テラーノベル
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暗闇。
静か。
……なわけがない。
突然、エドワードのいびきが響いた。
エドワード「ZZZZZZZZ!!!」
――直後。
二人の絶叫。
エドワード「痛い痛い痛い痛い痛い!!!ごめんって!」
オリバー「ぐぎぎぎ!!!なんで!?なんで!?」
内田は跳ね起きる。
「今度は何だよ!?」
電気を点ける。
まず目に入ったのは――
エドワードの背中にルビーが乗り、
足を引っ張っている光景。
まるで柔軟体操。
ルビーは笑いそうなテンションで、
「いびきを静かにしてよ!」
半分はおふざけだ。
そして横。
スケルがオリバーを担ぎ、
頭をぐりぐり押し当てている。
どうやらオリバーの胴体の急所に当たっているらしい。
オリバーは身をよじっている。
ジップは布団の上で笑い転げていた。
内田、声を荒げる。
「おい!おい!おい!お前ら!!!」
徐々に笑いのピークが去る。
内田は深く息を吸い、
「いい加減にしてくれよ!もうマジで寝かせてくれ!」
スイッチへ近づく。
「明日は早いんだぞ!」
その瞬間。
スケルがぽつり。
「……内田が一番うるさい。」
一拍。
ルビーが吹き出す。
「ちょっwwwそれダメwww…^w^」
オリバーも耐えきれない。
「おいwバカ……w」
内田の顔が険しくなる。
「なんでだよ!ふざけんなよ!」
気迫に圧され、全員が布団へ潜る。
「次騒いだらぶっ飛ばすからな!!」
内面三十代のおじさんも、
大人気ないキレ方をして電気を消した。
布団の中。
深呼吸。
(落ち着け……落ち着け……)
そのとき。
部屋の奥で布団をめくる音。
別方向からも。
内田は、こっそりスイッチに手を伸ばす。
パチン。
明るい。
全員が「あ。」
オリバーは立木のポーズでふざけている。
他は布団に座っている。
「何やってんだお前ら。」
声と同時に――
オリバーは布団に突っ伏し、
エドワードはいびきを立て、
ジップは頭まで布団を被り、
スケルとルビーは目を閉じて寝たフリ。
内田、静かに観察。
「何だよ今のは。」
スケルが目を開ける。
「寝返りだよ、寝返り。」
ルビーも同調。
「そうそう、寝返りよ。」
内田は即答。
「いや、どうなってんだよ。どういう寝返り?」
足元から声。
ジップが布団から顔を出す。
「……あつい……」
ため息。
「絶対寝ろよ!」
暗転。
(もう勘弁してくれ)
だが祈りは散る。
五人の大声。
スケル「ふぬううう!」
ルビー「早くしなさいよ!」
エドワード「痛い痛い!」
オリバー「ジップ、背中!背中!痛い!」
ジップ「揺れるなって!」
内田は理解不能のまま電気を点ける。
――和室中央。
人間ピラミッド。
下段:ルビーとスケル。
中段:オリバーとエドワード。
最上段:ジップ。
完成度が無駄に高い。
内田は怒鳴る気を失う。
半分感心した声。
「……何やってんだよ。」
頂上から順に解体。
(明日スキーだぞ……)
だが。
この狂った学校でも、
無邪気さは健在らしい。
それは少しだけ安心だった。
……ん?
スキーは明日?
時計を見る。
0:49。
スキーは――今日だ。
内田、絶叫。
「おい!あと5時間しか寝れねえぞ!」
全員が青ざめ、
光速で布団へ。
今度こそ沈黙。
翌朝。
奇跡的に起床。
4時間睡眠。
ギリギリ。
内田はぼそり。
「……まあ、森の時よりマシか。」
雪山の朝日が、
和室に差し込んでいた。
修学旅行二日目。
波乱の予感しかしない。
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