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死ネタ学パロ
書くの疲れて途中で終わります
「好き」
告白とほぼ同じタイミングで夜空に大きな花火が咲いた。その瞬間、周りも声も何もかもかき消すような轟音が響いた。色とりどりの光が夜空に広がって、二人の顔を照らして、あっという間に消えてゆく。
「ん?」
隣で花火を眺めていたぐちつぼが、きょとんとした顔でこちらを振り向く。
「あ、ああ……なんでもないよ」
やってしまった。
周囲の声が聞こえなくなるほどの轟音が、俺の声を完全にかき消したんだ。
そのせいで俺の告白がぐちつぼの耳には入らなかったんだ。
花火は次々と夜空に咲いていく。
さっきまで綺麗だと思っていた花火も、今はとても憎らしかった。
それからしばらく俺は何も話さなかった。
きっと声が震えてるから、話せなかった。
ぐちつぼは変わらず、夜空に咲く花火を眺めていた。
俺も同じように顔を上げて花火を眺めてるフリをした。でも、もう花火なんて目に入ってなかった。
ぐちつぼと出会って過ごしてきたこの4年間、ずっと君のことが好きだった。
何度もこの気持ちを伝えようとしたけど、毎回毎回断られる恐怖が勝って結局何も言えないまま過ごしてきた。それで今日やっとの思いで口に出来たのに、たった1発の花火で全て無駄になってしまった。
「……ごめん」
自分でも笑いそうなくらい、震えた声で喋り出す。
突然声を出した俺に、ぐちつぼはこちらを見る。俺は涙が出そうだったから、慌てて顔を逸らした。
「そろそろ門限だから帰る!」
「んえ?らっ」
「じゃあね!」
ぐちつぼの返事と被せるようにさよならを伝え、半ば逃げるように早足で帰る。背後からまだ彼の声が聞こえた気がした、けど聞こえないフリをした。
もう少しだけ早くこの場から離れたい。もう少し早く、
気づけば歩くと言うより走っていた。
真夏の夜風が頬を撫でる、花火の音が遠ざかっていく。
「最っ悪……!」
唇を噛んで出そうな涙を頑張って抑えようとしたが、そんなの無駄で目頭がどんどんと熱くなって涙が出てくる。
しばらく走り続けると見慣れた交差点が目に入った。家のすぐ近くの登校中、いつもぐちつぼと鉢合わせる場所だった。
信号を渡って、ちょうど赤信号になった時、聞き馴染みのある声が夜の街に響いた。
「はぁっ、はぁ!、らっだぁ!!」
遠くからぐちつぼが息を切らしながら走って来るのが見えた。髪は乱れていて、さっきまで花火を見ていた時とは違う、赤くなった顔をしていた。
「なん、で……」
どうして追いかけて来たの?なにか俺に言いたいこととかあるの?もしかしてさっきの聞こえてた?
そんな希望を抱きながら彼の息が整うのを待つ。
「らっだぁ」
「俺も……す」
ドンッ!!
「え」
_
何が起きたのか、分からなかった。
急なことすぎて 目の前で起きていることが、夢なのか現実なのかどうかすら分からなかった。
周囲に人が次々と集まっていく。
遠くからサイレンの音が近づいてくる。
赤い光が夜の街を染めていく。
救急車やパトカーが交差点に滑り込んできた。
救急隊員が駆け寄り、周囲の人達に声がけをしながら慌ただしく、けれど慎重に倒れているぐちつぼを運ぶ。
俺はそれをただ黙って見ていた。
何もせずに、人が目の前で轢かれたというのに、それもまた好きな人、が俺のいちばん大切なひとが。
_
それから、どれくらい時間が経ったのか分からない。
扉の向こうから、一人の医師が出てきた。
その医師の表情を見た瞬間、胸の奥が嫌な音を立てた。
「……ご友人の方ですか」
「……」
黙って頷く。
「先ほど、緊急手術を行いました」
「事故による外傷が非常に重く、出血も多い状態でした。こちらとしても、できる限りの処置を行いましたが……」
医師が一度、言葉を止める。
何となく、もうこの時点で察してた。
「……残念ながら、救命することができませんでした」
ごめんなさい疲れました
コメント
1件
ああ……これは、読んでいて胸が締め付けられるような話でしたね。花火の轟音に告白がかき消されて、やっとの思いで伝えた想いが届かなかったあの瞬間の絶望感。それでも相手が追いかけてきて、「俺も」と言いかけたところで事故……。タイミングの残酷さが、鮮烈に心に残りました。走り去る主人公の「最っ悪」という台詞が、すべてを物語っているようで。救いようのない終わり方ですが、それゆえに強く印象に残る一編でした。お疲れさまです、これを書くのはさぞ大変だったでしょうね。