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夜、リビング。
照明は落とされ、スタンドライトだけが柔らかく灯っている。
3人は並んでソファに座り、その前に立つ◯◯を見上げていた。
ほんの数時間前、後ろからハグをしたあと――
「ただいま」と「おかえり」を交わして、今がある。
でも、空気がどこか違う。
いつもより近い距離、いつもより熱い視線。
元貴が、ゆっくりと手を伸ばして、◯◯の手をとる。
「……怒ってたわりに、甘えんの早くない?」
「うるさい」
◯◯が頬を膨らませると、涼架がくすっと笑う。
「でも、そういうところ……正直、好きだよ。
素直じゃないのに、全部見せてくれるところ」
滉斗が立ち上がり、後ろからそっと肩に手を置く。
「◯◯ってさ、怒ってても可愛いんだよ。
でも、こうして許してくれると……もっと困る」
「なんで困るの?」
「だって……我慢できなくなりそうだから」
その瞬間、空気が変わる。
3人の視線が、確かに“スイッチ”を入れたように変わった。
元貴が立ち上がり、◯◯の腰に手を回す。
「ねぇ、今日くらいわがまま言ってもいい?」
「わがままって……なに」
「“◯◯が欲しい”って言ったら、引く?」
耳元で囁かれた言葉に、びくりと体が跳ねた。
涼架が、いたずらっぽく笑いながら近づく。
「怒ってたぶん、ちゃんと“甘やかさないと”ね。俺たちが」
滉斗が、手をそっと頬に添えて、じっと目を覗き込む。
「ねえ……◯◯がどれだけ俺たちを好きか、教えてよ。
俺たちも、それ以上に返すから」
◯◯の背中がぞくっと震えた。
声は震えていたけど、確かに言葉になった。
「……教える、けど。
ちゃんと覚悟して。今日は……私、簡単に許す気ないから」
元貴が、その唇にそっとキスを落とす。
「うん、知ってる。
でも――その“許さない”が、今はすごく嬉しい」
―この夜、リビングの灯りは、ずっと消えることはなかった。
次回、ちょっと刺激的かも…?