「嘘,、、、、だろ?、、、、」
先に声を出したのは俺だった。急に駆け出していったゆうたを黒い影が襲い,すぐさま森に影を隠した。俺はそれが犬に見えた。
周りの安全を確認したあとすぐさまゆうたに駆け寄った。
「おい!大丈夫か?!」
息が荒い,右手からは血の海が面積を増やしていた。
「かいと!救急車!」
「今やってる!でも繋がらない。圏外!」
「繋がるとこまで行って救急車呼んでくれ。」
「一人で大丈夫か?」
「一様医者の子供だ。大丈夫だから早く!」
「わかった。」
かいとはそう言って走っていった。その後タオルをすぐさま取り出し近くにあった小川で少し濡らしてしっかり絞った後右手に強く巻きつけた。そしておぶってかいとの方は向かった。
「救急車行けるか?」
「すぐ来るって。」
「そういやゆうたって犬に好かれやすいのかな?ほらなおきの家でも。」
「そういやそうだったな。」
ピーポーピーポー
軽く手を振ったら気づいたらしい。こっちに向かってきた。そして救急車から若い男性が出てきた。
「ありがとうございます。杉田病院の久保って言います。何があったか知りたいので病院に来てもらって良いですか?」
「それって今すぐですか?」
「いえ、今日中なら大丈夫です。」
「分かりました。」
久保さんとの会話の後救急車はゆうたを連れ病院に向かった。
「何で今すぐ向かわないんだ?」
「俺たちにはやることがあるだろ?」
「杉田病院って、、、、」
「ああ、うん、そうだ。」
そう言ってその用を済ませた後すぐ病院に向かった。もう影は自分の背丈より長くなり,時計は四時半を指していた。
「萩 ゆうたくんは命に別状はありませんが昏睡状態にあります。右手の怪我はあまり大きくないですが少し病原体が体から入ってしまったようです。この前昏睡状態が3週間ほど続くと命も危ないかもしれません。」
久保さんの説明をゆうたの親と一緒に聞いた。母はとても不安そうにしていて、可哀想だった。説明が終わった後病院の廊下を歩いているとゆうたの母に声をかけられた。
「ごめんね,何があったか教えてくれる?」
「はい,大丈夫ですよ。」
母の目は今にも涙が出そうだった。
「そこの森で遊ぶ?みたいなことをしてたんですがその帰りにゆうたくんが犬?に噛まれてしまってその後救急車を呼んでこの病院に運ばれたって感じです。」
「ありがとうね,本当にありがとう。」
足元がフラフラしていて崩れそうだった。
「そこに掛けましょうか。」
そう言ってソファに掛けた。
「最近ゆうたがおかしくてね,何回もサッカー部の練習をサボったりするの。前まではこんなことなかったのに、」
「それっていつからですか?」
「そうね,2週間ぐらい前の金曜日から?」
やっぱりそうだ,りょうが倒れてなおきが本格的にダメージを受け始めてからだろう。
「ごめんね,またね,」
そう言ってフラフラとした足で歩き出していった。
「あの、、、、僕の父が絶対治します!」
自然に口から出た言葉だった。あの背中を見て、何も言わないわけにいかなかった。
「そう、期待してるは、」
ゆうたの母は優しく微笑んでくれた。
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