テラーノベル
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「ハァーーーーーーーーーーーーーーー…」
「そんなクソデカため息ついて、どうしたの?」
「誰のせいだと…」
「俺?」
「おめー以外に誰がいるんだよ」
そう、あたしは今、翠に抱えられている。
「別に1人で歩けるのに…」
「だれですかーさっき俺の腕の中に倒れ込んだの」
「うっ…あたしです…」
なんやかんやワーワーしてると翠の家についた。
「オカンー、ただいまー」
「あら、おかえりなさい翠ちゃん」
翠の母親の声がした。
「同じ九弧の子見つけた」
「あらまぁ!翠の彼女さん?」
「違います」
「未来のね〜」
あたしはがしっと翠の襟を掴んだ。
「オイテメェふざけんな勝手に決めんな」
「うふふ、お似合いさんねぇ。楽しみにしてるわぁ」
翠は母親にいたずらっぽい笑みを浮かべた後、2階の部屋に入った。
そしてあたしを座らせて、救急箱を取り出す。
「うわー、痛そう。青アザできちゃってる」
「痛いに決まってんでしょーが。てかあんたの肩平気なの?」
「先に自分の心配をしましょうね〜」
「質問に答えなさいよ!」
「はいはい、しみるよ〜」
翠がそういった直後、ぴりっとした痛みが走る。
「よし、おっけー。消毒も手当もしたし、もう大丈夫でしょ」
「…お礼は言う」
「素直じゃないねぇ。まあいいけどさ。なんかあったら連絡してよ」
「さらっと連絡先交換しようとすんな」
「バレたかぁ〜」
そう言って笑う翠の顔はいつもにまして嬉しそうに見えた。
「なんでそんな嬉しそうなのさ…」
「そりゃ嬉しいでしょ、好きな人を家に呼べるなんて」
「え?」
「ん?」
「いや、なんて?」
「え、だから好きな人を家n…」
べしっ
「痛っ!?」
「このバカ!ボケナスっ!」
「なんでー!?」
だめだこりゃ。
先にあたしが狂いそうだ。
コイツはまずい。無自覚すぎる。
別にさ、好きな人って言われただけであってあたしが好きかなんて…
好きかなんて…
いや、好きっていうか…
なんというか…
恋愛経験なさすぎてなーんもわかんない!
「おーい」
翠の声が聞こえる気がする。
「おーい、どした?なんかぶつぶつ呟いてるけど」
「ハッ…いや、な、なんでもない…です…?」
「そっか!急に可愛い顔して唸るからびっくりしちゃった」
どうやらあたしの負けのようだ。
コメント
1件
うわあ…翠くん、無自覚すぎて逆にずるいやつだよ〜!「好きな人を家に呼べるなんて」って平然と言っちゃうとこ、心臓に悪い…!主人公がパニックになって「なーんもわかんない!」ってなる気持ち、めっちゃわかる。最後の「どうやらあたしの負けのようだ」で完全にノックアウトされてて、こっちまでニヤニヤしちゃった。2人の距離がじわじわ縮まってく感じ、すごく好きです🥀