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第15話 もう一通の手紙
「……会いたかった」
蓮のその言葉に。
静佳の目から、また涙が落ちた。
「……私も」
「俺も!」
湊音が笑う。
「ほんとに蓮だ……!」
「うん」
蓮も笑った。
けれど――
その笑顔の奥には、どこか迷いがあった。
「……?」
静佳が気づく。
「蓮くん?」
「ん?」
「どうしたの?」
「……いや」
蓮は一瞬だけ視線を逸らした。
「なんでもない」
「……」
静佳はじっと蓮を見る。
「今の『なんでもない』、怪しい」
「え?」
「私、そういうの分かるから」
「……」
湊音が吹き出す。
「静佳、いつものやつだ!」
「何?」
「自分も『なんでもない』って言うくせに!」
「……それは」
「ほら!」
「うるさい!」
三人の間に、昔と同じような笑い声が戻る。
少し離れたところで見ていた心音とおさでいも、思わず笑った。
「……なんか、不思議だな」
心音が呟く。
「12年も離れてたのに」
「昔と変わらない」
おさでいも頷く。
「……本当に」
***
「ねえ、蓮」
湊音が聞く。
「どうして急にいなくなったの?」
#琉歌の部屋
#STPRBL
#STPR様
#専用部屋という字読めますか?平仮名にするねせんようべや
その瞬間。
蓮の表情が止まった。
「……」
静佳も蓮を見る。
「私も知りたい」
「……」
蓮は黙っていた。
「手紙には『大人たちが決めた』って書いてあったけど」
静佳が続ける。
「それだけじゃないんでしょ?」
「……」
「蓮くん」
静佳の声は優しかった。
「私たち、もう子どもじゃないよ」
蓮はしばらく黙ったあと。
「……うん」
小さく頷いた。
「本当のことを話す」
「……!」
湊音が身を乗り出す。
しかし。
「ただ」
蓮は二人を見る。
「今はまだ、全部は話せない」
「……どうして?」
「約束してるから」
「誰と?」
「父さんと」
その言葉に。
少し離れていた心音とおさでいが顔を見合わせる。
「……父親との約束?」
おさでいが呟いた。
***
その夜。
蓮が帰ったあと。
「……」
静佳は公園のベンチに座っていた。
湊音も隣に座る。
「会えたね」
「うん」
「なんか……変な感じ」
「分かる」
静佳が空を見る。
「嬉しいのに」
「うん」
「まだ、分からないことがいっぱい」
「……俺も」
その時。
「二人とも」
心音が声をかける。
「そろそろ帰ろう」
「うん」
二人が立ち上がる。
すると。
「……静佳」
「ん?」
心音が少し迷ってから言った。
「今日、無理してない?」
「……」
静佳は少し考える。
「……してない」
「本当に?」
「うん」
そして。
「今日は……大丈夫」
心音は少し笑った。
「そっか」
「うん」
静佳も笑う。
今度の「大丈夫」は――
無理している時の言葉ではなかった。
***
翌日。
STPRの事務所。
「おはよー!!」
湊音が元気よく入ってくる。
「おはよう」
静佳も続く。
「おはよ!」
「おっはー!」
いつも通りの騒がしい朝。
「昨日どうだった!?」
ころんがすぐに駆け寄る。
「会えた?」
「うん!」
湊音が笑う。
「蓮に会えた!」
「マジ!?」
「どんな子!?」
あっきぃが興味津々。
「普通にいい奴!」
「それじゃ分からん!」
ぷりっつがツッコむ。
「写真ある?」
「あるよ!」
湊音がスマホを取り出す。
「見せて!」
男子たちが一気に集まる。
「おお……!」
「これが蓮くん?」
「へぇ……」
静佳は少し離れたところから、その様子を見ていた。
「……」
「静佳?」
莉犬が隣に来る。
「嬉しそうだね」
「……うん」
「よかったね」
「うん」
静佳は小さく笑った。
「12年ぶりだったけど」
「うん」
「ちゃんと、昔の友達だった」
「……それって、すごくいいことだね」
「うん」
***
その頃。
事務所の別室では――
静佳の母親と湊音の母親が、深刻な顔で話していた。
「……蓮くんは、昨日何を言いました?」
「まだ何も」
「そうですか……」
「でも」
湊音の母親が封筒を取り出す。
「これを渡されました」
「……!」
静佳の母親が見る。
「もう一通……?」
「はい」
昨日、蓮から渡されたものだった。
封筒には、こう書かれていた。
『二人の父親には、まだ見せないでください』
「……」
「どういう意味でしょう」
「分かりません」
二人は顔を見合わせる。
「でも――」
静佳の母親が封筒を開く。
中には、一枚の紙。
そこには短く書かれていた。
『あの日の事故は、偶然じゃなかった。』
「……!」
二人の顔から血の気が引く。
「そんな……」
さらに下には。
『そして、湊音と静佳が離されることになった本当の理由は、別にある。』
「……」
部屋に沈黙が落ちた。
***
「ねえ」
突然、扉が開いた。
「……!」
二人の母親が振り返る。
そこには――
心音とおさでい。
「何してるの?」
「……」
二人は答えない。
「何かあった?」
心音が近づく。
その瞬間。
おさでいが机の上の紙に気づいた。
「……これ」
「……」
「見せてください」
静佳の母親は迷った。
けれど。
もう隠し続けることはできない。
「……読んでください」
おさでいが紙を取る。
「……」
読み進める。
そして。
「……事故が、偶然じゃない?」
心音の表情が変わった。
「どういうこと?」
「分かりません」
母親が答える。
「ただ、これを書いたのは蓮くんです」
「蓮が……?」
「はい」
心音は紙を握る。
「じゃあ、あの日――」
おさでいが呟く。
「湊音が怪我したことも……」
「……」
「全部、誰かが仕組んだってこと?」
誰も答えられない。
***
その頃。
廊下では。
「心音、おさでい、どこ行ったんだろ?」
湊音が首を傾げていた。
「さあ?」
静佳も不思議そうにする。
「二人とも朝からいないね」
「……」
静佳がふと、別室を見る。
「……?」
「どうした?」
「今、何か聞こえなかった?」
「え?」
「……気のせいかな」
二人が別室へ近づく。
そして。
ドアの前まで来たところで――
中から聞こえた。
「……事故じゃなかったんだ」
心音の声。
「……!」
湊音と静佳が同時に止まる。
「事故じゃ……なかった?」
静佳が小さく呟く。
湊音も顔を見合わせる。
「……聞いちゃった」
「うん」
二人は、そっとドアを開けた。
「……!」
中にいた全員が振り返る。
「お母さん」
静佳の声が震える。
「事故って……何?」
「……」
母親は言葉を失う。
「昨日のこと?」
湊音も聞く。
「俺が静佳を助けた、あの日のこと?」
「……」
静佳の母親が立ち上がる。
「二人とも……」
「お願い」
静佳が言う。
「今度こそ、全部教えて」
湊音も頷く。
「俺たち、逃げないから」
しばらくの沈黙。
そして――
母親は静かに頷いた。
「……分かりました」
「……!」
「全部、話します」
「でも、その前に」
母親が二人を見る。
「あなたたちに見せなければならないものがあります」
「何?」
母親は、古い箱を取り出した。
蓋を開ける。
中には――
三人分の小さなキーホルダー。
古い写真。
そして、一枚の紙。
「これ……」
湊音が手に取る。
紙には、幼い子どもの字で書かれていた。
『みなと・しずか・れん』
その下には――
『大人になっても、ずっと友達』
「……」
静佳の目から涙が落ちる。
「……私たち」
「うん」
湊音も笑う。
「昔、本当に仲良かったんだな」
しかし。
紙の裏側を見た瞬間――
二人の表情が凍った。
そこには、子どもの字ではない。
大人の字で、こう書かれていた。
『この約束を、絶対に守ってください。』
そして、その下に。
『もし私たちに何かあったら、三人を絶対に離さないで。』
「……」
心音が息を呑む。
「『私たち』って……誰?」
おさでいが紙を裏返す。
その下には――
一つの名前が書かれていた。
「……これ」
湊音が呟く。
「俺たちの……」
静佳も震える声で続ける。
「お母さんたちの名前……?」
二人の母親は、静かに目を伏せた。
そして。
「……そうです」
「12年前のあの日」
「私たちは――」
二人の母親が、同時に口を開く。
「あなたたち三人を守るために、離れ離れにしたんです」
――12年前。
三人の子どもたちを巻き込んだ、本当の出来事。
それが今。
少しずつ、明らかになろうとしていた。
コメント
1件
ああ〜〜〜!!もう待って待って待って!!😭💕 蓮くん戻ってきたのに、笑顔の裏に迷いがある感じ…切なすぎる…! 「事故は偶然じゃなかった」って何!?しかも蓮が父親と約束してるって…もう気になりすぎて今夜眠れん!! 三人の幼い頃の約束の紙とか、お母さんたちの秘密の手紙とか、もう感情が追いつかんよ…! 次が気になりすぎる、早く続き読ませてください先生!!😭🙏✨