宝石達の感情 短編小説。

みんな死んだ。

みんな、寿命で。

俺だけが残った。

吸血鬼だから。

少し悲しい。

こんな俺も成長出来たかな。

みんなの墓に綺麗な花を備える。

11個の花を。

ありがとう。

大好きだよ。

俺を見つけてくれてありがとう。

忘れないよ。

みんな俺の心の中で生きている。

11個の命の灯火を消すことは無いよ。

貴方達が守り抜いたこの世界を

俺は愛す。

爽やかな風。

美しい自然。

光り輝く木々。

その全てを。

例え一人になったとしても、

貴方達はすぐそこに居る。

あの優しい眼差しも、

明るく笑ってくれる笑顔も、

全部覚えているから。

もう一度、会いたいと願うけれど、

それは叶わぬ願いだけれど、

貴方達に約束したんだ。

『また会いに行く』

俺だっていつか死ぬだろうから。

病気で死んだり

誰かに殺されたり。

どれも残酷だけれども

貴方達に会えるならば幸せだ。

---

また会えたんだ。

『るな』と名乗る女の子に。

あの子とは違うけど、

あの子のように見えたんだ。

あの優しい面影が見えたんだ。

また会えたね。

『旅をしませんか！』

勿論。

貴方達は俺を見つけてくれた。

恩人なのだから。

再び始まるだろう。

新たな旅の始まりだ。

楽しくなるといいな。