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昕怜 _ Azlle .
205
ゆうクロ。
90
「……で? 何をそんなに深刻そうに悩んでるわけ、恵」
高専の自室、あるいは出張帰りの五条悟に捕まったいつもの喫茶店。伏黒恵は、手元のコーヒーカップを見つめたまま、耳の先まで真っ赤にして俯いていた。
付き合って数ヶ月、二人はすでに同棲を始めている。しかし、ここ最近の虎杖悠仁の態度は、伏黒にとって不満というか、寂しさが限界に達するものだった。
「……悠仁が、」
「悠仁が?」
「……最近、全然構ってくれないんです。その、……襲って、きもしない、し」
消え入りそうな声で白状した伏黒に、五条は一瞬だけ目を丸くした。あの血気盛んで恵にベタ惚れな虎杖が、こんな美味そうな獲物を前にして手を出さない? 驚きを隠せない五条は、顎に手を当ててニヤついた。
「へぇー? あんな可愛い恵が毎日隣にいるのに、悠仁のやつよく我慢できるね。僕なら1秒も持たないけど?」
「からかわないでください……!」
「からかってないって。いや〜、でも男には色々あるのよ。ほら、あいつ真面目だからさ、『恵を大事にしなきゃ』とか空回りしてんじゃない? だったらさ、恵の方から『襲って』って、全身でアピールしなきゃダメでしょ」
五条は楽しげに指を突き出し、とんでもない作戦を提案してきた。
「明日、悠仁のシャツ1枚だけ羽織ってさ。手首を後ろ手で縛られて、目隠しした状態でベッドで待機してなよ。悠仁が帰ってきたらその姿を見せるの。完璧じゃん?」
「は!? な、何言っ……! なんでそんな、変態みたいな、」
「大丈夫だって! あいつのGoogleの検索履歴、僕こっそり見たことあるから。あいつの性癖、完全にそっち系だからね。恵がそんな格好してたら、理性ぶっ飛んで一瞬で襲ってくるよ」
「プライバシーの侵害ですよ……。っていうか、そんなの自分で縛れるわけないだろ!」
「え? 僕が縛ってあげるに決まってるじゃん」
翌日の夕方、伏黒の自宅。
本当にやる羽目になるとは思わなかった。しかし、五条に「そんなんじゃ一生放置プレイだよ」と煽られ、どうしても悠仁に触れられたい寂しさが勝ってしまったのだ。
伏黒は、悠仁の大きめな白いワイシャツを1枚だけ身に纏い、下着すら穿いていない。
ベッドの上に座らされ、五条の手によって背中に回された両手首が、柔らかな布で手際よく縛られていく。
「……っ、五条先生、本当にこれ、合ってます、からね……///」
「合ってる合ってる。ほら、次は目隠しね」
視界が黒い布で覆われ、何も見えなくなる。五条の気配と、衣擦れの音だけがやけに大きく聞こえた。視覚が奪われたことで、肌の感覚が異常に敏感になる。
「うわ、恵、顔真っ赤。ほんと可愛い。悠仁にはもったいないくらいだね」
「うるさ、……っ!? んむ……っ!?」
不意に、顎をクイと持ち上げられたかと思うと、熱い唇が重なった。
驚きで息を呑んだ隙間に、滑り込んできたのは五条の舌。逃げようにも両手は後ろで縛られ、視界も効かない。
「んぅ、ぅん……っ! れ、ごじょ……せん、せ……っ、ん、はぁ///」
容赦なく口内を蹂躙され、深いベロキスを仕掛けられる。ねっとりと舌を絡め取られ、唾液の音が部屋に響く。五条の意地悪で濃厚なキスに、伏黒は抵抗もできず、ただ鼻から甘い吐息を漏らすことしかできなかった。
「ん、ぷはっ……はぁ、はぁ、……っ、何、するんですか……っ///」
「あはは、あまりにも可愛かったから、つい。悠仁には内緒ね? ほら、そろそろあいつが帰ってくる時間だし、僕は退散しよーっと」
頭をぽんぽんと叩かれ、部屋のドアが閉まる音がした。
静まり返った部屋で、伏黒は心臓をバクバクと高鳴らせながら、ただじっとその時を待つしかなかった。シャツの裾から覗く太ももが、寒さと羞恥心でかすかに震えていた。
ガチャ、と玄関の鍵が開く音が、静かな部屋に響き渡った。
伏黒の身体がビクッと跳ねる。
「ただいまー、恵ー? ……あれ、いないのか?」
バタバタと廊下を歩く足音が、寝室へと近づいてくる。
ドアが開いた。
「恵、リビングにいないけど……って、え」
息を呑む音が聞こえた。
そこにあるのは、自分の大きすぎるシャツだけを身に纏い、後ろ手で縛られ、黒い布で目隠しをされた最愛の恋人の姿。太ももは露わになり、顔をこれ以上ないほど真っ赤にして、恥ずかしそうに身体を縮めている。
「め、ぐみ……? なに、それ……どうしたの、それ」
「ゆう、じ……っ/// おか、えり……っ///」
「な、んで……縛られて、……」
悠仁の足音がゆっくりとベッドへ近づいてくる。その気配から、彼がどれほど動揺し、そして興奮しているかが痛いほど伝わってきた。五条の言っていた「検索履歴」の話が脳裏をよぎる。本当に、悠仁はこの状況に、ド真ん中で刺さっているのだ。
「……恵、それ、俺を誘ってんの?」
「……っ、お前が、最近、全然……構って、くれない、から……っ///」
消え入りそうな声で、けれど必死に理由を告げると、悠仁の理性を繋いでいた何かが、ブチリと音を立てて千切れた。
「……あー、クソ。大事にしようと思って我慢してたのに、もう無理」
ベッドが大きく沈み、ドサリと、伏黒の身体が押し倒された。
目隠しのせいで、次に何が来るか分からない恐怖と快感。悠仁の大きな手が、容赦なくシャツの裾から入り込み、熱い肌を直接撫で上げていく。
「ぁ、っ……! ゆうじ、あ……っ///」
「恵がそんな格好で待ってるのが悪いんだからね。……覚悟して」
耳元で低く囁かれ、首筋に鋭い歯が立てられる。
「ひゃ、あッ! んんぅーっ、あ、あッ……♡」
容赦のない愛撫が始まると、伏黒の口からは、今まで出したこともないような淫らな喘ぎ声が溢れ出た。視界が真っ暗な分、悠仁の手のひらの熱さ、男らしい匂い、肌を愛撫される感覚が何倍にも膨れ上がって脳を犯していく。
「あッ、ん、ぁ、熱い、よ、っ、ゆうじ、ッ……んあッ……♡」
「恵、すげぇ声出してる。身体、めちゃくちゃ敏感になってんじゃん……!」
「う、あ、っ……目隠し、外して、……っ、お前の、顔、見えな、い……っ///」
「ダメ。このまま、めちゃくちゃにしてやる」
「ん、ぁッ……あ、あ、ァッ……♡ 縛られて、るの、変な感じ、する、ぅッ、ひあ、ぁぁッ……!♡」
後ろ手で縛られた手首に自然と力が入り、布が擦れる。
「……っ、ぁ、は、ぁぁッ……!♡ ゆう、じ、待っ、て、動けな、い……ッ!♡」
視界が真っ暗な中、悠仁の容赦ない攻めは加速するばかりで、恵の頭の中はとっくに真っ白になっていた。後ろ手で縛られた手首は、逃げようともがくたびに布と擦れて熱を持ち、自由を奪われた身体はただ悠仁の与える快感を受け入れることしかできない。
「待たない。恵がこんな可愛いことしたのが悪いんだから。……ねぇ、ここ、すげぇ熱いよ?」
「ひゃ、あぁッ! そこ、だめ、ん、あ、あァッ……!♡♡」
容赦なく弱点を抉られ、恵はベッドに顔を伏せるようにしてのけぞった。目隠しの中に涙が溜まり、布越しにじわじわと涙が滲んでいく。恥ずかしいのに、恐ろしいほどに気持ちよくて、下腹部がキュンと切なく疼き続ける。
「あ、ぅ、んんーっ……! ゆう、じ、の、おっきい、の……っ、ぐるぐる、する、ぅッ……ひ、あァーッ!!♡」
「恵、本当にめちゃくちゃ……顔も身体も真っ赤。すげぇエロい」
「うるさ、い、見ないで、っ……あ、見え、ない、んだった、ぁッ……!♡ んんっ、あ、あ、ァッ……!♡♡」
目隠しをされているせいで、悠仁が次にどこを触り、どう攻めてくるのかが予測できない。不意に与えられる強い刺激に、恵の身体はそのたびにビクビクと大きく跳ね、快感の波にぐずぐずに呑まれていく。
「はぁ、はぁ、っ……ぁ、あッ……!♡ も、う、無理、だめ、頭、おかしく、なるぅッ……!♡ ゆうじ、ゆうじぃッ……!」
「いいよ、恵、もっとおかしくなって。俺だけでいっぱいにしてやるから」
背中から覆い被さるようにして抱きつかれ、首筋に何度も熱いキスが落とされる。自由の利かない腕のまま、恵はただ悠仁の衝動に身を任せ、快楽の奥底へとぐっちゃぐちゃに引きずり込まれていった。
「……はぁ、はぁ、……っ、ぅ……///」
嵐のような時間が過ぎ去った寝室には、二人の荒い呼吸音だけが小さく響いていた。
ベッドのシーツはぐしゃぐしゃに乱れ、伏黒は力なく横たわったまま、ただ微かに身体を震わせている。
「あ、ごめん……恵、やりすぎた。痛かった? 大丈夫?」
さっきまでの獣のような気配から一転、焦ったような悠仁の優しい声が耳元に届く。
ようやく後ろ手の手首を縛っていた布が解かれ、自由になった腕がだらりとベッドに投げ出された。血の巡りが戻る感覚とともに、手首に残るかすかな赤みが羞恥心を煽る。
ついで、視界を塞いでいた黒い布がゆっくりと外された。
「……っ///」
眩しさに目を細めると、涙で濡れた視界の先で、悠仁が本当に申し訳なさそうな、だけどどこか満足げな顔で覗き込んできた。伏黒の顔は、事後だというのに未だに耳の先まで真っ赤なままだ。
「……バカ悠仁。……加減ってものを、知れ……///」
「ごめんって! でも、恵がそんな格好で待ってるからさ……。俺、本気で理性がぶっ飛んだっていうか……」
悠仁はポリポリと頬を掻きながら、赤くなった伏黒の手首をそっと包み込み、労るように優しく何度もキスを落とす。その温かさに、先ほどまでの激しい快楽の余韻が再びじわじわと身体の奥から押し寄せてきて、伏黒はたまらず悠仁の胸元に顔を埋めた。
「……もう、二度とやらないからな」
「えー? 俺はまたやってほしいなぁ……なんて。……あ、でも、恵が寂しい思いしてたの気づけなくてごめん。俺、恵のこと大事にしなきゃって思いすぎてた」
ぎゅっと抱きしめ返してくる悠仁の腕は頼もしくて、その胸の鼓動がダイレクトに伝わってくる。
「……分かればいい。……あと、五条先生には、絶対に釘を刺しとく……///」
「え? 五条先生? なんでそこで五条先生の名前が出てくんの?」
「……何でもない。明日、あの人を全力で祓うだけだ」
まだ熱の引かない身体のまま、伏黒は悠仁の腕の中で、今度こそ満たされた心地よさに包まれながら目を閉じた。
コメント
1件
ああああめっちゃ良かった…!!😭💕💕 恵がまさか自分から縛られて待ってるとか…!「構ってくれないから」って消え入りそうな声で言うとこ、切なくて可愛すぎでしょ!!五条先生の「僕が縛ってあげる」発言も悪役すぎて笑ったけど、最後の「明日祓う」って怒ってる恵も尊い…悠仁の理性ぶっ飛び具合も最高でした、続きも気になる〜!!