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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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〜〜〜ゴロンシティ〜〜〜

「熱…………」

地獄の様な熱さだった。これが…ゴロン族以外は耐えられないと有名な場所だ……

馬宿の店主に燃えず薬を貰わなければ今頃、僕たちは焼き鳥と焼き魚になっていただろう…。

「ただの熱い場所だけだと思っていたけど、結構栄えているんだね。」

「うん!凄いね…!奥の方の大っきい建物は族長さんの家かな?」

ミファーは興味津々でゴロン族に話を聞いている僕から離れた。






「ありがとうございます。また分からないところがあったら聞きにくるよ。」

「はい!いつでもどうぞ!!英傑様には感謝しかありません!」

「はいはい…」

「…あれ?そういえばミファー様は何処に行かれたのですか?」

「え…?ミファーは僕と一緒に……あれ?」

「まだそんなに遠くに行ってないと思います。」

「そうだよね………。それじゃあね!」

「はい!!」

僕は素早く飛び上がろう………と思ったけどこの熱さだと羽が燃えるから仕方なく、走って探すか…



















「はぁ……はぁ……ミファー、何処だい!」

リト族は「空と生きる」と言われている程、飛んでいるんだ。だから、「走る」という動作をする時は、どうしても飛べない時か怪我した時のどっちかだ。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

しかも、普段ずっと飛んでいるから、走った時は他の種族よりも倍、疲れる。

「はぁ………はぁ………」

体がとても熱く感じる。鼓動が全身に鳴り響いて、うるさい。

ここが尋常じゃなく熱いし、自分の体も熱いから、倒れそうだ。でもここで倒れたら地面が熱い為、僕は焼き鳥になってしまう。持ってきた水も熱くて蒸発し、お湯になっていた。

「クソ……これじゃあ……死ぬ……」

ここで死ぬわけにはいかない。ミファーを見つけなきゃ…。

「何処だよ……!!」

君は今、泣いているかい?一人が寂しくて、不安で焦りで泣いているかい?ここが何処かも分からなくて、帰り方も分からなくて、もうここで死ぬかもって思っちゃったりして、泣いているのかい?大丈夫。僕が見つけてあげるからさ、だからそこで待っててよ。













「ミファー!!!」

「……!?リーバルさん!!」

「なんでこんな所にいるんだい!?探したんだぞ!!」

「ごめんなさい。綺麗な場所があるって、ゴロンシティの子供達に言われて…」

全く、このお姫様は……

「あのねぇ、旅行をしに来たんじゃないんだよ!分かってる??」

「それは……分かってるけど……」

「君は目を離したらすぐ何処か行くよね!単独行動はダメって皆に言われたでしょ!!」

「言われたけど………、折角来たから探険したいな〜って……」

「それは後でね!!全く君は……もう!僕から離れないでよ!!」

「………う、うん…分かった……!///」

ん?なんで照れているんだ……?僕、何か変な事言ったっけ……?まぁ、いいか…

「ほら、早く行くよ。」

「は、は〜い」



























〜〜〜〜ゴロンシティ・族長の間〜〜〜〜

「おお…!!!英傑様…!!こんな熱い場所へよくお越しくださいました……誠に感謝申し上げます。」

「堅苦しいな……。綺麗な言葉使わないで喋って。」

「ですが……」

「いいから」

「分かりました。」

「では……こちらにお座り下さい。」

「分かったよ」

「今回は、どのような要件が……?」

「……ダルケルの話さ。」

「ダルケルですか…??そういえば、ここ最近、見てないですね。まだ帰ってきてないのでしょうか……。」

「それが……ダルケルはガノンとの戦いで亡くなってしまったんだ…。」

「え………??」

「英傑様……本当ですか…?」

「こんな話に嘘をつけるわけないだろ…」

「そんな……。」

「……どのように亡くなってしまったのですか?」

「僕は、意識を失っていたから……。ミファー、説明してあげな。」

「う、うん………」

「あの時はね、私…体の限界を越えてて立てなくなったの。それでガノンは私に攻撃をして…私、死んだんだな……って思ったら、ダルケルさんが助けてくれたの…。でもね、ダルケルさんの誰にも破れない護りの力をガノンが…破って……それで…ダルケルさんのお腹を……」

「……ミファー…。大丈夫……?」

「……気持ち悪いかも……。」

「じゃあ、僕に寄りかかりなよ。」

「ありがとう……」

「今の話…よく分かりました。ありがとうございます。話を聞く限り、あのお方は最後まで勇敢だったのですね。」

「………あ、そうだ……。これ…良かったら、受け取ってよ。」

「これは……!!ルーダニアのスカーフですか…?」

「うん……。ダルケルが身につけていたものだよ。」

「っ…………!ありがとうございます……!本当に、ありがとうございます……!!」

「オメェさんも、素直になったんだなぁ。」

「「!?」」

「驚かせてすまんな。」

「族長さんよぉ。今までありがとな。おまえさんのお陰でオレはここまで強くなれた。産まれたときから、親がいねぇオレを大事に育ててくれたオメェには感謝しかねーよ。」

「全く……!帰ってくるのが……遅いぞ……!」

「………っ。すまん……なぁ……。」

「リーバルよぉ。」

「……何?」

「……怒ってんのか??」

「当たり前だろ。」

「僕にさよならもせずに勝手に死んだから、怒ってるんだよ。」

「それはすまねぇな。……ミファー、元気でな。お前ら二人、協力し合って生きていけよ。」

「何それ…僕とミファーに付き合えって言うのかい!?」

「まぁまぁ、両思…………おっと…好きなら告白すればいいだろぉ。」

「何か言ったかい…?」

「………別に……?」

「それじゃあな…!!」

「あ、あぁ、じゃあね。」

「またこっちに来た時は、特上ロース岩を食おうぜ!!」

「それは、遠慮しとくよ……」

「ハッハッハッー!!!お前らしいな!!」

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