テラーノベル
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全ての仕事を終えて十五階にある部屋に戻ってきた結は、バルコニーへと続く窓を開けて外へ出た。バルコニーから見える夜の街を眺めていた。ホテルに就職したとき、貴一がこの部屋を用意した。それに逆らって、アパートを借りて一人暮らをして、車の免許を取って朝のラッシュに慌てながら出勤しようという願望を抱いた時期もあったが、それは一瞬で消えた。代表という仕事の合間に免許を取りにいく時間はないし、仕事だけで手いっぱいになってしまう結にとって、エレベーターのボタン一つで自分の部屋まで行けて、シェフに頼めば食事も食べられる。悔しいが貴一が用意した今の環境は正直ありがたかった。
会議室に私は何をしに行ったのだろう。ただ話を聞きに行っただけで、手を合わせることもできず、的確な指示もできなかった。
「だからあんたはダメなのよ」
忘れられた骨壺、鈴村涼子のあの目、あの言葉が頭から離れなかった。昨日や一昨日、代表になったわけではないのに、いまだに代表らしくなれていない自分が情けなくて、腹立たしかった。気持ちが沈んでいくと視線も足元に落ちていく。それではいけないと思い直して空を仰ぎ見た。午前零時を回った夜空に浮かぶ月は四日月(よっかづき)だった。
コメント
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第3話読み終えたよ〜!!🌸 結のバルコニーでのシーン、すごく切なかった😢💔 「あんたはダメなのよ」って言葉が頭から離れない感じ、めっちゃわかるし、自分を責める気持ちと、それでも空を見上げる強さが泣ける…。 四日月の描写が静かで、余計に心に沁みたよ🌙✨ 結ちゃん、ゆっくりでいいから前に進んでほしいな…応援してる!!