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9日目の朝。
昨日とは打って変わって、妙に落ち着いた朝食だ。まあ、客がくるのは昼からだしな。それまでは、それぞれ持ち場の最終点検をする事になっている。
普通で当たり前だが、せっかく早起きしたのに…拍子抜けだ。しかも、なぜかダンジョンのオープンと関連性薄そうな話に聞こえるけど…どうなってんだ?
「畑とかなんとか聞こえっけど、なんの話?」
「あ、おはよ。いや、マーリンが錬金術で使う素材を自家栽培したいんだって」
「はい。素材の召喚もばかになりませんし。私、薬品系の錬金が得意なんで、素材から作れば、錬金サイクルも、作れる薬の幅も広がるんですぅ」
ああ…ブラウの称号に昨日相当凹んでたからなぁ。マーリンなりに思うところがあったんだろう。
「実は昨日、兵士の人達が20人も来たおかげで、ポイントは余裕あるんだよね。どんなのがいいの?」
「あの…錬金術用の特殊な苗床があるので、もしそれがダンジョンに作れるなら…」
造る方向で話は纏まりそうだな。
第一、ゼロは錬金術的実験のためなら、なんでもOKなんじゃないだろうか。
黙々と朝メシを食ってたら、ゼロから「聞いてる!?」と怒られた。ボンヤリしてたのがバレたらしい。朝はな…弱いんだよ。
「今、錬金用の苗床、大部屋1つ分造る事になってるからね?」
なんだよ、その後で文句言わないでね、的な目は…。
マーリンは「もちろん苗も同時購入ですぅ」と、嬉しそう。
「ああ…、いいんじゃねぇの?」と答えると、ゼロは間髪入れずに苗床部屋を召喚した。
相変わらず、俺の了解は一応とろうと思っているらしい。うちのマスターは本当に素直だな。
さりげなく「成長促進:最強」が入ってるけどな。まぁ、そこはツッコまない。
「ゼロ様っ!ありがとうございましたぁ!」
素早く礼を言うと、マーリンはブラウを連れて、部屋に籠ってしまった。
返事をする隙もなかったな…。
あの真っ白いチュチュで、これから畑仕事をする気なんだろうか。
「カエン、そろそろギルドに戻らなくて大丈夫?」
「ああ、そうだな。そろそろ行くか。あっ…と、今日はダンジョンのプレオープンには俺様も立ちあうから」
有難く思えよ?と、カエンはニヤニヤしている。
「へ?ギルドはいいのか?」
俺はつい、間抜けな声を出してしまった。
「やっとバイトが見つかったんでなぁ。明日っからは、もうちょいダンジョンに入り浸れるぜぇ?」
「ホント!?やったぁ!」
素直に喜ぶゼロ。
「えっ?マジで!?」
一抹の不安がよぎる俺。
今日こそ空気のようだったが、大体一番騒がしいのはカエンだ。
主に笑い声。
うるさくなりそうだ…。
ニヤニヤ笑いのまま、無言で俺にアイアンクローをかまし、カエンはギルドに戻って行った。
今のは俺、声に出してなかったぞ!?
ルリには「バカねぇ」と笑われ、ゼロには「もう…」と呆れられる。ペロペロ舐めて慰めてくれるのはユキだけだ。
さすが癒し要員。
朝っぱらからのアイアンクローに凹む俺をよそに、ゼロは再びコアに向かっている。
「よし、じゃ今日も新着チェックからね」
ゆうべ見たばっかだったよな…。
それでも新着ってあるもんなんだな。
『ハクが、新たなスキルを入手しました』
『ハクが、新たな称号を入手しました』
『条件を満たしたため、新たなモンスターが召喚可能となりました』
『分裂によりスライムが3匹、スライムメイジが1匹増えました』
スラっち、分裂した!?
無言でダッシュしたルリは、2匹のスライムメイジを抱えて帰って来た。
「ふ…増えてた!」
すげー…。
いや、当たり前だよな。
スライム属が分裂するのなんて。
なぜか驚いてしまったが、早速ステータスを見てみるか。
名前:ノーネーム
LV:1
種族:スライムメイジ
性別:不明
レア度:2
◆能力値
HP:485/485
MP:485/485
STR(筋力):485
VIT(耐久):485
INT(知力):485
MIN(精神):485
DEX(器用):485
AGI(敏捷):485
LUK(幸運):485
スキル:
・回復魔術
・下級火炎魔術
・開眼
称号:ー
▽スキル詳細。
《回復魔術》。回復魔術を扱う事が出来る。
《下級火炎魔術》。下級の火炎魔術を扱う事が出来る。
《開眼》。戦った相手のスキルを身につける事ができる。
え…これって、レベル1の時のスラっちのステータス、引き継いでる…?
プラス魔術は今覚えてる分…。
凄過ぎだろう。