと離れたくないと思った。今は、法的に認められることは無いけど、それでもずっと一緒にいたいと思ってる。これからもリョウガの隣にいてもいい？｣

正直びっくりした。普段誕生日というものを特別視していないし、年齢もただの数字くらいに考えている俺は、30歳になるといっても特にいつもと違うとも思っていなかったから。それに、カイがここまで俺との将来について考えているとも思っていなかった。カイの言葉を聞いた俺は、自分でも信じられないくらいに、嬉しいと思った。

｢……ッ当たり前だろ！｣

｢ふふ、リョウガ泣かないで｣

｢泣いてなぃ…｣

俺の意思とは関係なく流れる涙を、カイが親指で拭ってくれた。

｢……お前のは？つけてやる｣

｢いいの？ありがとう｣

受け取ったリングをカイの右手の薬指に着ける。リングの着いた2人の手を並べ、カイは目を細めた。そのまま指を絡められ、手の甲にキスをされた。

｢ん、なにしてんの｣

｢幸せだなぁって、思って。ふふ、赤くなってる。可愛いね｣

｢うるさい｣

赤くなった顔を隠すようにカイの肩に顔を埋めると、カイは優しく頭を撫でてくれた。そんなところも好き、………だったりするかもしれない。

｢いつになるか分からないけど、もし法的に認められるようになったら……結婚、しようね｣