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美奈は、スマホに届いたLINNを見て言った。
「私も何か食べてくる。翔太は遅くなるみたいだから」
「遅くなるって、大丈夫なの?」
「元旦那と一緒だって。翔太を呼び出すなって言ってるのに」
ブツブツ文句を言いながら、美奈は玄関に向かった。
さぁ、どうしよう? と沙耶は考えた。
美奈の貯金通帳を探して残高を確認するか?
どこかに現金を隠しているかもしれない。
だが、その前に、この状況だ。
悲惨なリビングとキッチンを見て、沙耶は心が痛んだ。
このまま放置したら、旅行から帰った恵子が片付けることになる。
(それはダメだ)
沙耶は、美奈が散らかした部屋を片付け始めた。
(なんで、こんな悔しい思いをするの?)
(ここは、私と友也の夢のマイホームなのに)
掃除をしていると、沙耶のスマホにLINNが届いた。
「あ、友也……。え?」
『ゴメン 二次会参加で遅くなる』
「なんなのよ! バカ!」
(私には味方がいない)
(友也も敵だ)
目に涙が溢れた。
沙耶は、泣きながら掃除を続けた。