「マッシュ。お前には愛想が尽きた。別れてくれないか」
「…え?」
突然の事で思わず足をぴたりと止めてしまうマッシュ。つい先程まで普段と同じように話していたのに、急な別れに頭の中が真っ白になる。
「れ、レインくん。嘘ですよね、?」
「こんな嘘をつく訳ないだろ。嘘じゃないから言っている。」
普段とは違う冷めきった瞳をマッシュに向ける。その瞳を見て嘘じゃないとはっきり分かる。だが、マッシュは信じたくなかった。まだ自分は最愛の人としてレインを見ていたからだ。この日々がずっと続くと思っていた。
「い、嫌だ…。僕は絶対に嫌です!嘘って言ってください…レインくん、、」
ぽろりと涙が次々に溢れ出す。レインの服の裾を弱りきった力で握るが、それに応える対応は無かった。
「これからは恋人では無く、後輩としてお前のことを見る。それだけだ」
そう言い、マッシュに背中を見せ歩き出す。
「待って。待ってよレインくん」
大粒の涙を流しながら、ぼやける視界の中追いかけることも無く、ただ手を伸ばしてレインを見つめるマッシュだった。
はっと目を覚ますとそこは見慣れた天井があった。
「はぁ、はぁ、、」
勢いよく起き上がり、周りを見渡すがそこにはフィンしか居なかった。
「……夢」
額に大量の汗をかいていた身体がとても気持ち悪い。ただでさえ気持ちが悪いというのに悪い夢を見たせいで尚更気持ちが悪い。
「マッシュくん大丈夫?」
「フィンくん、起きたんだ」
「う、うん。マッシュくんがうなされてたからそれで…」
マッシュを心配そうに見つめるフィン。
「まぁ…夢だったし大丈夫」
「ならいいんだけど…」
大丈夫と言うが、実際は今にも心臓が張り裂けそうな勢いだった。呼吸の仕方を忘れるほど怖くなって、現実か夢かもあまり区別がつかない。とりあえず身支度を整え、レインの元へ向かうことにしたマッシュ。
「フィンくん。僕は今から少し用事があるから行ってくるね」
そう言い残して早足でレインの元へと急ぐ。何処にいるのか分からないが、最初にレインの部屋へ行くことにした。
部屋の目の前に着いたマッシュは呼吸を整えてからノックをして「レインくん居ますか」と尋ねる。すると、「入れ」とレインの声がした。引き戸に賭けて扉を開くと、賭けは当たったようで扉を壊さずに済んだ。
「どうした。マッシュ」
変わりないレインの姿に心から安心したマッシュは目尻から熱い一粒の涙が零れた。それを見たレインは焦り、咄嗟にマッシュを抱きしめた。
「うぅ”〜、、レインくん…ぐすっ、」
「何か嫌なことでもあったのか?」
「レインくんが、、レインくんが僕のこと嫌いになるからぁ…ぐす、」
うわああんとマッシュらしくない大きな声で泣きながら話す。
「俺がいつ嫌いになったんだ?」
身に覚えのない事を言われ、困惑するレイン。
「ゆ、夢でっ、、別れようってっ」
上手く呼吸が出来ない状態のマッシュはいつもと違く、少し可愛いと思ってしまう。
「…マッシュ。お前がどんなに悪い夢を見たかは分からないが、俺がお前を嫌うことなど今後も一切無いだろう」
優しくマッシュの背中を摩ろうとすると、マッシュの唇がレインの唇に当たる。キスと理解するのにはそう時間がかからなかったが、初めてマッシュからキスされたことが嬉しくてたまらないレイン。
ぐすぐすと泣きながらレインに抱きつくマッシュが可愛くてしょうがないレインは、思わず深いキスをしてしまう。
「んん、!?」
ずるりとずり落ちるマッシュの身体を抑えながら上顎を舐める。
「お前を不安にさせてしまったことは申し訳ない」
頬に優しくキスをして、流れている涙をぺろりと舐める。
「しょっぱいよ」
「そうだな。涙でさえ愛おしいと感じてしまう俺は馬鹿なのか」
レインが発する言葉一つ一つに安心さを覚えて涙が止む。マッシュの綺麗な黒髪をさらりと撫で、もう一度キスをする。
「んっ、はっ、、ふぅ…」
次第に身体の力が抜けていき、レインのことしか考えれなくなるマッシュ。レインの指でナカを沢山擦って欲しくてたまらない。
「レインくん。僕のナカ…ぐちゃぐちゃにしてください、、」
「随分と煽るのが上手になったな」
甘く毒のような眼差しを向け、2人は夜の世界に溶け込んだ。
コメント
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初コメ失礼致します🙇♀️ …何かうん…めっちゃくっちゃ作品好みです! レイン×マッシュ… 有難う御座いますッ!新たな扉が開きましたッ!
頑張っていいね1万5000にしたんで褒めてください😇🫶今回も最高でした
1万超いいねありがとうございます♡➷